日経平均の予想

Saturday, February 05, 2022

[2022/02/6]今週の日経平均の見通し

[ファンダメンタルの現状認識]

先週の米国市場では、金融引き締めが景気を冷やすとの警戒感は強いものの、好決算発表銘柄を中心に買戻しが入り、株価指数は上昇しました。

週間変動率 NYダウ:+1.05%, NASAQ:+2.38%, S&P500:+1.55%.

 

一方、中長期的には、エネルギー・コスト、生産・供給コスト上昇によるインフレ加速懸念と、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、サプライチェーン混乱などによる世界経済の減速懸念もあります。このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東、ウクライナの地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2023年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が1.06ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER20.1に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER13.5との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

これは、現在の日経平均の価格に対して、2022年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに1.06ポイント拡大するか(日本が下方修正又は米国が上方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER15.7程度になるか、又は、日経平均が32000円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は4560円ほど割安です。

ファンダメンタルで見れば、日本市場は4560円分魅力に欠ける状態であるとも言えます。

日米の長期金利差が拡大し、日本市場の相対的な弱さが増しました。

 

 

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大と一段の円安

OECDによる日本の2023GDP予測値(現在+1.8%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。今週は、NYDow25日線の上戻れるか否かに注目したいと思います。

  四半期決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は9.4%となりました。3ヶ月前に比べて0.1ポイント悪化しています。また、利益伸び率は+38.8%3ヶ月前に比べて0.8ポイント改善しています。

  米国の長期金利が上昇し、日米間の金利差は1.61から1.72と拡大したものの、ドル円は114円から115円の範囲でもみあいました。ドル・インデックスは週間で-1.79%%下落しました。

  OECDの日米の2023年の名目GDP伸び率予測が公開されて、日本が+1.8%で、米国は+4.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が3.1ポイント劣ります。

  1月第4週は売り越しで、2月第1週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に0.3ポイント(日経平均に勘算すると80円程度)割高です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に4.3ポイント(日経平均に勘算する1180円程度)割安です。

週間では米国市場に対する日本市場の弱さが改善しました。米国市場と日本市場のボラティリティーは同水準で、ボラティリティー・インデックスは27から23まで低下しました。投資家の不安心理は、まだ高いものの、改善しています。

 

日経平均は、25日線の下にありますが、9日線の上にあります。短期トレンドには”黄信号”が点灯しています。

一目均衡表の雲の下に在ります。総合乖離率は-9.8%となり先週と比較してマイナス幅は縮小しました。200日移動平均線との乖離率は-4.2%で、マイナス幅は縮小しました。3つの要素がマイナスですので、中期トレンドには、"赤信号"が点灯しています。

 

米国市場ではNYDowは、25日線の下にありますが、9日線と200日線の上にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。NASDAQは、200日線と25日線の下にありますが、9日線の上にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。

短期的には黄信号で、中期的にも黄信号が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界経済減速懸念、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、米中貿易摩擦、北朝鮮の問題、などの懸念は後退しているものの、米国の利上げ、長期金利の上昇、原油相場の上昇、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東やウクライナ、東アジアの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

 

直近のLIBOR金利は上昇傾向で、引き続き注意が必要です。20203月にも、短期金利が低下しているにも関わらずLIBOR金利は上昇したことから、金融不安再燃の可能性が意識されていました。

 

一方、好材料としては米国政府による大規模の経済対策があげられます。また、日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と無制限の国債と12兆円までのETF購入などの金融緩和措置に加え、日本政府による経済対策があります。さらに、EUによる92兆円のコロナ復興基金設立とECBによるマイナス金利の深堀と量的緩和の継続などが揚げられます。ただ、ECBFRB債券購入の減額を決め、利上げ時期を探っています。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみあいで、短期ももみあいです。日本市場は中期下降トレンドで、短期はもみあいです。

 

為替市場を分析すると、2020年は、ゆるやかに円高方向に動いていましたが、2021年に入り、円安方向に反転しています。今週は114円台から115台が想定されます。

 

今週は、米国の消費者物価指数で、インフレ率が40年ぶりの高水準となることが予想されます。また、英国では第4四半期のGDP成長率が発表され、インド、ロシア、インドネシア、タイ、メキシコの中央銀行が金融政策の決定を行う予定です。一方、FRBがよりタカ派的なスタンスになるとの見方が強まる中、市場のボラティリティーの高さは継続すると予想されます。

 

先週の日経平均は、想定レンジ内で推移しました。上値は想定ラインを430円ほど下回り、下値は想定ラインを80円ほど上回りました。今週の日経平均の想定範囲は、上値が25日線(現在27890円近辺)で、下値がボリンジャーバンド -2σ(現在26260円近辺)の間での動きが想定されます。

 

今週は、ボラティリティー・インデックスが20以下に低下しなければ、25日線を大きく上回る上昇は期待できないと思われます。


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Thursday, February 03, 2022

[2022/02/04]今後の日経平均の見通し

[市況]

23日、NYDowNASDAQは大幅下落しました。24日の日経平均先物は、前日比120円安で寄り付くと、午前中は120円高から140円安の間で上下し、午後は20円高から230円高と上昇幅を拡げて、結局210円高で取引を終えました。日経平均の終値は198円高の27439円で、出来高は13.58億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

また、空売り比率は5日平均を下回りました。個別銘柄への売り圧力は弱まりました。

 

23日の米国市場では、市場予想を下回る業績見通しを発表した銘柄が売られ、相場を押し下げました。わけても、2日夕に決算を発表したメタプラットフォームズは26%安となり、他のハイテク株へも売りが波及しました。長期金利が上昇し、高PER銘柄に割高感が出たことも逆風となりました。一方、医薬品や日用品など、ディフェンシブ銘柄は買われました。結局、NYDowNASDAQ5営業日ぶりに反落しました。

24日の日本市場では、割安感のある銘柄への押し目買いと、利益確定の売りや戻り待ちの売りが交錯し、午前中は方向感を欠いた展開となりました。午後に入ると、香港の株式市場や米株価指数先物の上昇が投資家心理を上向かせ、値がさ株の一角に買いが入り、相場を押し上げました。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にありますが、9日線の上にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。

総合乖離率は-9.8%と前日よりマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-4.2%と前日よりマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドには赤信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線と200日線の上にありますが、25日線を下回りました。一目均衡表では雲の下に抜けました。NASDAQは、25日線と200日線の下にあり、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+1.8ポイントとプラスに転換し、日経平均が490円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの比較では、日経平均が4.4ポイント(日経平均換算で1210円)割安となっています

 

日経VI22.84VIX24.35と、米国市場のほうがボラティリティーが高い状態です。NYDowに対する日経平均の弱さは改善されました。両指数とも20を上回っており、投資家の不安心理が完全に払拭されたとは言えません。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.2、米国-3.2と日本が4.0ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.90ポイント(日経平均換算で3810円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP速報値は前期比年率6.9%増で、市場予想を上回りました。また、1012月期の米企業の決算は、今のところ好調な企業が目立ちます。

 

経済指標を見てみます。

1月のISM非製造業景況指数、1月のISM製造業景況指数、1月のシカゴ購買部協会景気指数、1月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、12月の製造業受注、12月の耐久財受注、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、12月の鉱工業生産指数、12月の小売売上高は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面では弱気材料です

 

米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比19.9万人増で、市場予想の40万人増を下回りました。一方、失業率は3.9%で、先月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利上げ時期が遅くなるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の新築住宅販売件数、12月の住宅着工件数は予想を上回りました。また、12月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想と一致しました。一方、12月の中古住宅販売件数、1月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。また、11月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+18.3%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面では弱気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに3回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末まで18500億ユーロ」に拡大しました。ただ、224月以降の資産購入額は現在の半分以下に減少する見込みです。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、131 0.3088 21 0.3027 22 0.3105と上昇傾向にあり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.5PBR1.24となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+36.1%で、こちらは3か月前より0.8ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.6%となり、日経平均の割安幅は700円から160円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-700円から-160円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.59ポイントから1.65ポイントに拡大し、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的にもみあいです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化していますが、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続していますが、202112月の理事会で、新型コロナウイルス対応で実施している追加の債券購入を20223月で終了することを決定しました。

 

24日の米国市場では、1月の雇用統計が注目されるでしょう。引き続き、オミクロン感染状況や原油価格、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを130円ほど下回り、下値は想定ラインを100円ほど上回りました。目先は、25日線-100円(現在27790円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ+100円(現在27170円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均を下回り、売り圧力は弱まったものの、日米市場のボラティリティーは昨日より上昇しました。投資家の不安心理はまだ高い状態です。日経平均は、戻ったとしても25日線近辺までとなりそうです。



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Wednesday, February 02, 2022

[2022/02/03]今後の日経平均の見通し

[市況]

22日、NYDowNASDAQは上昇しました。23日の日経平均先物は、前日比280円安で寄り付くと、午前中は240円安から390円安の間でもみあい、午後は280円安から360円安の間でもみあって、結局340円安で取引を終えました。日経平均の終値は292円安の27241円で、出来高は12.93億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

また、空売り比率は5日平均を5日ぶりに上回りました。個別銘柄への売り圧力は強まりました。

 

22日の米国市場では、前日夕に好決算を発表したアルファベットが大幅高となり、ハイテク株の一角に買いが波及しました。業績が景気動向の影響を受けにくいディフェンシブ株の上昇も目立ちました。一方、1月のADP全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数が市場予想に反して前月比で減少したことが嫌気され、景気敏感株は売られました。NYDowNASDAQ4日続伸しました。

23日の日本市場では、前日までの株高の反動で、戻り待ちの売りが優勢となりました。また、米メタプラットフォームズが決算発表を受けて時間外取引で急落したことや、NASDAQの先物が大幅に下落したことが投資家心理を冷やし、グロース(成長)株が売られました。一方で、ディフェンシブ銘柄の一部は買われました。日経平均は5日ぶりに反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にありますが、9日線の上にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。

総合乖離率は-12.2%と前日よりマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-4.9%と前日よりマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドには赤信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線と200日線の上にあり、25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-2.6ポイントと前日よりマイナス幅を拡げ、日経平均が710円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの比較では、日経平均が6.6ポイント(日経平均換算で1800円)割安となっています

 

日経VI22.61VIX22.09と、日米国市場のボラティリティーはほぼ同水準です。NYDowに対する日経平均の弱さは拡大しました。両指数とも20を上回っており、投資家の不安心理が完全に払拭されたとは言えません。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.3、米国-3.3と日本が4.0ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.90ポイント(日経平均換算で3730円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP速報値は前期比年率6.9%増で、市場予想を上回りました。また、1012月期の米企業の決算は、今のところ好調な企業が目立ちます。

 

経済指標を見てみます。

1月のISM製造業景況指数、1月のシカゴ購買部協会景気指数、1月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、11月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、12月の耐久財受注、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、12月の鉱工業生産指数、12月の小売売上高、12月のISM非製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面では弱気材料です

 

米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比19.9万人増で、市場予想の40万人増を下回りました。一方、失業率は3.9%で、先月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利上げ時期が遅くなるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の新築住宅販売件数、12月の住宅着工件数は予想を上回りました。また、12月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想と一致しました。一方、12月の中古住宅販売件数、1月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。また、11月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+18.3%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面では弱気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに3回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末まで18500億ユーロ」に拡大しました。ただ、224月以降の資産購入額は現在の半分以下に減少する見込みです。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、128 0.3165 131 0.3088 21 0.3027と一服していますが上昇傾向にあり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.4PBR1.23となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は+35.5%で、こちらは3か月前より1.8ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.5%となり、日経平均の割安幅は290円から700円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-700円から-290円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.62ポイントから1.59ポイントに縮小し、ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的にもみあいです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化していますが、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続していますが、202112月の理事会で、新型コロナウイルス対応で実施している追加の債券購入を20223月で終了することを決定しました。

 

23日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、ECB定例理事会およびラガルド総裁の記者会見、1月のISM非製造業景況指数、12月の製造業受注のほか、アマゾン、フォード、メルク、ハネウェルなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、オミクロン感染状況や原油価格、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを500円ほど下回り、下値は想定ラインを50円ほど下回りました。目先は、25日線-300円(現在27650円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-100円(現在27010円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率からは、5日ぶりに売り圧力が強まったことが見て取れます。日米市場のボラティリティーはピークからはかなり低下しましたが、昨日よりは上昇しました。投資家の不安心理はまだ高い状態です。25日線を目指しつつも、しばらく足踏みとなりそうです。



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Tuesday, February 01, 2022

[2022/02/02]今後の日経平均の見通し

[市況]

21日、NYDowNASDAQは上昇しました。22日の日経平均先物は、前日比270円高で寄り付くと、午前中は230円高から510円高と上昇幅を拡げ、午後は400円高から510円高の間でもみあって、結局510円高で取引を終えました。日経平均の終値は455円高の27533円で、出来高は13.75億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

また、空売り比率は5日平均を4日連続で下回りました。個別銘柄への売り圧力は弱まっています。

 

21日の米国市場では、このところ相対的に上昇が鈍かった景気敏感株が買われました。また、エクソンモービルの好決算を受けて石油株が買われました。年金基金の資産配分見直しに伴う買いも入ったようです。一方で、ハイテク株は利益確定の売りに押されました。ただ、メタプラットフォームズやアルファベットは上昇しました。結局、NYDowNASDAQ3日続伸しました。

22日の日本市場では、前日の米株式相場で主要3指数がそろって上昇した流れが引き継がれ、運用リスクをとる動きが優勢となりました。また、主要企業の決算発表が本格化するなか、好決算銘柄に買いが集まりました。米長期金利の上昇に一服感があることも買い安心感につながったようです。日経平均は4日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にありますが、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は-9.4%と前日よりマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-3.9%と前日よりマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドには赤信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の下にありますが、9日線を上回りました。

 

NYDowは、25日線の下にありますが、9日線と200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上に出ました。NASDAQも、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-1.1ポイントと前日よりマイナス幅を縮め、日経平均が300円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの比較では、日経平均が5.0ポイント(日経平均換算で1380円)割安となっています

 

日経VI21.94VIX21.96と、日米国市場のボラティリティーはほぼ同水準で、改善傾向が続いています。NYDowに対する日経平均の弱さは改善されました。ただ、両指数ともまだ20を上回っており、投資家の不安心理が完全に払拭されたとは言えません。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.2、米国-3.3と日本が3.9ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.86ポイント(日経平均換算で3620円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP速報値は前期比年率6.9%増で、市場予想を上回りました。また、1012月期の米企業の決算は、今のところ好調な企業が目立ちます。

 

経済指標を見てみます。

1月のISM製造業景況指数、1月のシカゴ購買部協会景気指数、1月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、11月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、12月の耐久財受注、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、12月の鉱工業生産指数、12月の小売売上高、12月のISM非製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面では弱気材料です

 

米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比19.9万人増で、市場予想の40万人増を下回りました。一方、失業率は3.9%で、先月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利上げ時期が遅くなるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の新築住宅販売件数、12月の住宅着工件数は予想を上回りました。また、12月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想と一致しました。一方、12月の中古住宅販売件数、1月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。また、11月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+18.3%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面では弱気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに3回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末まで18500億ユーロ」に拡大しました。ただ、224月以降の資産購入額は現在の半分以下に減少する見込みです。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、127 0.2990 128 0.3165 131 0.3088と上昇傾向にあり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.5PBR1.24となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は+35.6%で、こちらは3か月前より2.3ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.0%となり、日経平均の割安幅は650円から290円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-730円から-290円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.60ポイントから1.62ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的にもみあいです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化していますが、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続していますが、202112月の理事会で、新型コロナウイルス対応で実施している追加の債券購入を20223月で終了することを決定しました。

 

22日の米国市場では、1月のADP全米雇用リポートや、OPECプラス会合のほか、メタプラットフォームズ、イーベイ、クアルコムなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、オミクロン感染状況や原油価格、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを190円ほど上回り、下値は想定ラインを460円ほど上回りました。目先は、25日線-100円(現在27910円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ+100円(現在27270円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率からは、4日連続で売り圧力が弱まったことが見て取れます。日米市場のボラティリティーはピークからはかなり低下しました。投資家の不安心理はまだ高いものの、やわらぎつつあります。引き続き、25日線を目指す動きとなりそうです。



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