[市況]
29日のNYSEとNASDAQが上昇したことを受けて、日経平均は80円ほど高く寄りつき、その後も上昇し後場に一時前日比240円ほど上昇する場面がありましたが、結局214円高で引けました。出来高は25.0億株と高水準で、外人は1110万株の買い越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス転換し、個別銘柄は"買い"有利な状況となりました。
29日の米国株式市場では、1-3月の米GDP改定値は前期比年率で0.9%増と市場予想に一致。原油先物相場が1バレル126ドル台に反落したことで企業業績や個人消費に対する懸念が幾分後退したことやマスターカードが好業績見通しを発表し、カントリーワイドがバンカメによる買収の承認を決める株主総会の開催を発表したこと等で金融株中心に全体的に上昇しました。
30日の日本市場では、円相場の下落基調や原油相場の急反落と29日の米株高などを好感し、キヤノンやホンダ、ソニーなど輸出関連の主力株主導で上昇しました。株式投資信託の新規設定に伴う買いや月末固有の機関投資家の「お化粧買い」もあったようです。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の上に在り、総合乖離率は+7.0%とプラス幅を拡大、200日線との乖離率は-3.0%とマイナス幅が縮小しました。3つの内2つがプラスですので、中期的トレンドは、"青信号"です。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は1.1ポイントと変化なく、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.8ポイント下回わるレベルに縮小し、売られ過ぎ感は傾向としては改善方向です。
NY Dowは一目均衡表の雲の上限で跳ね返り、75日線を抜きましたがアヤ戻しの水準の9日線までしか戻れていません。本格的にリバウンドしたとはまだ言えません。Nasdaqは、25日線を抜き上昇トレンドを維持して200日線まで戻しました。日経平均は、あと20円ほどで5/16の高値を超えるレベルまで上昇しました。
[ファンダメンタル視点]
米国市場では金融株の好材料と原油急落を好感して上昇しましたが、今後もしばらく不動産下落も続きそうですので、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は完全に払拭されてはいないと考えておかなければなりません。本格反転には公的資金を活用した、破綻懸念の払拭が必須と思われます。5,6月の2ヶ月の間に対策が出ないと7月の決算発表時に波乱も考えておかなければなりません。逆に有効な対策がでると、金融株の急騰も有り得ます。ここからは、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティーの株価は依然として、3月の安値を下回って推移しています。一方、日本企業の3月期決算発表はほぼ終わりましたが、今日現在の日経平均の今期増益率は-2.2%で、予想PERは17.1となりました。
[今後の見通し]
今日は月末固有の機関投資家のドレッシング買もあり、予想に反し、米国市場以上の上昇となりました。この2日の上昇率は米国市場が1%程度なのに対して日経平均は4%を超えています。その結果、今日の終値ではNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは2.5%(350円)となりました。いずれこの差は解消されると思われますので注意が必要です。週明けは米国市場が大幅上昇しないかぎり、軟調な展開が予想されます。日経平均のボリンジャー・バンドは狭まりつつありますので、近々上下どちらかに大きく動きそうです。
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