[ファンダメンタルの現状認識]
2008年のGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は+1.0ポイントとなり、日本市場の割安度は米国市場との比較で先週と変化はありませんでした。200日線乖離率差は-5.4ポイントとなり先週よりも1.1ポイント割安度は縮小しました。日本市場の割安感(売られ過ぎ度)は縮小傾向です。一方、3月決算発表が始まり、80%が終了しましたが、日本企業の今期予想増益率は、景気減速によって日経225採用銘柄平均で-5.0%となっています。米国市場では米銀行の決算発表でのサブプライム関連の評価損は大きかったものの、全体としては好決算銘柄が勝っているようです。
[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2008年GDP予測値(現在1.6%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①米国市場は先週も、景気指標と1-3月期決算発表に一喜一憂する相場でしたが、業績改善期待が勝り、原油が一服したこともあり、上昇しました。
②第三四半期決算発表の結果、日経225採用銘柄の今期予想増益率は世界景気の下ぶれにより半年前の+6.8%から-5.0%に減少しています。先週と同水準です。
③長期金利は日米とも株価の戻りにともない上昇しています。先週も日米の金利差は2.2%から2.3%で推移しました。為替は、週末は104円と円安方向で推移しています。今週も引き続き為替の影響を受け易いと思われます。
④日米の2008年のGDP伸び率予測値は修正され日本が2.1%→1.6%となり、米国は2.5%→2.0%となりましたので、この面では日本市場にとって0.4ポイント弱気材料です。OECD合計も2.7%→2.3%に下方修正され世界的にも景気減速が予想されています。
⑤5月第2週は買い越しで、6週連続の買い越しとなりました。5月3週も買い越しと思われ、今週も買い越し傾向が続きそうです。
5つのポイントのうち先週は①③⑤が強気材料でした。今週は、決算がピークを過ぎましたので、関心は需給や為替と外人動向と思われます。
[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、一目均衡表では、雲の上に抜け、200日移動平均線乖離率は-5.0となり先週と比較してマイナス幅は4.3ポイント縮小、総合乖離率は+6.2%とプラス転換しました。中期上昇トレンドは、"青信号"となりました。日経平均は25日線との乖離率が4%を超え、ボリンジャー・バンドの+2σにタッチしましたので、一服しても良い水準となっています。
[今週の見通し]
スピード調整を経て、先週は円安もあり、直近高値を更新する上昇となりました。日柄とテクニカル的には今週は下げやすい面があります。しかし、外人の買い越し傾向と円安基調が崩れそうもないので、深押しも予想しずらいところです。
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