日経平均の予想: [2010/12/05]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

Saturday, December 04, 2010

[2010/12/05]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、週初は欧州の財政不安で下げましたが、後半は経済指標の好転と年末商戦期待で大きく上昇しました。一方、中長期的には、先進国の消費や雇用の改善の動きは弱く、欧州の財政問題や金融改革法案成立の影響による信用収縮傾向と、先進国の緊縮財政と新興国の利上げが景気後退懸念を生み、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性があります。
2010年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は米長期金利の上昇もあり、日本市場が1.5ポイント割安となっています。S&P500のPERが15.7で、日経平均のPERの15.6との差と日米金利差の結果、日本市場は割安です。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2010年GDP予測値(現在+3.0%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
① 先週の米国市場の週足は陽線となりました。欧州の財政不安や朝鮮半島危機や長期金利上昇の影響と軽罪指標の改善との綱引きが続きそうです。
② 日経225採用銘柄の今期予想増益率は75%となり、今期ROE予想値は4.3%から7.5%へ改善しています。
③ 日米とも長期金利は上昇傾向で、日米の金利差は1.6%~1.8%前後で推移し、為替は82から84円台の動きでした。今週も83から84円台が想定されます。
④ 今年5月に更新された、OECDによる日米の2010年の実質GDP伸び率は日本が+3.0%で、米国は+3.2%と予想されていますので、この面では日本市場にとって0.2ポイント分の弱気材料です。
⑤ 11月4週は買い越しで12月1週も買い越しだった可能性が高く、今週も買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち①⑤が強気材料でした。今週も引き続き、①③⑤と米長期金利や経済指標発表が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、7.2ポイント割安となり、先週比0.1ポイント割安幅が拡がりました。
日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。200日移動平均線乖離率は+2.7%となり先週と比較してプラス幅が拡大しました。総合乖離率は+13.9%となりプラス幅が拡大しました。3つがプラスですので中期上昇トレンドは、"青信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の上に在りますので、短期的には"青信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dowは200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には青信号"で中期的にも"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場は短期、中期とも上昇トレンドです。日本市場は短期、中期とも上昇トレンドです。一方、LIBORのドル3ヶ月物金利はギリシャ・ショック以前に戻りましたが、欧米の財政問題が再燃して上昇し始めました。ただ、ここ数日は横ばいです。12月に入ってからは長期金利上昇、欧州の財政不安や中国の金融引き締め懸念は後退し、米国市場はNYDow、NASDAQともに戻り歩調となっています。今週の米国市場は、新規失業保険申請件数、10月の卸売在庫、10月の貿易収支、12月ミシガン大学消費者信頼感指数などが注目されそうです。引き続き、欧州財政問題の再燃、朝鮮半島リスクが懸念材料ですが、長期金利の落ち着きと年末商戦期待、経済指標が支援材料となりそうです。急上昇と雇用情勢の悪化から目先は一服する場面も有りそうですが、基本は戻り歩調が継続されそうです。今週の日経平均は週初は円高方向への振れや高値警戒感から足踏みとなりそうですが、日米の長期金利差は拡大方向は維持されていますので、早晩、円安方向に戻り、割安感修正の動きは続きそうです。


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