日経平均の予想: [2025/01/07]今後の日経平均の見通し

Monday, January 06, 2025

[2025/01/07]今後の日経平均の見通し

[市況]

16NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました。17日の日経平均先物は、前日比450円高で寄り付くと、午前中は290円高から980円高と上昇幅を拡げ、午後は970円高から660円高と上昇幅を縮めて、結局、660円高で取引を終えました。日経平均の終値は776円高の40083円で、出来高は19.63億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱まりました。

 

16日の米国市場では、長期金利の高止まりを受けて株式の相対的な割高感が意識され、株売りを促しました。トランプ次期政権の貿易政策をめぐる不透明感も投資家心理の重石となりました。一方、台湾ホンハイの四半期決算でAI向けサーバーが増収に寄与したと伝わり、半導体関連株には買いが向かいました。結局、NYDowは反落し、NASDAQは続伸しました。

17日の日本市場では、前日の米株式市場でハイテク株が買われた流れを受け、半導体関連株に買いが向かいました。また、金融規制強化に前向きだったバーFRB副議長が2月にも辞任すると伝わり、国内銀行株にも買いが波及しました。次世代車にエヌビディアの半導体を採用すると発表したトヨタにも買いが集まりました。日経平均は3日ぶりに大幅に反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にあり、9日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

総合乖離率は+9.1%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+3.6%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線の下にありますが、9日線と200日線を上回りました。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、200日線の上にあり、9日線と25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号にかわりました。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-8.1ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が3250円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-0.8ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が320円ほど割安であることを示しています

 

日経VI21.76と前日より低下し、VIX16.04と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.0、米国-0.1と日本が4.9ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.87ポイント(日経平均換算で68010円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

12月のISM製造業景況指数、11月の耐久財受注、11月の小売売上高、12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、11月の製造業受注、12月のシカゴ購買部協会景気指数、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、11月の鉱工業生産指数、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、11月の消費者物価指数、11月のISM非製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げ回数が増えるという面では強気材料です

 

米国の11月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比22.7万人増で、市場予想の21.4万人増を上回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

11月の中古住宅販売仮契約指数、11月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、12月の住宅市場指数、11月の住宅着工件数、11月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。10月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB12月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しましたが、2025年の利下げ回数は前回会合で示された4回から2回に半減しました。ECBは、3会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を3.0%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER16.28PBR1.48となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.1%で、こちらは3か月前より0.1ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず大幅に上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.2%となり、日経平均は130円の割安から460円の割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-130円~+530円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.52ポイントから3.49ポイントに縮小しましたが、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

17日の米国市場では、11月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数や、12月のISM非製造業景況指数などが注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを560円ほど上回り、下値は想定ラインを640円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ+200円(現在40420円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-100円(現在39630円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は一段安とはならず、大幅に反発しました。昨年1227日の高値(40398円)を上回るようであれば、さらなる一段高も期待できそうです。



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