日経平均の予想: [2025/01/27]今後の日経平均の見通し

Monday, January 27, 2025

[2025/01/27]今後の日経平均の見通し

[市況]

124日、NYDowNASDAQは下落しました。127日の日経平均先物は、前日比350円高で寄り付くと、午前中は420円高から260円安と下落に転じ、午後は80円安から460円安と下落幅を拡げて、結局、460円安で取引を終えました。日経平均の終値は366円安の39565円で、出来高は17.92億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を6日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

124日の米国市場では、翌週のFOMCが意識されるなか、足元の株高の反動で、利益確定の売りや持ち高調整の売りが優勢となりました。長期金利の先高観も重石となりました。ただ、トランプ政権の規制緩和や減税に対する期待は根強く、一方的に売り込まれる展開とはなりませんでした。NYDowNASDAQはともに5営業日ぶりに反落しました。

127日の日本市場では、日銀の金融政策決定会合を通過した安心感から買いが先行しましたが、半導体関連株への売りが次第に強まり、相場を下押ししました。中国発のAI企業「DeepSeek」が、GPUなどコンピューティング資源をほとんど使わない低コストで高性能なAIモデルを発表したことから、AI分野での米国優位が揺らぐとの警戒感が強まったようです。日経平均は続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+4.5%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+2.4%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-8.3ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が3280円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-5.4ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2140円ほど割安であることを示しています

 

日経VI22.73と前日より上昇し、VIX14.85前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回りました。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.1、米国+0.1と日本が5.2ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.13ポイント(日経平均換算で73710円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

12月の鉱工業生産指数、1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、12月のISM非製造業景況指数、12月のISM製造業景況指数、11月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、12月の小売売上高、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12月の消費者物価指数、11月の製造業受注、12月のシカゴ購買部協会景気指数、12月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.6万人増で、市場予想の16万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の中古住宅販売件数、12月の住宅着工件数、1月の住宅市場指数、11月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、11月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。10月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は51負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB12月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しましたが、2025年の利下げ回数は前回会合で示された4回から2回に半減しました。ECBは、3会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を3.0%としました。一方、日銀は、1月の金融政策決定会合で0.25ポイントの利上げを決定し、金利水準を0.5%としました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.77PBR1.44となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.4%で、こちらは3か月前より2.1ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.2%となり、日経平均の割安幅は380円から860円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-860円~-380円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.41ポイントから3.37ポイントに縮小しました。ドル円相場は方向感なく推移していますが、日中は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

127日の米国市場では、12月の新築住宅販売件数のほか、AT&Tなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインとほぼ一致し、下値も想定ラインとほぼ一致しました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在39930円近辺)が上値の目安に、25日線-100円(現在39190円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回りました。一方、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は、結果的に1227日の高値を抜けずに反落する形となりました。ただ、個別銘柄は買い優勢が続いており、半導体関連株の戻り次第では、早期反転もあり得そうです。



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