[市況]
13日のNY DowとNASDAQが大幅上昇したことを受けて、日経平均先物は前日比500円高で寄り付きましたが、前場は徐々に下落に転じました。後場も下落の流れは続き、結局220円高で引けました。日経平均は223円高でした。寄付き前の外人は2230万株の売り越しで、出来高は21.0億株と低水準となりましたが、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラスに転換小し、個別銘柄は"買い"が有利な状況となりました。
13日の米国株式市場では、インテルの業績予想下方修正や、朝方発表の週間の新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったことを嫌気し、NY Dowは8000ドルを割り込みました。しかし、8000ドル割れの局面で買いが入ったことから反転し、原油が反発したこともあり、石油・資源株への買いが膨らみ、NY Dowが過去3番目の上昇となるなど、株価指数は大幅反発しました。
14日の日本市場では、米市場高から朝方は8600円台後半まで上昇しましたが、休日を控え一段と買い進む動きとはならず、手じまい売りに警戒感も出ました。米市場の持続的な上昇を見極めたいとのムードが強いものの、金融サミットでの経済政策への期待が市場心理を下支えしている面もあったようです。
[テクニカル視点]
日経平均は上昇しましたが、75日線、25日線、9日線の下に在りますので、短期トレンドは"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-59.8%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率は-32.8%とマイナス幅が縮小しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度はこのところの日本企業のPERの悪化により縮小ぎみですが、今日は1.8ポイントに拡大しました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.0ポイント下回わるレベルとなり、売られ過ぎ度は拡大しました。
NY Dowは、上昇したものの、75日線、25日線、、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqも、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは、"赤信号"で、中期トレンドも、引き続き"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は企業業績と景気の悪化に加え金融機関の財務懸念がある中で値ごろ感から大幅に反発しました。市場テーマである①通貨危機、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①はルーブルなど懸念材料もでてきました。②については各国の景気対策が徐々に出始め、金融サミットへの期待感が有りますが、急激な景気悪化を示す懸念材料が相次ぎ出てきました。③についても、12月の米投資銀行の決算を控え懸念があります。全体的には悪材料が勝っているようです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、13日も下落し年初来安値を更新しました。(11月の年初来安値9.6ドルに対して現在9.5ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-31.1%で、予想PERは14.2、PBRは1.0となりました。
[今後の見通し]
日経平均には、プレミアムがありましたので、NY Dowの上昇率ほどには上昇しませんでした。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは+0.4%(30円の割高)とプラス幅が大幅に縮小しました。プレミアム値はここ2週間は-350~+470の範囲で動いています。グローバルな視点で見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線、9日線の下にあります。日経平均は上昇したものの米国市場と比べ、力なく、プレミアムもなくなってしまいました。チャートでは、NASDAQも年初来安値を割ってしまいましたので、上昇した割には、形が良くありません。今夜続騰できないと、今日の戻しはダマシとなる可能性もあります。
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