[市況]
8月31日、NYDowとNASDAQは下落しました。9月1日の日経平均先物は、前日比600円安で寄り付くと、午前中は870円安から20円安と下落幅を縮め、午後は330円安から110円高と一時上昇に転じて、結局、300円安で取引を終えました。日経平均の終値は96円安の66215円で、出来高は22.78億株でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。
空売り比率は、5日平均を3日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。
8月31日の米国市場では、米軍がイランのロケット発射施設に対し攻撃をおこない、イランの革命防衛隊もこれに対し報復攻撃をおこなったと伝わり、中東情勢悪化への警戒感から、リスク回避目的の売りが優勢となりました。原油先物相場の上昇や、利上げ観測を背景とした長期金利の上昇も相場の重石となりました。一方、半導体関連の一角には買いが向かいました。NYDowとNASDAQは続落しました。
9月1日の日本市場では、前日の米株安や日米の長期金利の上昇を受け、AI・半導体関連を中心に売りが先行しました。ただ、朝方の売りが一巡すると、一部の主力株が持ち直し、相場を支える展開となりました。好業績を背景とした日本株の先高観も押し目買いを誘いました。長期金利がおよそ30年ぶりに3%台に乗せたことは投資家心理の重石となりましたが、日経平均は底堅く推移し、結局は小幅に続落しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。
総合乖離率は+12.8%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+12.7%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の中にあります。3つの要素のうちプラスは2つであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線を下回りました。
NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには青信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+4.6ポイントとプラス幅をやや縮め、日平均が3050円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの差は、+5.9ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均が3910円ほど割高であることを示しています。
日経VIは25.98と前日より低下し、VIXも14.93と前日より低下しました。日経VIは、投資が不安を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-2.77、米国+0.05と日本が2.82ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+5.8)は2.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.09ポイント(日経平均換算で980円ほど)割高の状態です。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「中東や南米、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の4~6月期のGDP改定値は前期比年率1.5%増で、速報値の1.5%増と一致しました。また、4~6月期の米企業の決算は、5年ぶりの好決算を記録する見通しです。
米国の経済指標は:
8月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、7月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、8月のシカゴ購買部協会景気指数、7月の鉱工業生産指数、6月の耐久財受注、7月の小売売上高、7月のISM非製造業景況指数、6月の製造業受注、7月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標5勝7負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという面では強気材料です。
米国の7月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比2.3万人減で、市場予想の8万人増に反して減少しました。一方、失業率は4.1%で、前月の4.2%からやや改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという面では強気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
8月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、7月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数、7月の中古住宅販売仮契約指数、6月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想の+1.7%を上回りました。住宅関連の指標は2勝4負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという面では強気材料です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、7月のFOMCでも政策金利を据え置きましたが、参加者の多くは「インフレ圧力次第では追加の金融引き締めが必要」と評価しています。ECBも、7月の会合では、中銀預金金利を2.25%に据え置きました。日銀も、7月の金融政策決定会合では政策金利を現在の1.0%程度に据え置きましたが、報道では9月・10月利上げを視野に入れているとされています。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが17.39、PBRが1.91となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは11.0%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+17.7%で、こちらは3か月前より8.6ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの下落と歩調を合わせて下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.2%となり、日経平均の割高幅は190円から150円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+150円~+530円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、1.80ポイントから1.80ポイントと横ばいでした。ドル円相場はもみあいました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。
9月1日の米国市場では、8月のISM製造業景況指数や、7月のJOLTS求人件数のほか、メドトロニック、デル・テクノロジーズ、パロアルトネットワークスなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利や原油価格の推移も相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを640円ほど下回り、下値は想定ラインを330円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-500円(現在67170円近辺)が上値の目安に、25日線-600円(現在65150円近辺)が下値の目安となります。
日経平均は小幅に続落しました。やはり、明確な方向感が出るには、より大きな材料が必要なようです。
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