[市況]
9月10日、NYDowとNASDAQは下落しました。9月11日の日経平均先物は、前日比1370円安で寄り付くと、午前中は1340円安から2210円安の間で上下し、午後は1990円安から1130円安と下落幅を縮めて、結局、1130円安で取引を終えました。日経平均の終値は1259円安の64011円で、出来高は23.73億株でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態ですが、売られ過ぎの水準です。
空売り比率は、5日平均を4日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。
9月10日の米国市場では、イエメンの親イラン武装組織フーシがイエメンの港湾都市を掌握したとの報道を受け、エネルギー供給が一段と滞るとの懸念が強まり、株式にはリスク回避目的の売りが優勢となりました。また、8月の卸売物価指数(PPI)が市場予想を上回り、FRBの早期利上げ観測が強まったことも相場の重石となりました。NYDowとNASDAQは4日続落しました。
9月11日の日本市場では、中東情勢の悪化を受けて世界的に金利上昇の勢いが強まっていることが投資家心理の重石となり、AI・半導体関連株を中心に売りが優勢となりました。一方、急ピッチな円高が一服したことから、自動車など輸出関連株には押し目買いが入りました。また、金利上昇が業績にプラスにはたらく銀行株も上昇しました。日経平均は大幅に反落しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は+0.4%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+7.9%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下に出ました。3つの要素のうちプラスは2つであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線を下回りました。
NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の下に出ました。NASDAQも、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+1.5ポイントとプラス幅を縮め、日平均が960円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+3.9ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が2500円ほど割高であることを示しています。
日経VIは29.80と前日より低下し、VIXは17.58と前日より上昇しました。日経VIは、投資が不安を強めているとされる目安の20を大きく上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-2.99、米国+0.23と日本が3.22ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+5.8)は2.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.32ポイント(日経平均換算で3600円ほど)割安の状態です。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「中東や南米、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の4~6月期のGDP改定値は前期比年率1.5%増で、速報値の1.5%増と一致しました。また、4~6月期の米企業の決算は、5年ぶりの好決算を記録する見通しです。
米国の経済指標は:
8月のISM非製造業景況指数、7月の製造業受注、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、7月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月のISM製造業景況指数、8月のシカゴ購買部協会景気指数、7月の鉱工業生産指数、6月の耐久財受注、7月の小売売上高は市場予想を下回りました。経済指標6勝6負で、景気・金利の両面で中立です。
米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比16.2万人増で、市場予想の5.3万人増を大幅に上回りました。一方、失業率は4.1%で、前月の4.1%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げペースが上がるという面では弱気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
8月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、7月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数、7月の中古住宅販売仮契約指数、6月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想の+1.7%を上回りました。住宅関連の指標は2勝4負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという面では強気材料です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、7月のFOMCでも政策金利を据え置きましたが、参加者の多くは「インフレ圧力次第では追加の金融引き締めが必要」と評価しています。ECBも、7月の会合では、中銀預金金利を2.25%に据え置きました。日銀も、7月の金融政策決定会合では政策金利を現在の1.0%程度に据え置きましたが、報道では9月・10月利上げを視野に入れているとされています。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが16.78、PBRが1.83となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは10.9%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+18.1%で、こちらは3か月前より8.4ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの下落と歩調を合わせて下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.4%となり、日経平均の割高幅は2050円から910円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+910円~+2050円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、1.94ポイントから1.97ポイントに拡大しました。ドル円相場は円高一服となりました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均も同様に、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。
9月11日の米国市場では、8月の消費者物価指数(CPI)や、9月のミシガン大学消費者信頼感指数のほか、クローガーなどの四半期決算が発表されます。引き続き、長期金利や原油価格の推移も相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを1540円ほど下回り、下値は想定ラインを1340円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ(現在64850円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ(現在63560円近辺)が下値の目安となります。
日経平均は大幅に反落し、9月3日の安値(63772円)をザラ場で下回りました。しばらくは下落基調が続く可能性が高そうです。
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