日経平均の予想: [2025/01/30]今後の日経平均の見通し

Wednesday, January 29, 2025

[2025/01/30]今後の日経平均の見通し

[市況]

129日、NYDowNASDAQは下落しました。130日の日経平均先物は、前日比330円安で寄り付くと、午前中は380円安から70円安と下落幅を縮め、午後は20円高まで上昇したのち190円安とマイナス圏に戻して、結局、170円安で取引を終えました。日経平均の終値は99円高安の39513円で、出来高は17.59億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

129日の米国市場では、FRBFOMCで政策金利を据え置き、声明文で今後の利下げに慎重な姿勢を示したことから、タカ派的であるとの受け止めが広がり、売りが優勢となりました。大手ハイテク企業の決算発表が相次ぐのを前に、買いを手控える雰囲気もありました。また、トランプ政権が中国向けの半導体輸出規制を強化するとの観測も重石となりました。結局、NYDow3営業日ぶりに反落し、NASDAQも反落しました。

130日の日本市場では、前日の米株式市場で主要3指数がそろって下落した流れを受けて売りが先行しましたが、アドバンテストが決算内容を手がかりに買われると、日経平均も追随して上昇に転じました。ただ、利益確定の売りや戻り待ちの売りも出やすく、午後は不安定な相場展開となりました。結局、日経平均は続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+4.0%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+2.3%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-6.2ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2450円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-5.9ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2330円ほど割安であることを示しています

 

日経VI20.93と前日より低下し、VIX16.56と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.0、米国+0.0と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.95ポイント(日経平均換算で69010円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

12月の鉱工業生産指数、1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、12月のISM非製造業景況指数、12月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、12月の耐久財受注、1月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、12月の小売売上高、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12月の消費者物価指数、11月の製造業受注、12月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は48負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.6万人増で、市場予想の16万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の新築住宅販売件数、12月の中古住宅販売件数、12月の住宅着工件数、1月の住宅市場指数、11月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。また、11月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.3%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は60負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB12月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しましたが、2025年の利下げ回数は前回会合で示された4回から2回に半減しました。ECBは、3会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を3.0%としました。一方、日銀は、1月の金融政策決定会合で0.25ポイントの利上げを決定し、金利水準を0.5%としました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER16.08PBR1.46となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.2%で、こちらは3か月前より2.2ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.7%となり、日経平均の割安幅は750円から650円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1360円~-380円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.34ポイントから3.32ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

130日の米国市場では、ECB定例理事会およびラガルド総裁の会見や、週間の新規失業保険申請件数、1012月期のGDP速報値のほか、インテル、アップル、ビザ、サウスウェスト航空、マスターカード、キャタピラー、ブラック・ストーンなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを250円ほど下回り、下値も想定ラインを210円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ(現在39850円近辺)が上値の目安に、25日線-200円(現在39120円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は小幅に続伸しました。引き続き、半導体関連株が上昇すれば、日経平均も追随する展開となりそうです。



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