[市況]
22のNYDowは下落し、NASDAQは上昇しました。25日の日経平均先物は、前日比20円高で寄り付き、前場はやや値を下げる動きとなりました。後場に値を戻す場面もありましたが、大引けにかけて、やや値を下げ、最終的に10円安で終わりました。日経平均は25円安で引け、出来高は14.0億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、520万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡がりました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
22日の米国市場では、NYDowの構成銘柄のアメックスとベライゾン・コミュニケーションズが決算発表後に売られ、NYDowの下げを主導しました。一方、決算が市場予想を上回った油田サービスのシュルンベルジェが大幅に上昇し、エネルギー株がつれ高かしました。アマゾン・ドット・コムは、アナリストが投資判断を引き上げたことで高値を更新。サンディスクが増収増益決算を発表したことや、中国インターネット検索サービスの百度が大幅な増収増益となる四半期決算を発表したこともNASDAQの上昇を後押ししました。
25日の日本市場では、米国市場や為替による手掛かり材料が不足するなか、G20財務相会合後の為替動向や主要企業の決算発表を見極めたいとの動きが強くなりました。中国市場の強い動きに影響される場面もありましたが、一段の円高進行が嫌気され、大引けにかけて再度売られる展開となりました。
[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-7.1%とマイナス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-6.1%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が14.1ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は1.0ポイント拡がりました。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ2.0ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2010年の実質GDP成長率見通しを下方修正し、米国の4-6月期のGDPは縮小ぎみです。一方、7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、9月のISM非製造業景況感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、8月の小売売上高、などは市場予想を上回りましたが、10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月の鉱工業生産指数、9月のISM製造業景気指数、9月の消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、などは予想以下となりました。8月の失業率は9.6%と増加したものの、雇用者数が事前予想以上となりました。一方、住宅関連では、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、8月の米仮契約住宅販売指数、8月の米中古住宅販売件数は予想以上でしたが、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。7月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は予想以上だったものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州の銀行による金融不安は落ち着いたようです。しかし、根本的な解決には時間が掛かりそうです。G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきました。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は10月19日 0.2891% → 10月20日 0.2884% → 10月21日 0.2884%と低下傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は22日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.11ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.8、PBRが1.09、ROEが6.9%となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、NYDowに連動して小動きとなりました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.1%となり、日経平均は10円の割安で、割安幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-130円 ~ +50の間で推移しています。日本市場は、円高進行によりドルベースで米国市場とほぼ均衡する動きとなりました。今夜の米国市場は、バーナンキFRB議長講演、9月のシカゴ連銀全米活動指数、9月の中古住宅販売件数やテキサス・インスツルメンツの決算発表が注目されそうです。9-10月に発表された米国の経済指標は、追加金融緩和期待から、予想以下でも売り材料にはなりにくい状況が続いていており、米国市場は、短期・中期とも上昇トレンドにあります。一方、日経平均は三角持ち合いを下離れ、冴えない動きとなっています。日経平均の上昇の為には、今後も効果的な為替介入や米国市場の一段高などの支援材料が必要ですが、米国市場も高値圏でのもみ合い状態に在り、上昇が続くかどうか微妙な段階です。この先NYDoweが25日線を割るか否かを注視することが必要です。ちなみに、現在の25日線乖離率は+1.8%で、まだ200ドル程度の余裕があります。日経平均は米国市場の上昇でなんとかなっていますが、直近安値を割り込み、短期トレンドは赤信号となっています。75日線と、一目衡表の雲にサポートされていますが、25日線を下回っていますので、チャートとしては、あまり良くない形が続いています。また、ボリンジャーバンドが狭まりつつあり、煮詰まり感もでてきました。
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