[市況]
25日のNYSEとNASDAQが上昇したことを受けて、日経平均は120円ほど高く寄りついたものの、その後は売りにおされ、後場も一段安となり、結局89円安で引けました。出来高は20.9億株と低水準で、外人は210万株の売り越しながら、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差は+394とプラス幅は維持しました。個別銘柄は"買い"が有利な状況です。
25日の米国株式市場では追加の評価損計上見通しなどを背景にアナリストがシティグループの利益予想を大幅下方修正するなど金融機関の業績悪化懸念があったものの、S&Pが午後、MBIAとアムバックの格付けを当面維持すると発表したことで安心感がでて続伸しました。26日の日本市場では米国株が上昇した流れを引き継ぎ、上げ幅が100円を超えて始まったものの、前日に400円超上昇した後とあって、鉄鋼株など主力株を中心に利益確定の売りが広がり、26日に米国の住宅関連や消費関連の経済指標の発表を控えていることもあり、様子見気分が広がったようです。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の700円下に在り、総合乖離率は-17.0%となりマイナス幅は拡大、200日線との乖離率は-14.8%に拡大、3つとも依然マイナス幅は大きく、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は米国企業決算を受けて年度替りとなり、かなり縮まりました。テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率は、日本市場が4.6ポイント下回り、割安感はかなり小さくなってきました。今後も日米差の改善の動きが継続するかどうかに注目する必要があります。
[ファンダメンタルの現状認識]
昨日の米国市場はモノラインの格付けを当面維持するとの発表に大きく反応しました。モノライン問題も良いニュースに対する反応が大きくなっています。しかし、まだ根本解決が見えた訳ではありません。裏切られた時の影響も大きそうです。ここ暫くは、モノラインの格下げ懸念vs信用強化策期待や企業業績の明暗、景気悪化を示す経済指標vs景気対策などの好悪材料の綱引きが続きそうです。いずれにせよ、根本的には米国の住宅価格の下落が止まる必要があると思われますので、時間がかかりそうです。
[今後の見通し]
日経平均は三角持ち合いを上離れましたがボリンジャーバンド+2σライン(14090円)に頭を抑えられた形になりました。米国市場はまだ三角持ち合いを上離れとはなっていません、NASDAQにいたっては25日線すら抜けていませんのでまだ予断を許しません。ここからはボリンジャーバンド+2σラインを抜けるかどうかに注目したいと思います。明確に抜けば75日線を次の目標に出来ると思いますが、一旦売り転換のポイントに到達した可能性もあると思われます。早くも、また、正念場になったようです。
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