[市況]
20日のNYSEとNASDAQが大幅下落したことを受けて、日経平均は170円ほど安く寄りつき、前場は一時270円安まで下落しましたが、その後戻り歩調となり、結局84円安で引けました。外人は220万株の売り越しで、出来高は18.2億株と低水準となり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が拡大し、個別銘柄は"売り"有利な状況です。
20日の米国株式市場では、ニューヨーク・タイムズ紙がイスラエルがイラン攻撃の演習を行っていたと報じたことを受け、原油が大幅上昇して、小売株など消費関連銘柄に売りを誘いました。メリルリンチが業績見通しを下方修正するとのうわさが出たことや、ムディーズがモノラインを格下げしたこともあり、金融株も売られ、S&PがフォードやGMの格付けを格下げ方向で見直すと発表したことも投資家心理をさらに冷やし、相場は午後に下げ幅を広げました。
23日の日本市場では、先週末の米国株安や、朝方に発表された4―6月期の法人企業景気予測調査で景況感が悪化し、幅広い銘柄に売りが先行して始まりましたが、前場中ごろから、このところの下げで値ごろ感が出たことや、香港ハンセン指数やシカゴ先物での米株価指数先物の上昇が下支え要因になったようです。
[テクニカル視点]
一目均衡表ではまだ雲の上に在りますが、総合乖離率は-4.5%とマイナス幅が拡大し、200日線との乖離率は-5.2%とマイナス幅が拡大しました。3つの内2つがマイナスですので、中期的トレンドは、"黄信号"となりました。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は2.1ポイントに縮小しました。テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.0ポイント下回わるレベルとなり、売られすぎ感は縮小しほぼ無くなりました。
NY Dowは、大幅に下げ、一目均衡表の雲の下に在り、さらに、75日線、25日線、9日線の下でも在り、昨日も直近安値を更新して3月の安値に接近しています。Nasdaqは一目均衡表の雲の中に入り、25日線の下に在り、9日線を割り、75日線に接近しています。日経平均は一目均衡表の雲の中に入りましたが、終値では上に出ました、9日線、25日線の下ですが75日腺の350円上に在ります。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は原油高と金融不安に繋がる悪材料が出て大きく下落しました。今後しばらく不動産下落も続きそうですので、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。本格反転には公的資金を活用した破綻懸念の払拭が必須と思われますが、現在のところ、まだ対策が出ていません。7月に主要銀行の決算発表時を控えていますので、スッキリしません。しかし、逆に有効な対策がでると、金融株の急騰も有り得ます。そろそろ、対策が出ても良い時期ではないかと思います。ここからは、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティーの株価は依然として、年初来安値を更新して推移しています。(3月安値18ドルに対して現在9.6ドル)一方、日本企業の3月期決算発表は終わりましたが、今日現在の日経平均の今期予想増益率は-2.2%で、予想PERは16.4となりました。
[今後の見通し]
今日の日経平均はリバウンドして今夜の米国株の反転をある程度織り込んだ形となりました。その結果、終値ではNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは約+1.04%(130円)となりました。ドル換算チャートでは一目均衡表の雲の下に抜けてしまいました、数日以内に雲の中に入れないようですと、中期的に軟調な展開を覚悟しなければなりません。今夜の米国市場のリバウンドの有無が今後の行方に大きく影響しそうです。
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