日経平均の予想: [2025/01/29]今後の日経平均の見通し

Tuesday, January 28, 2025

[2025/01/29]今後の日経平均の見通し

[市況]

128日、NYDowNASDAQは上昇しました。129日の日経平均先物は、前日比340円高で寄り付くと、午前中は390円高から70円高と上昇幅を縮め、午後は70円高から520円高と上昇幅を拡げて、結局、520円高で取引を終えました。日経平均の終値は397円高安の39414円で、出来高は17.16億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均と一致しました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

128日の米国市場では、DeepSeekのセンセーショナルな登場がもたらした混乱がひとまず落ち着き、前日に急落したエヌビディアに見直し買いが入りました。また、AI開発のコストが下がれば恩恵を受けるとの見方から、ハイテク株が幅広く物色されました。一方、トランプ政権の関税政策の不透明感は、引き続き投資家心理の重石となりました。結局、NYDowは続伸し、NASDAQ3営業日ぶりに反発しました。

129日の日本市場では、前日の米株式市場でハイテク株が買い戻された流れを受け、半導体関連の一角が買い戻されました。また、ファーストリテイリングやソフトバンクグループなど値がさ株が買われ、指数を押し上げました。ただ、FOMCの結果公表を前に様子見ムードも強く、買いの勢いは限定的でした。日経平均は4営業日ぶりに反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線の上にあり、25日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

総合乖離率は+3.3%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+2.0%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上に戻りました。3つの要素すべてがプラスとなり、中期トレンドも黄信号から青信号に変わりました。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線の上にあり、9日線と200日線を上回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にあり、9日線と25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に戻りました。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドも黄信号から青信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-7.2ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2840円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-6.6ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2600円ほど割安であることを示しています

 

日経VI21.62と前日より低下し、VIX16.41と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.0、米国+0.0と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.98ポイント(日経平均換算で69860円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

12月の鉱工業生産指数、1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、12月のISM非製造業景況指数、12月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、12月の耐久財受注、1月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、12月の小売売上高、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12月の消費者物価指数、11月の製造業受注、12月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は48負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.6万人増で、市場予想の16万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の新築住宅販売件数、12月の中古住宅販売件数、12月の住宅着工件数、1月の住宅市場指数、11月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。また、11月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.3%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は60負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB12月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しましたが、2025年の利下げ回数は前回会合で示された4回から2回に半減しました。ECBは、3会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を3.0%としました。一方、日銀は、1月の金融政策決定会合で0.25ポイントの利上げを決定し、金利水準を0.5%としました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER16.07PBR1.46となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.5%で、こちらは3か月前より1.8ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.9%となり、日経平均の割安幅は1360円から750円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1360円~-380円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.37ポイントから3.34ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

129日の米国市場では、FOMCおよびパウエルFRB議長の会見のほか、メタ・プラットフォームズ、IBMMSCI、マイクロソフト、テスラ、ナスダック、コーニング、オーティス・ワールドワイド、ノーフォーク・サザン、ゼネラル・ダイナミックス、ヘス、オートマティックデータなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを40円ほど下回り、下値も想定ラインを480円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ(現在39830円近辺)が上値の目安に、25日線-300円(現在38990円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱い状態です。半導体関連株の下げ止まりを受けて日経平均は反発し、25日線の上に戻りました。このまま半導体関連株が復調すれば、日経平均の反発も続きそうです。



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