[市況]
3日のNYSEとNASDAQは下落しましたが、日経平均は60円ほど高く寄りつき、その後も上昇、後場も堅調に推移し、結局226円高で引けました。出来高は26.4億株と高水準で、外人は880万株の買い越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅が拡大し、個別銘柄は"買い"有利な状況です。
3日の米国株式市場では、4月の製造業受注額は前月比1.1%増と市場予想を上回ったものの、リーマン・ブラザースの財務や資金繰り悪化への懸念が強まり、株価は9%超下落。CEO辞任を発表した米銀大手ワコビアも大幅に下げ、金融株を中心に市場は軟調に推移しました。一方、FRB議長の強いドルが必要との発言でドル高円安方向に振れたようです。
4日の日本市場では、朝方の寄付前の外人が買い越だったことや、円相場が105円台前半に下落したことを好感し、ホンダやトヨタ、TDK、ソニーといった輸出関連株主導で上昇しました。債券から株式への資金シフト期待は根強く、日経平均はじりじりと上値を切り上げました。個人投資家や証券会社の自己売買部門の短期売買が中心のようで、物色の対象は原発や水処理といったテーマ性のある銘柄に向かっているようです。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の上に在り、総合乖離率は+3.7%とプラス幅が縮小、200日線との乖離率は-2.1%とマイナス幅が縮小しました。3つの内2つがプラスですので、中期的トレンドは、"青信号"のままです。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は1.1ポイントと変化なく、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.7ポイント下回わるレベルに縮小しました。売られ過ぎ感は傾向としては改善方向です。
NY Dowは5/27の直前の安値をザラ場で割ってしまい、一目均衡表の雲の下限で踏みとどまりましたが、引き続き要注意です。た。Nasdaqは終値で25日線の上をなんとかキープ。日経平均は、終値で25日線のかなり上となりました。
[ファンダメンタル視点]
米国市場では懸念していた金融不安が引き続き意識されて金融株が売られました。今後もしばらく不動産下落も続きそうですので、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は完全に払拭されてはいないようです。本格反転には公的資金を活用した、破綻懸念の払拭が必須と思われます。5,6月の2ヶ月の間に対策が出ないと7月の決算発表時に波乱も考えておかなければなりません。逆に有効な対策がでると、金融株の急騰も有り得ます。ここからは、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティーの株価は依然として、3月の安値を下回って推移しています。一方、日本企業の3月期決算発表はほぼ終わりましたが、今日現在の日経平均の今期増益率は-2.2%で、予想PERは17.3となりました。
[今後の見通し]
今日は円安ぎみとは言え、日経平均は米国市場安にも関わらず強いうごきでした。今日の終値ではNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは4.0%(500円)となりました。いずれこの差は解消されると思われますが。短期筋の資金が流れ込んでいるようで、ここ数日は拡大ぎみです。NY Dowの動きが冴えませんので、本来、日本市場は下落する可能性が大きいはずですが、乱高下の中ボラティリテーの高い状態が続きそうです。
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