日経平均の予想: <20091118>日経平均の今後の見通し

Wednesday, November 18, 2009

<20091118>日経平均の今後の見通し

[市況]
17日のNY DowとNASDAQは上昇しました。18日の日経平均先物は、前日比同値で寄り付きました。前場に60円高まで買われた後は下げに転じました。後場に一時110円安となる場面もありましたが、引けにかけて戻し、最終的に前日比70円安で終わりました。日経平均は53円安で引け、出来高は22.6億株と低水準ながら増加しました。寄り付き前の外国人は120万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、”売り”が有利な状態です。

17日の米国市場では、高値警戒感から、朝方は利益確定売りが優勢でしたが、10月の卸売物価指数の上昇率が市場予想を下回ったことから、インフレ懸念がなくなり超低金利政策が続くとの見方が改めて強まり、相場を支え、年初来高値を連日で更新しましまた。
18日の日本市場では、米市場高を受けて買い先行で始まったものの、引き続き増資リスクが上値の重しとなり、前引けにかけて下げに転じました。後場に入ると、前日同様に指数寄与度の高いファーストリテイリングなどが軟調な展開となり、日経平均も下落ピッチを加速させました。終値では10月5日以来の安値水準となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は-4.7%となり、マイナス幅が拡大しました。200日線との乖離率は+3.7%となり、プラス幅は縮小しました。一目均衡表では雲の下に在ります。1つがプラスですので、中期的トレンドは、黄信号が点灯しています。ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)では200日線の上に在りますが、75日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。
NY Dowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドも青信号が点灯しています。
日・米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が16.7ポイント割安にある状態となり、テクニカル面の割安幅は拡大しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.8ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国・中国の実体経済の見通し」、「欧米の金融機関の損失拡大による金融危機再来」、「為替の動向」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、7-9月期の米GDPや10月の米ISM製造業景況感指数10月の米小売売上高が市場予想を上回りました。米企業の7-9月決算は概ね好調で労働生産性指数も上昇しました。一方、11月の消費者態度指数が前月から低下しました。景気指標や住宅関連指標はまちまちです。10月の雇用統計では失業率が10%を超え、米国の設備投資の伸びなやみも景気の足かせとなっています。2つめについては、インフレの心配はなく、FRBは超低金利政策維持の方向です。ストレステストの結果発表により金融危機は遠のきましたが、不良資産が本当に減少しているか否かは時価会計基準が緩和されたこともあり、不透明です。主要金融機関の7-9月期業績を見ると投資銀行業務は好調ですが、米地銀をはじめ、商業銀行業務は不良債権問題で不調です。ノンバンク大手CITの破綻の影響も気がかりです。引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。3つめについてはオーストラリアの中央銀行が利上げしたことにより、世界的な低金利政策から各国の事情ごとの金利政策への転換点となったようです。為替は金利差による変動となる要素が増しています。
一方、中長期的に見ると、世界景気は底打ちの気配があるものの、前年からの落ち込み幅は大きく、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきから、金融機関の不良債権増加懸念は払しょく出来ず、個人消費や企業の資金調達への悪影響を与え続けます。新型インフルエンザの蔓延による欧米やアジア経済の停滞懸念もあります。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は17日、上昇しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在4.24ドル)8月下旬に61.8%戻し(5.43ドル)を達成後揉み合っています。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、平均予想PERが33.0となり、PBRは1.20となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowの上昇にも関わらず下げました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-5.9%(590円の割安)となっており、日経平均のプレミアムのマイナス幅は拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間は、-630円~-340円の間で推移しています。日経平均は、NY Dowの動きに対して下振れが続いていますが、今日も拡大しました。プレミアムの中身は、民主党の政策の影響や需給要因など日本自身の弱さによる分が550円程度で円高要因が100円程度と考えられます。この傾向はまだ続きそうな気配です。今夜の米国市場では10月の住宅着工件数や10月の消費者物価指数が注目されそうです。依然として、日本市場は上値が重い状態で、11月5の安値9692円を下回りました。TOPIXは7月安値を下回ってしまいました。日経平均は10000円と9600円の持ち合い相場が続いていますが、10月6日の9628円を割る可能性が高くなりました。


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