[市況]
19日のNYSEは上昇しNASDAQは下落しましたが、日経平均は50円ほど安く寄りつき、前場は前日比プラスとなる場面もありましたが、その後は下落し、後場寄り後に前日比150円ほどまで売られましたが、若干戻し、結局109円安で引けました。外人は1740万株の買い越しながら、出来高は24.2億株と低水準で、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅を縮小しました、個別銘柄は"買い"が有利な状況ながら弱含みです。
19日の米国株式市場では、4月の景気先行指標総合指数は前月比0.1%上昇と、2カ月連続でプラスとなり、米景気への懸念が後退し、株価指数は上げ幅を広げたものの、原油相場が最高値近辺で高止まりしていることや高値警戒感もあり、次第に上げ幅を縮小し、ナスダック指数は下げに転じて引けました。
20日の日本市場では、原油高から商社は高かったものの、騰落レシオが過熱圏とされる120%を超えるなど、短期的な上昇の警戒感が意識され、売り圧力が強かったようです。原油高に伴う米消費減速への警戒感から、ハイテク株や自動車株の一部には利益確定の売りが目立ち、日経平均を押し下げました。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の上に在り、総合乖離率は+4.3%とプラス幅は縮小、200日線との乖離率も-5.1%とマイナス幅が拡大しました。3つの内2つがプラスですので、中期的トレンドは、"青信号"です。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は1.1ポイントに増加し、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.0ポイント下回わるレベルに拡大しましたが、売られ過ぎ感は傾向としては改善方向です。
NY Dowは一目均衡表の雲の上に出て、2月高値も大きく抜きました。先週末の下落で25日線までさげて下値抵抗線の12700ドルに近づきリバウンドしました。5/2の高値更新はできていませんが、再び200線を抜きました。Nasdaqは、5/2の高値を更新しましたが、200日線まで下落しました。日経平均は、5月7日の高値を抜いた後一服している状態です。
[ファンダメンタル視点]
先週末の米国市場では強気の経済指標が出ましたが原油高止まりで、上げ切れませんでした。主要企業の決算発表内容はまちまちですが、総じて言えばプラスに作用してほぼ終了しました。しかし、今後もしばらく不動産下落は続きそうですので、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は完全に払拭されてはいないと考えておかなければなりません。本格反転には公的資金を活用した、破綻懸念の払拭が必須と思われます。米国政府はこの為の検討に5,6月の2ヶ月の時間的猶予を得たと理解しておくべきでしょう。ここからは、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティーの株価は依然として、3月の安値を下回っています。一方、日本企業の3月期決算発表は8割が終わりましたが、今日現在の日経平均の今期増益率は-3.1%で、予想PERも17.0となりました。
[今後の見通し]
日経平均はNY Dowが上昇したにも関わらず下落しました。昨日までに、日経平均はNY Dowに比べ1.7%程度のプレミアムが付いた格好でしたので、しかたがないところです。今日現在では0.8%(約100円)のプレミアムがまだついていますので注意が必要です。今日の下げでも東証上場銘柄の78%が25日線の上に在り、過熱感はまだ残っています。日柄的にも転換し易いゾーンですので、明日以降も下落の可能性は高いと思われますが、外人買いと円安傾向は継続していますので、米国市場が大きく崩れない限り、深押しもなさそうです。
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