日経平均の予想: [2025/01/24]今後の日経平均の見通し

Thursday, January 23, 2025

[2025/01/24]今後の日経平均の見通し

[市況]

123日、NYDowNASDAQは上昇しました。124日の日経平均先物は、前日比20円安で寄り付くと、午前中は30円安から440円高と上昇に転じ、午後は520円高から90円安とマイナス圏に戻して、結局、50円高で取引を終えました。日経平均の終値は26円安の39931円で、出来高は18.67億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を5日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

123日の米国市場では、ダボス会議にオンラインで出席したトランプ大統領が、金利や原油価格の引き下げを求める発言をし、一方で関税については踏み込んだ発言をしなかったことから、投資家のリスク選好姿勢が強まり、足元で出遅れていた景気敏感株やディフェンシブ株の一角に買いが向かいました。NYDowNASDAQはともに4日続伸しました。

124日の日本市場では、前日の米株高が投資家心理を上向かせ、幅広い銘柄に買いが向かいました。ただ、前日まで上昇していた半導体関連株には下落が目立ちました。午後に入り、日銀が金融政策決定会合で大方の予想どおり0.25%の利上げを決定したと伝わると、長期金利の上昇と為替の円高進行が重石となり、株売りをさそいました。結局、日経平均は5日ぶりに小幅に反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+7.3%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+3.3%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上に抜けました。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドも黄信号から青信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-8.1ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が3230円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-4.9ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1960円ほど割安であることを示しています

 

日経VI19.73と前日より低下し、VIX15.02と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を下回りました。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.1、米国+0.4と日本が5.5ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.32ポイント(日経平均換算で88100円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

12月の鉱工業生産指数、1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、12月のISM非製造業景況指数、12月のISM製造業景況指数、11月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、12月の小売売上高、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12月の消費者物価指数、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月の製造業受注、12月のシカゴ購買部協会景気指数、12月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.6万人増で、市場予想の16万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の住宅着工件数、1月の住宅市場指数、11月の中古住宅販売仮契約指数、11月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、11月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。10月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は51負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB12月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しましたが、2025年の利下げ回数は前回会合で示された4回から2回に半減しました。ECBは、3会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を3.0%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.93PBR1.45となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.4ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.3%で、こちらは3か月前より2.1ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.0%となり、日経平均の割安幅は450円から380円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-740円~-380円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.41ポイントから3.41ポイントと横ばいでした。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

124日の米国市場では、12月の中古住宅販売件数のほか、ベライゾン・コミュニケーションズやアメリカン・エキスプレスなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを180円ほど下回り、下値は想定ラインを290円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-100円(現在40260円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-300円(現在39520円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を下回りました。また、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は、ボリンジャーバンド+2σに接近したものの、長い上髭を付けて小幅に反落したので、上昇は一服した可能性が高そうです。



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