日経平均の予想: June 2025

Monday, June 30, 2025

[2025/06/30]今後の日経平均の見通し

[市況]

627日、NYDowNASDAQは上昇しました。630日の日経平均先物は、前日比370円高で寄り付くと、午前中は350円高から690円高と上昇幅を拡げ、午後は630円高から170円高と上昇幅を縮めて、結局、260円高で取引を終えました。日経平均の終値は336円高の40487円で、出来高は20.76億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態ですが、買われ過ぎの水準です。

空売り比率は、5日平均を4日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強まりました。

 

627日の米国市場では、5月のPCEデフレーターやミシガン大学消費者信頼感指数確報値がインフレ圧力の鈍化を示す内容だったことから、FRBが年内に利下げに踏み切るとの観測が強まり、株買いをさそいました。米政権が相互関税の猶予期間の延長を示唆していることも好感されました。一方、トランプ大統領がカナダのデジタルサービス税導入に反発し、貿易交渉打ち切りを示唆したことは投資家心理の重石となりました。NYDowは続伸し、NASDAQ5日続伸しました。

630日の日本市場では、FRBの年内利下げ観測を背景に前週末の米株式市場が上昇した流れが引き継がれ、値がさのソフトバンクグループや半導体関連株を中心とした幅広い銘柄に運用リスクをとる動きが先行しました。日経平均の上昇幅は一時700円を超えましたが、午後には上値追いの勢いは一服し、利益確定の売りが相場の上値を抑えました。また、トランプ大統領が改めて日米の自動車貿易に不満を示したと伝わり、自動車株への売りをさそいました。日経平均は5日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+22.0%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+6.7%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-1.5ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が610円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、+3.9ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が1580円ほど割高であることを示しています

 

日経VI24.59と前日より上昇し、VIX16.32と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.8、米国-0.0と日本が4.8ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.69ポイント(日経平均換算で58440円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP確定値は前期比年率0.5%減で、改定値の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

6月の耐久財受注、6月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月の小売売上高、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月の消費者物価指数、4月の製造業受注、5月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のISM製造業景況指数、5月のISM非製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は210負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.9万人増で、市場予想の12.5万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

5月の中古住宅販売仮契約指数、5月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、5月の新築住宅販売件数、6月の住宅市場指数、5月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+3.42%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、6月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER16.01PBR1.45となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-3.7%で、こちらは3か月前より7.0ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.8%となり、日経平均の割高幅は1060円から1050円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+20円~+1060円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.83ポイントから2.86ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

630日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、関税政策や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを190円ほど上回り、下値は想定ラインを520円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+3σ-200円(現在40460円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+2σ-200円(現在39700円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、やや強まりました。日経平均は5日続伸し、20241227日の高値(40398円)を終値で上回りました。テクニカルには買われ過ぎを示すサインも出始めており、目先、一服する可能性が高そうです。



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Saturday, June 28, 2025

[2025/06/29]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、イスラエルとイランの間で停戦が成立したことや、当面の関税リスクの後退で、株価指数は週間で大幅上昇しました。

週間変動率 NYダウ:+3.82%, NASDAQ:+4.25%, S&P500:+3.44%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、米政権の関税政策、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が3.73ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER23.2対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER15.9との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2025年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに3.73ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER39.0程度になる。又は、日経平均が98,510円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は58,360円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、58,360円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは、縮小しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+3.3%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、NYダウが200日線の上を維持できるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+9.1%となりました。3ヶ月前に比べて-0.1%ポイント悪化しています。利益伸び率は-3.7%となりました。3ヶ月前に比べて-10.3%ポイント悪化しています。

  米国の長期金利は低下し、日米間の金利差は2.99から2.85と縮小して、ドル円は146円台から143円台の範囲で円高方向に動きました。ドル・インデックスは週間で-1.54%下落しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+3.3%で、米国は+4.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.1ポイント劣ります。

  6月第3週は買い越しで、6月第4週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①と⑤が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に1.4ポイント(日経平均に勘算すると560円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に3.0ポイント(日経平均に勘算すると1200円程度)割高です。

 

日本市場はNYダウよりは強く、NASDAQより弱い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 16.3と低下しました。 日経 VI は 週間で 23.3と低下しました。米国市場は楽観的で日本市場は疑心暗鬼状態です。

 

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。総合乖離率は+19.8%となり、200日移動平均線乖離率は+5.8%となりました。3つの要因がプラスですので、中期トレンドにも"信号“が点灯しています。

                                                        

NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線・200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。

米国市場は、短期的には"信号”で、中期的にも"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念は増幅しています。また、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などもリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。

日本市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20251月につけた156円をトップに円高方向に転換しています。今週は144円台から141円台が想定されます。

 

今週の米国市場では、米国と主要貿易相手国との通商交渉の動向に注目が集まります。また、パウエルFRB議長を含むトップ政策立案者が経済・金融見通しについて見解を示すと予想されるECB中央銀行フォーラムにも注目する。経済統計では、雇用統計、ISM製造業・サービス業PMI、貿易統計が発表されます。世界的には、中国のPMI、ユーロ圏のインフレ率、ドイツの製造業受注、日銀短観などが注目されます。

 

先週の日経平均は想定範囲内を上振れしました。上値は720円上回り、下値は110円上回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+3σ (現在40200円近辺)で、下値がボリンジャーバンド+1σ(現在38910円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週の日経平均は、しばらく、ボリンジャーバンド+2σの上で推移することが出来そうです。


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Friday, June 27, 2025

[2025/06/27]日経平均の見通し

[市況]

626日、NYDowNASDAQは上昇しました。627日の日経平均先物は、前日比390円高で寄り付くと、午前中は50円高から770円高と上昇幅を拡げ、午後は790円高から560円高の間で上下して、結局、680円高で取引を終えました。日経平均の終値は566円高の40150円で、出来高は22.01億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

626日の米国市場では、中東情勢悪化への警戒感が後退したことや、FRBによる年内利下げ観測の高まりが投資家心理を上向かせ、主力株への買いを支えました。また、AI需要への期待を背景に関連銘柄が引き続き買われたほか、出遅れ感のあった景気敏感株の一角にも買いが入りました。NYDowは反発し、2月下旬以来の高値をつけました。NASDAQ4日続伸し、ザラ場では過去最高値を更新しました。

627日の日本市場では、前日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇した流れが引き継がれ、値がさ株や主力株を中心とした幅広い銘柄に買いが膨らみました。海外短期筋が株価指数先物に断続的に買いを入れ、日経平均を押し上げる形となりました。5月の米個人消費支出(PCE)物価指数を見極めたいとの雰囲気から一方的な上昇には歯止めがかかりましたが、日経平均は4日続伸し、年初来高値を更新しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+19.8%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+5.8%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-1.9ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が760円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+4.0ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均が1610円ほど割高であることを示しています

 

日経VI23.29と前日より上昇し、VIX16.59と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.9、米国-0.2と日本が4.7ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.63ポイント(日経平均換算で54680円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP確定値は前期比年率0.5%減で、改定値の0.2%減を下回りました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

6月の耐久財受注、6月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月の小売売上高、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月の消費者物価指数、4月の製造業受注、5月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のISM製造業景況指数、5月のISM非製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は210負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.9万人増で、市場予想の12.5万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

5月の中古住宅販売仮契約指数、5月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、5月の新築住宅販売件数、6月の住宅市場指数、5月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+3.42%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、6月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.88PBR1.44となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-4.2%で、こちらは3か月前より6.6ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.8%となり、日経平均の割高幅は750円から1060円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-180円~+1060円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.87ポイントから2.83ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

627日の米国市場では、5月の個人所得や個人消費支出(PCE)、5月のPCEデフレーターなどが注目されるでしょう。引き続き、中東情勢や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを70円ほど上回り、下値は想定ラインを600円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+3σ(現在40200円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+2σ-100円(現在39450円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は4日続伸し、年初来高値を更新しました。引き続き、20241227日の高値(40398円)を超えられるかどうかが、次の注目点です。



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Thursday, June 26, 2025

[2025/06/26]今週の日経平均の見通し

[市況]

625日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました。626日の日経平均先物は、前日比80円高で寄り付くと、午前中は50円高から440円高と上昇幅を拡げ、午後は340円高から650円高と上昇幅を拡げて、結局、570円高で取引を終えました。日経平均の終値は642円高の39584円で、出来高は18.30億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱い状態です。

 

625日の米国市場では、中東情勢の緊張緩和への期待から前日に主要な株価指数がそろって大幅上昇したとあって、利益確定の売りや持ち高調整の売りが広がりました。一方、アナリストが目標株価を引き上げたエヌビディアが大幅高となり、他のハイテク株にも買いが波及しました。結局、NYDow4営業日ぶりに反落し、NASDAQ3日続伸しました。

626日の日本市場では、前日の米ハイテク株高を受けて半導体関連株やAI関連株が買われ、相場を押し上げました。日経平均が節目の39000円を明確に上抜けると海外勢による株価指数先物への買いに弾みがつき、午後も上昇幅を拡げる展開となりました。日経平均は大幅に3日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+15.8%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+4.3%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-2.5ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が990円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+3.4ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均が1350円ほど割高であることを示しています

 

日経VI23.12と前日より低下し、VIX16.76と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.9、米国-0.1と日本が4.8ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.71ポイント(日経平均換算で55980円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率0.2%減で、速報値の0.3%減を上回りました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

6月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月の小売売上高、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月の消費者物価指数、4月の製造業受注、5月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のISM製造業景況指数、5月のISM非製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は210負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.9万人増で、市場予想の12.5万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

5月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、5月の新築住宅販売件数、6月の住宅市場指数、5月の住宅着工件数、4月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+3.42%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は15負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、6月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.78PBR1.43となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-4.0%で、こちらは3か月前より6.8ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.0%となり、日経平均の割高幅は20円から750円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-180円~+750円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.89ポイントから2.87ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

626日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、5月の耐久財受注、5月の中古住宅販売仮契約指数のほか、マコーミックやナイキなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、中東情勢や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを170円ほど上回り、下値は想定ラインを460円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+3σ(現在39810円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+2σ-300円(現在38950円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、かなり弱い状態です。日経平均はボリンジャーバンド+2σを上回りました。20241227日の高値(40398円)を超えられるかどうかが、次の注目点となりました。



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Wednesday, June 25, 2025

[2025/06/25]今週の日経平均の見通し

[市況]

624日、NYDowNASDAQは上昇しました。625日の日経平均先物は、前日比110円安で寄り付くと、午前中は90円高から140円安の間で上下し、午後は90円安から120円高と上昇幅を拡げて、結局、120円高で取引を終えました。日経平均の終値は151円高の38942円で、出来高は15.83億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

624日の米国市場では、イスラエルとイランの停戦合意が遵守されるか世界中が見守るなか、トランプ大統領がイラン攻撃をやめるようイスラエルを説得し、イスラエルも要請に従ったと伝わり、中東情勢安定化への期待感から買いが優勢となりました。ホルムズ海峡封鎖リスクが後退し、原油相場が下落したことも追い風となりました。NYDowNASDAQは続伸しました。

625日の日本市場では、中東情勢の緊張緩和を受けて上昇した翌日とあって利益確定の売りや戻り待ちの売りが出やすいなか、前日の米ハイテク株高を手がかりに値がさの半導体関連株が買われ、相場を押し上げました。外国為替市場で円高ドル安が一服したことも支えとなりました。日経平均は続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+11.1%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+2.7%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線と25日線の上にあり、200日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドも黄信号から青信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-3.8ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1480円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+1.6ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が620円ほど割高であることを示しています

 

日経VI23.29と前日より低下し、VIX17.48と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.0、米国-0.1と日本が4.9ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.81ポイント(日経平均換算で56980円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率0.2%減で、速報値の0.3%減を上回りました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

6月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月の小売売上高、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月の消費者物価指数、4月の製造業受注、5月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のISM製造業景況指数、5月のISM非製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は210負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.9万人増で、市場予想の12.5万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

5月の中古住宅販売件数、3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、5月の住宅着工件数、4月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+3.42%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です。

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、6月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.58PBR1.42となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-4.0%で、こちらは3か月前より7.1ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.1%となり、日経平均の割高幅は320円から20円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-180円~+550円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.91ポイントから2.89ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高傾向ですが、きょうの午後は円高一服となりました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

625日の米国市場では、5月の新築住宅販売件数のほか、マイクロン・テクノロジーなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、中東情勢や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを230円ほど下回り、下値は想定ラインを360円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ+200円(現在39270円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-100円(現在38450円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は続伸しました。中東情勢に変化がなければ、当面、ボリンジャーバンド+2σに沿った動きが期待できそうです。



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