[市況]
27日のNYSEとNASDAQが上昇したことを受けて、日経平均は50円ほど高く寄りつきましたが、直ぐに下落に転じ、その後も軟調な展開が終日続き、結局183円安で引けました。外人は500万株の買い越しながら、出来高も20.4億株と低水準で、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅を拡大し、個別銘柄は"売り"有利な状況です。
27日の米国株式市場では、3月のケース・シラー住宅価格指数は前年同月比下落率が拡大、4月の新築住宅販売件数は6カ月ぶりに前月比で増加したものの、過去分は下方修正され、5月の消費者信頼感指数は1992年10月以来の水準に低下、経済指標が相場の重しとなり、午前は弱含みで推移したものの、午後に原油相場が128ドル台に下げるにつれ、株式市場は上げ幅を広げました。
28日の日本市場では、朝方は米市場の上昇を受け買いが先行しましたが、節目の14000円を前に、戻り待ちの売りが優勢になりました。後場の一段安は、「アルカイダが西側諸国に対する大量破壊兵器での攻撃を呼び掛けるビデオを流す」との観測が一部で報じられ、28日の米株安を先取りする先物主導の動きとなったとの声もありました。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の上に在り、総合乖離率は-6.1%とマイナス幅が拡大、200日線との乖離率は-7.5%とマイナス幅が拡大しましたが、3つの内2つがマイナスですので、中期的トレンドは、"黄信号"のままです。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は1.1ポイントに拡大、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.2ポイント下回わるレベルに拡大しましたが、売られ過ぎ感は傾向としては改善方向です。
NY Dowは一目均衡表の雲の上限で跳ね返り、75日線まで戻しました。Nasdaqは、25日線を抜き返しました。日経平均は、逆に25日線を割りました。
[ファンダメンタル視点]
米国市場では原油安が好感されて上昇しました。しかし、今後もしばらく不動産下落も続きそうですので、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は完全に払拭されてはいないと考えておかなければなりません。本格反転には公的資金を活用した、破綻懸念の払拭が必須と思われます。5,6月の2ヶ月の間に対策が出ないと7月の決算発表時に波乱も考えておかなければなりません。逆に有効な対策がでると、金融株の急騰も有り得ます。ここからは、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティーの株価は依然として、3月の安値を下回って推移しています。一方、日本企業の3月期決算発表はほぼ終わりましたが、今日現在の日経平均の今期増益率は-2.2%で、予想PERは16.3となりました。
[今後の見通し]
今日は予想どうり軟調な展開となりましたが、昨日とは逆に、日経平均は思いのほか下げました。その結果、今日でNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムはほぼなくなりました。明日は連動した動きになりそうです。日経平均のボリンジャー・バンドは狭まりつつありますので、近々上下どちらかに大きく動きそうです。
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