日経平均の予想: January 2025

Sunday, January 05, 2025

[2025/01/06]今後の日経平均の見通し

[市況]

13NYDowNASDAQは上昇しました。1月6日の日経平均先物は、前日比290円高で寄り付くと、午前中は640円高まで上昇したのち40円安と下落に転じ、午後は30円高から140円安の間でもみあって、結局、30円安で取引を終えました。日経平均の終値は587円安の39307円で、出来高は20.18億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり強まりました。

 

13日の米国市場では、インフレへの警戒感や金利の先高観が投資家心理の重石となるなか、短期的に売られ過ぎとの見方が勝り、幅広い銘柄に買いが入りました。FRB高官が米経済の見通しについてポジティブな見方を示したことも好感されました。NYDow5営業日ぶりに反発し、NASDAQ6営業日ぶりに反発しました。

1月6日の日本市場では、年末年始の米株式市場が軟調だった流れを受け、売りが優勢となりました。国内の長期金利が上昇したことや、米株価指数先物が下落したことも重石となりました。日経平均は続落しました。大発会は3年連続の下落となりました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は+3.4%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+1.6%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の下にあり、9日線を下回りました。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-8.8ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が3460円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-2.9ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1140円ほど割安であることを示しています

 

日経VI22.43と前日より上昇し、VIX16.13と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.2、米国-0.1と日本が5.1ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.04ポイント(日経平均換算で70620円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

12月のISM製造業景況指数、11の耐久財受注、11月の小売売上高、12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。また、10月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、12月のシカゴ購買部協会景気指数、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、11月の鉱工業生産指数、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、11月の消費者物価指数、11月のISM非製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です。

 

米国の11月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比22.7万人増で、市場予想の21.4万人増を上回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

11月の中古住宅販売仮契約指数、11月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、12月の住宅市場指数、11月の住宅着工件数、11月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。10月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB12月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しましたが、2025年の利下げ回数は前回会合で示された4回から2回に半減しました。ECBは、3会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を3.0%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.90PBR1.45となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.2%で、こちらは3か月前と同水準です。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.3%となり、日経平均は540円の割高から130円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-130円~+540円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.54ポイントから3.52ポイントに縮小しましたが、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

16日の米国市場では、11月の製造業受注などが注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを180円ほど下回り、下値は想定ラインを140円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ(現在39670円近辺)が上値の目安に、25日線-300円(現在38870円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。また、信用の売り圧力は、やや強まりました。日経平均は、年末年始の米国市場と連動して下落しました。目先、ボリンジャーバンド-1σ(現在38670円)近辺までの下落はありそうです。



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Saturday, January 04, 2025

[2025/01/05]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、米長期金利の先高観から、ハイテク株が軟調で、週間で株価指数は下落しました。

週間変動率 NYダウ:-0.60%, NASDAQ:-0.51%, S&P500:-0.48%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が3.97ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER21.4対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER16.1との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2025年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに3.97ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER44.7程度になる。又は、日経平均が110,740円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は70,840円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、70,840円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは縮小しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+3.3%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、NYダウが25日線の上に戻れるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+9.1%となりました。3ヶ月前に比べて0.3ポイント改善しています。また、利益伸び率は+2.2%となりました。3ヶ月前に比べて-0.4%ポイント悪化しています。

  米国の長期金利は低下し、日米間の金利差は3.54から3.53と縮小して、ドル円は158円台から156円台の範囲で円高方向に動きました。ドル・インデックスは週間で+0.85%上昇しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+3.3%で、米国は+4.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.1ポイント劣ります。

  12月第4週は買い超しで、12月第5週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に7.3ポイント(日経平均に勘算すると2910円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に1.2ポイント(日経平均に勘算する480円程度)割安です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQに対しては弱い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 16.1 と低下しました。 日経 VI は 週間で 21.9と上昇しました。米国市場は楽観的で、日本市場はやや悲観的です。

 

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。総合乖離率は+8.2%、200日移動平均線との乖離率は+3.1%。これら3つの要因がプラスであるため、中期トレンドには"青信号が点灯しています。

                                                        

米国市場では、NYダウは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。また、一目均衡表の雲の下に在ります。

NASDAQも、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

短期的には"信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念は後退しています。ただ、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などがリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみあいで、短期は下降トレンドです。

日本市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20249月につけた140円台をボトムに円安方向に転換しています。今週は156円台ら158円台が想定されます。

 

今週の米国市場では、11月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数と12月雇用統計に注目が集まります。また、11月の製造業受注、FOMC議事要旨なども注目されるでしょう。世界的には、中国のPMIと消費者物価指数、ユーロ圏の消費者物価指数と小売売上高などが注目されます。

 

今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+1σ(現在40650円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-1σ(現在38620円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週は、米国の雇用指標に関心が集まりそうですが、日経平均は一服となりそうです。


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