[市況]
4日のNYSEは小幅下落しNASDAQは上昇しましたが、日経平均は40円ほど安く寄りつき、その後も軟調な展開となり、前場は一時110円安となる場面もありましたが、その後はもみ合いとなり、結局94円安で引けました。出来高は25.0億株と高水準で、外人は1210万株の買い越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅が拡大し、個別銘柄は"買い"有利な状況です。
4日の米国株式市場では、ADPの5月全米雇用リポートで雇用が市場予想に反して増加したことや、ISMが発表した5月の非製造業景況感指数が市場予想を上回ったこともあり、上昇して推移したものの、ムーディーズがモノラインのMBIAなどを、格下げ方向で見直すと発表した為、信用不安が改めて強まり、それまで買われていた金融株に売りが広り、FRBのバーナンキ議長がインフレへの強い警戒感を示したことも嫌気され、ダウ平均は下げに転じて終えました。
5日の日本市場では、前場はアジア株が軒並み安となっていることや、債券先物が上昇していることを受けて売りが先行し、一時は同110円安の14270円まで下げる場面があったものの、下値では買いが入り、大きくは下げず、もみ合い状態が続きました。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の上に在り、総合乖離率は+6.2%とプラス幅が縮小、200日線との乖離率は-2.7%とマイナス幅が拡大台しましたが、3つの内2つがプラスですので、中期的トレンドは、"青信号"のままです。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は1.9ポイントに拡大、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.3ポイント下回わるレベルに拡大しましが、売られ過ぎ感は傾向としては改善方向です。
NY Dowは5/27の直前の安値を割ってしまい、一目均衡表の雲の下限で推移しており、引き続き要注意です。Nasdaqと日経平均は、終値で25日線の上に在ります。
[ファンダメンタル視点]
米国市場ではモノラインの格下げ問題が再浮上し、金融不安が引き続き意識されて金融株が売られました。今後もしばらく不動産下落も続きそうですので、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は完全に払拭されてはいないようです。本格反転には公的資金を活用した、破綻懸念の払拭が必須と思われます。5,6月の2ヶ月の間に対策が出ないと7月の決算発表時に波乱も考えておかなければなりません。逆に有効な対策がでると、金融株の急騰も有り得ます。ここからは、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティーの株価は依然として、3月の安値を下回って推移しています。一方、日本企業の3月期決算発表は終わりましたが、今日現在の日経平均の今期増益率は-2.3%で、予想PERは17.2となりました。
[今後の見通し]
今日も円安ぎみでしたが、昨日の上げ過ぎの修正で軟調な展開でしたが、下値は外人と思われる買いが入り、底堅い動きでした。今日の終値でもNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは約4.0%(500円)あります。いずれこの差は解消されると思われますが。短期筋の資金が流れ込んでいるようで、ここ数日は拡大ぎみです。NY Dowの動きが冴えませんので、本来、日本市場は下落する可能性が大きいはずですが、新興国市場や原油市場が弱い中、過剰流動性による短期資金が久々に日本市場へやって来ているようです。しかし、逃げ足も速いので注意が必要です。
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