[ファンダメンタルの現状認識]
2008年のGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は+1.9ポイントとなり、日本市場の割安度は米国市場との比較でOECDのGDP予想値修正により、先週に比べ0.8ポイント増加しました。200日線乖離率差は-0.1ポイントとなり先週よりも3.2ポイント割安度は縮小しました。先週末の米国市場の急落が影響していますが、日本市場の割安感(売られ過ぎ度)は縮小傾向です。
一方、3月決算発表が終了し、日本企業の今期予想増益率は、景気減速によって日経225採用銘柄平均で-2.3%となっています。米国市場は金融不安、原油急騰と雇用悪化が再び問題となりそうな気配です。
[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2008年GDP予測値(現在1.6%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①米国市場は原油急騰と雇用悪化で週末に急落しました。
②第三四半期決算発表の結果、日経225採用銘柄の今期予想増益率は世界景気の下ぶれにより半年前の+6.8%から-2.3%に減少しています。先週からは変化はありません。
③長期金利は日米とも株価の戻りにともない上昇しています。先週も日米の金利差は2.2%から2.3%で推移しましたが、為替は週末に106円台から104円後半に急騰しました。今週も引き続き為替の影響を受け易いと思われます。
④先週、OECDによる日米の2008年のGDP伸び率予測値は修正され日本が1.6%→1.7%となり、米国は2.0%→1.2%となりましたので、この面では日本市場にとって0.5ポイント強気材料となりました。OECD合計も2.3%→1.8%に下方修正され世界的にも景気減速が予想されています。
⑤5月第5週は買い越しで、9週連続の買い越しとなりました。6月1週も買い越しと思われまが、今週は売り越し転換が危惧されます。
5つのポイントのうち先週は③⑤が強気材料でした。今週も米国市場動向と需給や為替、外人動向次第と思われますが、週初は大幅下落からスタートとなりそうです。
[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、一目均衡表では、雲の上に抜け、200日移動平均線乖離率は-1.6%となり先週と比較してマイナス幅が1.4ポイント縮小、総合乖離率は+8.2%となり1.2ポイント増加しました。中期上昇トレンドは、"青信号"を維持しました。日経平均は25日線の3%上に在り、ボリンジャーバンド+2σ近辺で上髭陰線で終了しましたのでチャートは警戒感を示しています。
[今週の見通し]
先週末の米国市場の急落によりシカゴの日経平均先物は14065円で終了していますので、月曜日の日経平均は450円程度の下落を覚悟しておかねばなりません。ちょうど25日線の水準ですが、その後も米国市場は原油の動きに左右されることが予想されますが、日本市場はそれプラス為替に影響されると思われます。来週はSQでもありますので、ボラティリティーも高そうです。25日線を維持できない場合、75日線がかなり下にありますので、ボリンジャーバンドの-2σと一目均衡表の雲の上限が重なる13600円近辺までの下落も目安として想定しておいた方がよさそうです。
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