日経平均の予想: August 2025

Saturday, August 30, 2025

[2025/08/31]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、エヌビディアの決算は良好だったものの、中国企業によるAI半導体の追い上げの報道もあり、AI需要を巡る先行きの不透明感が浮上して、株価指数は週間では下落しました。

週間変動率 NYダウ:-0.19%, NASDAQ:-0.19%, S&P500:-0.10%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、米政権の関税政策、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が3.01ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER24.0対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER17.7との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2025年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに3.01ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER37.8程度になる。又は、日経平均が91,310円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は48,600円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、48,600円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは、拡大しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+3.3%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、NYダウが25日線の上を維持できるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+8.9%となりました。3ヶ月前に比べて-0.2%ポイント悪化しています。利益伸び率は-6.4%となりました。3ヶ月前に比べて-2.2%ポイント悪化しています。

  米国の長期金利は低下し、日米間の金利差は2.64から2.62と縮小して、ドル円は148円台から146円台の範囲でもみあいました。ドル・インデックスは週間で+0.13%上昇しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+3.3%で、米国は+4.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.1ポイント劣ります。

  8月第3週と8月第4週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、⑤が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に0.4ポイント(日経平均に勘算すると170円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に4.9ポイント(日経平均に勘算すると2090円程度)割高です。

 

日本市場はNYダウよりは強く、NASDAQよりは弱い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 15.4と上昇しました。 日経 VI は 週間で 22.3と低下しました。米国市場は楽観的で、日本市場は疑心暗鬼状態です。

 

日経平均は、9日線の下にあり、25日線の上にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。総合乖離率は+19.5%となり、200日移動平均線乖離率は+10.7%となりました。3つの要因がプラスですので、中期トレンドには"信号“が点灯しています。

                                                        

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。

米国市場は、短期的には"信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念は残っています。また、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などもリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。

日本市場は中期上昇トレンドで、短期はもみあいです。

 

為替市場を分析すると、20251月につけた156円をトップに円高方向に転換しています。今週は147円台から145円台が想定されます。

 

今週の米国市場では、8月の雇用統計が労働市場の減速が続いているかどうかを明らかにします。非農業部門雇用者数、失業率、賃金上昇率、ADP雇用統計、JOLTS求人数が新たな知見を提供します。また、ISM購買担当者景気指数も成長・雇用・物価の指標となり、関税の影響を示す貿易収支も発表されます。世界的には、ユーロ圏のインフレデータ、英国の小売売上高、中国のPMI、オーストラリア、ブラジル、韓国のGDPが発表されます。

 

先週の日経平均は想定範囲内で推移しました。上値は890円下回り、下値は300円上回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+1σ(現在43100円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-1σ(現在40970円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週の日経平均は、上昇トレンドが維持されるか否か、正念場となりそうです。


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Friday, August 29, 2025

[2025/08/29]今後の日経平均の見通し

[市況]

828日、NYDowNASDAQは上昇しました829日の日経平均先物は、前日比20円安で寄り付くと、午前中は20円安から310円安と下落幅を拡げ、午後は270円安から120円安の間で上下して、結局、240円安で取引を終えました。日経平均の終値は110円安の42718円で、出来高は18.67億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

828日の米国市場では、46月期の実質GDP改定値が速報値を上回ったことや、週間の新規失業保険申請件数が市場予想を下回ったことなどが投資家心理を支え、株買いをさそいました。長期金利が低下したことも追い風となりました。決算発表後のエヌビディアは下落しましたが、売りが限定的だったことは安心感につながり、半導体株の一角には買いが向かいました。NYDowNASDAQ3日続伸しました。

829日の日本市場では、8月の最終売買日とあって、利益確定の売りや戻り待ちの売りが優勢となりました。また、AI向け半導体を手掛ける米マーベル・テクノロジーが時間外取引で大幅安となったことを受け、東京エレクトロンやレーザーテックなど半導体関連の一角が売られました。一方でソフトバンクグループやアドバンテストなどには物色が向かい、相場の支えとなりました。日経平均は反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。

総合乖離率は+19.5%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+10.7%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-1.8ポイントとマイナス幅を拡げ、日平均が770円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+4.7ポイントとプラス幅を縮め、日経平均2010円ほど割高であることを示しています

 

日経VI22.27と前日より低下し、VIX14.33と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.1、米国-0.0と日本が4.1ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より2.96ポイント(日経平均換算で46930円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP改定値は前期比年率3.3%増で、速報値の3.0%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、7月の耐久財受注、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。また、7月の小売売上高は市場予想と一致しました。一方、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、7月の鉱工業生産指数、7月の消費者物価指数、7月のISM非製造業景況指数、7月の製造業受注、7月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の7月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比7.3万人増で、市場予想の10.8万人増を下回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

7月の新築住宅販売件数、7月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、7月の中古住宅販売仮契約指数、8月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7月の会合では利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、7月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER17.66PBR1.57となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。一方、今期予想利益の伸率は-6.8%で、こちらは3か月前より4.1ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.1%となり、日経平均は230円の割高から60円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-290円~+230円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.62ポイントから2.62ポイントと横ばいでした。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

829日の米国市場では、7月の個人所得・個人消費支出(PCE)や、7月のPCEデフレーターなどが注目されるでしょう。引き続き、関税の影響や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを490円ほど下回り、下値は想定ラインを280円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在43200円近辺)が上値の目安に、25日線+100円(現在42130円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。日経平均は反落しましたが、売り圧力はさほど強まりませんでした。引き続き、819日の最高値(43876円)を上回れるかどうかが、次の注目点です。



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Thursday, August 28, 2025

[2025/08/28]今後の日経平均の見通し

[市況]

827日、NYDowNASDAQは上昇しました828日の日経平均先物は、前日比120円安で寄り付くと、午前中は220円安から250円高と上昇に転じ、午後は210円高から430円高と上昇幅を拡げて、結局、430円高で取引を終えました。日経平均の終値は308円高の42828円で、出来高は18.79億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスで、プラス幅は前日と同値でした。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

827日の米国市場では、エヌビディアの決算発表を直後に控えて様子見ムードが強まるなか、セールスフォースやユナイテッドヘルス・グループなど、値ごろ感のある割安株に買いが向かい、相場を支えました。また、原油相場の上昇を受けてシェブロンが買われました。トランプ大統領とFRBのクック理事との法廷闘争は決着が不透明なだけに、投資家心理の重石となりました。NYDowNASDAQは続伸しました。

828日の日本市場では、決算発表後のエヌビディアの株価が下落したことを受けて値がさの半導体関連株に売りが先行しましたが、AI向け半導体の需要の強さを見直す向きもあり、売り一巡後は押し目買いが優勢となりました。指数寄与度の高いソフトバンクグループの上昇や、バークシャー・ハザウェイが大手商社株を買い増したと伝わったことも相場の押し上げ要因となりました。結局、日経平均は高値引けとなりました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。

総合乖離率は+20.6%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+11.0%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-1.0ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が430円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+5.1ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均2180円ほど割高であることを示しています

 

日経VI22.78と前日より低下し、VIX14.85と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.0、米国+0.0と日本が4.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より2.95ポイント(日経平均換算で46880円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP速報値は前期比年率3.0%増で、市場予想の2.4%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、7月の耐久財受注、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。また、7月の小売売上高は市場予想と一致しました。一方、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、7月の鉱工業生産指数、7月の消費者物価指数、7月のISM非製造業景況指数、7月の製造業受注、7月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の7月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比7.3万人増で、市場予想の10.8万人増を下回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

7月の新築住宅販売件数、7月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、8月の住宅市場指数、6月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7月の会合では利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、7月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER17.70PBR1.57となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。一方、今期予想利益の伸率は-6.7%で、こちらは3か月前より4.3ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.6%となり、日経平均は250円の割安から230円の割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-290円~+320円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.66ポイントから2.62ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

828日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、46月期のGDP改定値、7月の中古住宅販売仮契約指数のほか、ベストバイ、ダラー・ゼネラル、オートデスク、アルタ・ビューティーなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税の影響や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを220円ほど下回り、下値は想定ラインを300円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+200円(現在43250円近辺)が上値の目安に、25日線+300円(現在42300円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は強まりました。日経平均は続伸し、25日線を下回らずに上昇に転じたようです。819日の最高値(43876円)を上回れるかどうかが、次の注目点です。



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Wednesday, August 27, 2025

[2025/08/27]今後の日経平均の見通し

[市況]

826日、NYDowNASDAQは上昇しました827日の日経平均先物は、前日比210円高で寄り付くと、午前中は40円安まで下落したのち250円高まで戻し、午後は310円高から90円高の間で上下して、結局、200円高で取引を終えました。日経平均の終値は125円高の42520円で、出来高は18.55億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

826日の米国市場では、7月の耐久財受注額や8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数が事前に予想されていたほどには落ち込まなかったことが、米景気は底堅いとの安心感につながり、主力株の一角に買いが向かいました。もっとも、エヌビディアの決算発表を翌日に控えて様子見ムードも強く、値動きは限定的でした。NYDowNASDAQは反発しました。

827日の日本市場では、エヌビディアの決算発表を控えて様子見ムードが強まるなか、日本株の先高期待を背景とした株価指数先物への買いが相場を支えました。半導体関連株には持ち高調整の売りが出た一方、先回り的な買いも入り、アドバンテストは1銘柄で日経平均を130円ほど押し上げました。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。

総合乖離率は+18.7%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+10.3%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-1.5ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が640円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+4.8ポイントと前日比横ばいで、日経平均2040円ほど割高であることを示しています

 

日経VI23.49と前日より低下し、VIX14.62と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.1、米国+0.1と日本が4.2ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.02ポイント(日経平均換算で48270円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP速報値は前期比年率3.0%増で、市場予想の2.4%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、7月の耐久財受注、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。また、7月の小売売上高は市場予想と一致しました。一方、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、7月の鉱工業生産指数、7月の消費者物価指数、7月のISM非製造業景況指数、7月の製造業受注、7月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の7月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比7.3万人増で、市場予想の10.8万人増を下回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

7月の新築住宅販売件数、7月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、8月の住宅市場指数、6月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7月の会合では利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、7月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER17.62PBR1.56となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。一方、今期予想利益の伸率は-6.7%で、こちらは3か月前より4.1ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.6%となり、日経平均の割安幅は290円から250円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-290円~+680円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.69ポイントから2.66ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

827日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。エヌビディア、HP、クラウド・ストライクなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税の影響や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを260円ほど下回り、下値は想定ラインを340円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ(現在42980円近辺)が上値の目安に、25日線(現在41930円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は反発しました。引き続き、25日線を下回らずに上昇できるかが、目先の注目点です。



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Tuesday, August 26, 2025

[2025/08/26]今後の日経平均の見通し

[市況]

825日、NYDowNASDAQは下落しました826日の日経平均先物は、前日比120円安で寄り付くと、午前中は70円安から660円安と下落幅を拡げ、午後は530円安から310円安の間でもみあって、結局、470円安で取引を終えました。日経平均の終値は413円安の42394円で、出来高は24.82億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

825日の米国市場では、足元の株価上昇を受けて高値警戒感が意識され、主力株に目先の利益を確定する売りが出ました。トランプ大統領が「輸入家具に分野別関税をかけるための作業に着手した」と表明したことを受け、高関税政策がインフレ圧力を高めるとの懸念が改めて浮上したことも重石となりました。エヌビディアの決算発表を27日に控え、買い手控えムードが強まったという面もありました。NYDowNASDAQは反落しました。

826日の日本市場では、前日の米株式市場で主要な株価指数がそろって下落した流れを受け、主力株を中心に売りが優勢となりました。エヌビディアの決算発表を間近に控えて様子見ムードが強まり、買いが手控えられた面もありました。トランプ大統領がFRBのクック理事を解任すると発表したことも重石となりました。日経平均は3日ぶりに反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。

総合乖離率は+18.3%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+10.0%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-1.4ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が590円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+4.8ポイントとプラス幅を縮め、日経平均2030円ほど割高であることを示しています

 

日経VI24.03と前日より低下し、VIX14.79と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.1、米国+0.1と日本が4.2ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.05ポイント(日経平均換算で49230円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP速報値は前期比年率3.0%増で、市場予想の2.4%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

8月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月のシカゴ購買部協会景気指数、7月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、6月の耐久財受注は市場予想を上回りました。また、7月の小売売上高は市場予想と一致しました。一方、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、7月の鉱工業生産指数、7月の消費者物価指数、7月のISM非製造業景況指数、7月の製造業受注、7月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の7月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比7.3万人増で、市場予想の10.8万人増を下回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

7月の新築住宅販売件数、7月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、8月の住宅市場指数、6月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。5月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.3%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7月の会合では利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、7月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER17.61PBR1.56となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。一方、今期予想利益の伸率は-6.6%で、こちらは3か月前より4.0ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.7%となり、日経平均は40円の割高から290円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-290円~+1080円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.66ポイントから2.69ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

826日の米国市場では、7月の耐久財受注、6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数などが注目されるでしょう。引き続き、関税の影響や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを540円ほど下回り、下値は想定ラインを180円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-100円(現在42850円近辺)が上値の目安に、25日線(現在41820円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は弱まりました。日経平均は反落し、22日の安値(42331円)をザラ場では下回りました。25日線を下回らずに反発できるかが、目先の注目点です。



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