[市況]
16日のNYSEが下落、NASDAQが上昇したことを受けて、日経平均は30円ほど高く寄りつき、高値と安値の差は87円と終日小動きで、結局6円安で引けました。外人は20万株の売り越しで、出来高は18.1億株と低水準ながら、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラスに転換し、個別銘柄は"買い"有利となりました。
16日の米国株式市場では、アナリストの投資判断引き下げが伝わったAT&TやGEなどが売りに押され、ダウ平均を押し下げたものの、原油が下げて終えたほか、リーマン・ブラザーズの決算発表が赤字ながら想定範囲内で豊富な流動性などについて言及したことで大手金融株が総じて堅調となり、下値は限られました。
17日の日本市場では、アジア市場や16日の米国市場が方向感を欠く値動きだったことで、手掛かりに乏しく、小動きに終始しました。原油価格の動向や17日発表予定の米卸売物価指数の内容を見極めたいとして、日本市場は終日小動きでした。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の上に在り、総合乖離率は+5.8%とプラス幅が縮小、200日線との乖離率は-2.1%とマイナス幅は変わらずでした。3つの内2つがプラスですので、中期的トレンドは、"青信号"です。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は2.1ポイントに縮小しましたが、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.6ポイント下回わるレベルで、売られ過ぎ感はほぼなくなりました。
NY Dowは、一目均衡表の雲の下に在り、25日線、9日線の下でも在ります。まだ本格的な反発とは言えない状況です。Nasdaqは一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線は上回ったものの25日線には届いていません。日経平均は一目均衡表の雲の上に在り、さらに9日線と25日線の上に在ります。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は方向感にとぼしい動きでしたが、リーマンの決算発表にはポジティブに反応しました。今夜にゴールドマン・サックス、明日にモルガン・スタンレーと続きますので、まだ安心はできません。証券会社は収益が改善しても、今後もしばらく不動産下落も続きそうですので、根本的な金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響も完全に払拭されてはいません。本格反転には公的資金を活用した、破綻懸念の払拭が必須と思われます。5,6月の2ヶ月の間に対策が出ないと6,7月の決算発表時に波乱も考えておかなければなりません。逆に有効な対策がでると、金融株の急騰も有り得ます。ここからは、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティーの株価は依然として、3月の安値を下回って推移しています。一方、日本企業の3月期決算発表は終わりましたが、今日現在の日経平均の今期増益率は-2.3%で、予想PERは17.0となりました。
[今後の見通し]
今日の終値ではNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは約1.2%(160円)となり、また、多少プレミアム付いてきました。日経平均のチャートは良い形ですが、ドル換算チャートでは9日線を上回りましたが、まだ25日線の下に在り、まだ上昇トレンド入りとは云えません。ドル換算チャートの方が実態に近いと思いますので、まだ、それほどテクニカルにも強気になれません。原油安と米金融機関の破綻懸念後退が、米国市場と日本市場のさらなる反転上昇の条件と思われますが、こちらも強気になれる方向感はまだ見えません。
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