[市況]
24日のNY DowとNASDAQが大幅上昇したことを受けて、日経平均先物は前日比420円高で寄り付き、前場は480円高まで買われる場面もありましたが、後場にかけて下落に転じましたが、引けにかけて戻し、結局410円高で引けました。日経平均は413円高でした。寄付き前の外人は910万株の売り越しで、出来高は21.5億株と低水準でしたが、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス転換し、個別銘柄は"買い"が有利な状況です。
24日の米国株式市場では、シティの不良資産の損失を政府が保証し、200億ドルの追加の資本注入も発表したことで、買い戻しが膨み、金融株をはじめ、幅広い銘柄に買いが入りました。一方、オバマ次期政権の経済閣僚が発表され、追加景気対策を早期にまとめる姿勢を示したものの、市場の反応は限られ、10月の中古住宅販売件数は2カ月ぶりに減少しましたが、こちらも、影響は限定的でした。
25日の日本市場では、米市場で金融株が買われた流れを引き継ぎ、大手銀行株が堅調でした。日経平均は8356円まで上昇する場面があったものの円相場の動きには敏感な反応が見られ、朝方の水準と比べて円高に振れると輸出関連株が一時下げに転じる場面もありましたが、引けにかけて買いの勢いを強めました。市場では公的年金の買い観測がきょうも聞かれたようです。
[テクニカル視点]
日経平均は上昇したものの、75日線、25日線の下に在るものの、9日線を抜きましたので、短期トレンドは"黄信号"となりました。。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-57.4%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率は-33.0%とマイナス幅が縮小しましたが、3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度はこのところの日本企業のPERの悪化と米国の長期金利の低下により縮小ぎみですが、今日は0.3ポイント割安となりました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.5ポイント上回るレベルとなり、割高度は縮小しました。
NY Dowは、上昇し、75日線、25日線、一目均衡表の雲の下に在りますが、9日線を抜きました。Nasdaqも、75日線、25日線、一目均衡表の雲の下に在りますが、9日線を抜きましたので、米国市場の短期トレンドは、"黄信号"となりましたが、中期トレンドは、引き続き"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
米国市場はシティーへの政府による支援で、大きく上昇しました。市場テーマである①通貨危機、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①はIMFの融資が進みつつあり、落着いてきたようですがウォン安が進んでいます。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感で持ち直しています。③についても、12月の米投資銀行の決算を控え、ヘッジファンドの破綻解消など、まだ懸念がありますが、シティへの政府支援で安心感が多少でてきました。全体的には、ここ2日は好材料が勝っているようです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、24日は大幅上昇しました。(11月の年初来安値4.7ドルに対して現在5.9ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-33.2%で、予想PERは14.1、PBRは0.96となりました。PBRが再び1.0を大きく割ってきましたので、長期投資の視点では買い場が到来したようです。
[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowの上昇率には及びませんでした。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは+1.8%(150円の割高)とプラス幅が大幅に縮小しました。プレミアム値はここ2週間は+30~+800の範囲で動いています。グローバルな視点で見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線の下にありますが、9日線を抜きましたので、多少期待が出てきました。日経平均は先週末に週末の米国市場の大幅高を織り込んで上昇しましたが、裏切られるこなく、米国市場が大幅上昇しました。先週末に先駆けて上げた分、今日の上昇が物足りないのは仕方のないところです。あと150円ほどで、25日線に到達しますので、これを大きく抜けるかどうかに関心が移りました。
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