日経平均の予想: [2010/10/15]日経平均の今後の見通し

Friday, October 15, 2010

[2010/10/15]日経平均の今後の見通し

[市況]
14日のNYDowとNASDAQは小幅下落しました。15日の日経平均先物は、前日比20円安で寄り付きました。前場は寄り付後から下落し、一時90円安となる場面がありました。後場は小動きとなり、最終的に50円安で終わりました。日経平均は83円安で引け、出来高は18.9億株に減少しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、550万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
14日の米国市場では、米大手銀行の間で差し押さえ住宅の売却を停止する動きが広がっており、ローン債権回収の遅れが収益の重荷になるとの見方から金融株が下げまた。相場は前日までの続伸で約5ヶ月ぶりの高値圏にあり、利益確定売りが出やすい水準でした。一方、追加金融緩和への期待が引き続き相場を支え、引けにかけて下げ渋りました。
15日の日本市場では、前日の先物主導での大幅上昇の反動から売りが先行しました。その後も、金融株の下落などが市場心理を悪化させました。米国市場は小動きにとどまったものの、依然として円高ドル安への警戒感がありました。一旦は、ハイテク株の堅調な動きで下げ渋る場面もあったものの、週末に伴うポジション整理の動きが強まり、安値圏内での大引けとなりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の上にありますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変りました。総合乖離率は-3.7%とマイナス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-5.5%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が11.8ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は0.5ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ1.9ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2010年の実質GDP成長率見通しを下方修正し、米国の4-6月期のGDPは縮小ぎみです。一方、4-6月期決算発表内容は概ね好調でしたが、7-9月期は鈍化するとの見方が出ています。経済指標では、9月のISM非製造業景況感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、8月の小売売上高、などは市場予想を上回りましたが、9月のISM製造業景気指数、9月の消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、9月の連銀景気指数、8月の鉱工業生産指数は予想以下となりました。8月の失業率は9.6%と増加したものの、雇用者数が事前予想以上となりました。一方、住宅関連では、8月の米仮契約住宅販売指数、8月の米中古住宅販売件数は予想以上でしたが、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。7月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は予想以上だったものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州の銀行による金融不安は落ち着いたようです。しかし、根本的な解決には時間が掛かりそうです。G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきました。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は10月12日 0.2891% → 10月13日 0.2891% → 10月14日 0.2891%と低下後横ばい状態です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は14日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.06ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが16.0、PBRが1.11、ROEが6.9%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落率以上下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.8%となり、日経平均は70円の割高で、割高幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-90円 ~ +180の間で推移しています。日本市場は、円高進行で、ドルベースで米国市場より強い動きが後退しました。今夜の米国市場は、9月の消費者物価指数、9月の小売売上高、10月のニューヨーク連銀製造業景気指数、10月のミシガン大学消費者信頼感指数、GEの決算発表などが注目されそうです。9-10月に入り発表された、米国の経済指標は予想以下でも、追加金融緩和期待から、売り材料にはなりにくい状況が続いていており、米国市場は、短期・中期とも上昇トレンドにあります。一方、日経平均は昨日の上げ過ぎの反動もあり、円高環境での想定外の強い動きは無くなりつつあります。日経平均の上昇の為には、今後も効果的な為替介入や米国市場の一段高などの支援材料が必要です。米国市場は、当面、追加金融緩和期待から上昇トレンドは維持されそうですが、今後発表される7-9月の決算内容で、悪材料が出た場合は一服することも有りそうです。日経平均は信用期日到来もピークが過ぎ、買いが入りやすい環境となりそうです。一目均衡表の雲の上に戻りましたので、この状態が続けば、押し目買いスタンスで良さそうです。


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