[市況]
連休中のNYSEとNASDAQが上昇したことを受け、日経平均は100円ほど高く寄りつき、一時前日比30円ほど安くなる場面もありましたが、結局53円高で引けました。出来高は20.2億株と増加し、外人は2180万株の大幅買い越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅は大幅拡大しました。個別銘柄は"買い"が有利な状況です。
6日の米国株式市場では、 ファニーメイが1―3月期決算と併せて減配や資本増強策を発表したほか、住宅大手DRホートンも赤字決算を発表。住宅市場の先行き不透明感が再認識され、バーナンキFRB議長が講演で、住宅価格下落が米景気全般に悪影響を及ぼす可能性に言及したことや、原油相場が最高値圏で推移し景気押し下げ懸念も強まり、ダウ平均は106ドル安まで下げましたが、ファニーメイの経営幹部が保有する住宅ローンの質の改善を強調したことなどを受けて、ファニーメイ株が急伸。ほかの金融株など幅広い銘柄に買いが波及した。マイクロソフトCEOが買収交渉継続に前向きな発言をしたと伝わったヤフーなどハイテク株も底堅く推移しました。7日の日本市場では、連休中に米国で発表された経済指標や主要企業の決算を無難に通過し、金融不安の再燃もなかったことから、日本市場もおおむね堅調に推移しました。原油相場が過去最高値を更新しましたが、売りは目立たず、商社など資源関連株への買いにつながったようです。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の上に在り、総合乖離率は+5.2%とプラス幅が拡大し、200日線との乖離率も-6.6%とマイナス幅は縮小しました。3つの内2つがプラスですので、中期的トレンドは、"青信号"となりました。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は1.0ポイントと変わらず、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.9ポイント下回わるレベルに縮小し、売られ過ぎ感は改善方向です。
NY Dowは25日線、75日線を抜き、一目均衡表の雲の上に出て、2月高値も大きく抜き、75日線も上向きとなり、200日線も一時抜きました。今後は12700が下値抵抗線となる可能性が大と思います。Nasdaqも、25日線、75日線と2月の高値を抜き、一目均衡表の雲の上に抜け、75日線も上向きとなりました。一方、日経平均は、2月の高値はまだですが、25日線、75日線を抜き、一目均衡表の雲の上に出ました。しかし、日米とも25日線との乖離率は再び警戒域に入りましたので、目先は調整もありそうです。
[ファンダメンタル視点]
米国市場では住宅関連の悪材料がでましたが、大きな下落とはなりませんでした。主要企業の決算発表内容はまちまちですが、総じて言えば今のところプラスに作用しているようです。しかし、今後もしばらく不動産下落は続きそうですので、金融機関の破綻懸念は完全に払拭された訳ではないことは忘れてはいけません。本格反転には公的資金を活用した、破綻懸念の払拭が必須と思われますが、米国政府はこの為の検討に2ヶ月の時間的猶予を得たと理解しておくべきでしょう。ここからは、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。一方、日本企業の3月期決算発表が始まりましたが、今日現在の日経平均の今期増益率は-1.1%で、予想PERも16.4となりました。
[今後の見通し]
日経平均は14,000円台に乗せても目先達成感は出てこず相場は強い動きが続いています。しかし、25日線との乖離率は5%を超え、東証上場銘柄の中で25日線を超ている銘柄も80%を超えていることから、テクニカル視点では目先は何時一服してもおかしくありませんが、早晩200日線(15000円近辺)を目指す動きとなりそうです。
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