[市況]
13日のNYSEは下落しNASDAQは小幅上昇しましたが、日経平均は20円ほど高く寄りつき、後場寄りに前日比70円ほど安くなる場面もありましたが、その後は上昇に転じ、結局164円高で引けました。外人は150万株の売り越しながら、出来高は22.1億株と増加し、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅を拡大しました、個別銘柄は"買い"が有利な状況です。
13日の米国株式市場は、4月の小売売上高が、自動車関連を除くと底堅い内容で、朝方は買い材料となったものの、EDSを買収すると正式発表したHPが、財務負担増加が嫌気され急落、バーナンキFRB議長が講演で、金融市場の状況について「正常な状態にはなおほど遠い」と発言し、フィッシャー・ダラスFRB高官がインフレ警戒感を表明するなど売りを誘う発言もあり、売りが優勢でした。14日の日本市場では、朝方は方向感に乏しい展開で、日経平均は14000円接近を意識した戻り待ちの売りに押される場面もありましたが、後場中ごろから日経平均先物主導で急速に上げ幅を拡大しました。円安基調も下支え要因になり、輸出関連株の一角も堅調でした。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の上に在り、総合乖離率は+4.6%とプラス幅が拡大、200日線との乖離率も-5.9%とマイナス幅が縮小しました。3つの内2つがプラスですので、中期的トレンドは、"青信号"となりました。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は0.9ポイントと低下し、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.9ポイント下回わるレベルに若干縮小し、売られ過ぎ感はおおむね改善方向です。
NY Dowは一目均衡表の雲の上に出て、2月高値も大きく抜きました。先週末の下落で25日線までさげて下値抵抗線の12700ドルに近づきリバウンドしましたが、9日線は抜けずに一服しました。Nasdaqは、9日線の上に在り、短期上昇トレンドは維持しています。日経平均は、25日線まで下げ、リバウンドし9日線を抜き、5月7日の高値に迫っています。
[ファンダメンタル視点]
昨日の米国市場では経済指標は底堅い内容だったもののバーナンキFRB議長発言で弱含みました。主要企業の決算発表内容はまちまちですが、総じて言えば今のところプラスに作用しているようです。しかし、今後もしばらく不動産下落は続きそうですので、金融機関の破綻懸念は完全に払拭されてはいないと考えておかなければなりません。バーナンキFRB議長発言でも裏打ちされましたが、本格反転には公的資金を活用した、破綻懸念の払拭が必須と思われます。米国政府はこの為の検討に5,6月の2ヶ月の時間的猶予を得たと理解しておくべきでしょう。ここからは、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティーの株価は3月の安値を下回っています。一方、日本企業の3月期決算発表は中盤となりましたが、今日現在の日経平均の今期増益率は-4.6%で、予想PERも16.6となりました。
[今後の見通し]
NYDowも25日線まで下げてリバウンドした後に一服ですが、日経平均は逆に上昇し、今日も円安分を入れても1%程度日本市場は買われ過ぎで終わりました。いずれ、早々に解消されると思われますのでこの分は注意が必要でしょう。今日の上げで東証上場銘柄の78%が25日線の上となり過熱感を示しています。しかし、25日乖離率とボリンジャーバンドには少し余裕が有りますので、円安基調が続けば5月7日の高値14209円の更新のチャンスは有りそうです。
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