日経平均の予想: August 2024

Saturday, August 31, 2024

[2024/9/1]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、FRBの利下げ観測で、景気敏感株が買われた一方、半導体関連株が売られて、週間で株価指数はまちまちでした。

週間変動率 NYダウ:+0.94%, NASDAQ:-0.92%, S&P500:+0.24%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が4.00ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER23.1対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER15.8との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

これは、現在の日経平均の価格に対して、2022年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに4.00ポイント拡大するか(日本が下方修正又は米国が上方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER43.1度になるか、又は、日経平均が105,260円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は66,610円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、66,610円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは拡大しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+2.9%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の中に在ります。今週は、NYダウが25日線の上を維持できるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+8.8%となりました。3ヶ月前に比べて0.1ポイント悪化しました。また、利益伸び率は+2.3%となりました。3ヶ月前に比べて1.8%ポイント改善しています。

  米国の長期金利は上昇し、日米間の金利差は2.92から3.02と縮小して、ドル円は143円台から146円台の範囲で円安方向に動きました。ドル・インデックスは週間で+1.05%上昇しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+2.9%で、米国は+3.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.0ポイント劣ります。

  8月第3週は売り超しで、8月第4週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、③が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に5.3ポイント(日経平均に勘算すると2050円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に4.0ポイント(日経平均に勘算する1550円程度)割安です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQに対しては弱い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 15.0 と低下しました。 日経 VI は 週間で 21.3と低下しました。米国市場は楽観的で日本市場はボラタイルです。

 

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は、一目均衡表の雲の下に在ります。日経平均の総合乖離率は+7.5%となり、また、200日移動平均線との乖離率は+3.4%でした。 2つの要素がプラスですので、中期トレンドには、"黄信号"が点灯しています。

                                                        

米国市場では、NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

NASDAQは、25日線が200日線の上にありますが、9日線の下にあります。また、一目均衡表の雲の中に在ります。

短期的には"信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念が意識されています。また、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などがリスク要因として存在します。

 

直近のLIBOR金利は上昇傾向で、引き続き金融不安再燃に注意が必要です。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみあいで、短期は上昇トレンドです。

日本市場は中期もみあいで、短期は上昇トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20246月につけた162円台をピークに円高方向に転換しています。今週は145円から148円が想定されます。

 

今週の米国市場では、8月の雇用統計が注目されます。さらに、8月のISM製造業景況指数、7月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数、8月のISM非製造業景況指数などが発表されます。世界的には、中国のPMI、カナダの政策金利、ユーロ圏の小売売上高、GDPなどが発表されます。

 

先週の日経平均は、想定レンジ内で推移しました。上値は想定を1950円ほど下回り、下値は想定ラインを600円ほど上回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+2σ(現在40630円近辺)で、下値が25日線(現在37120円近辺)の間での動きが想定されます。

 

今週は、発表される経済指標が市場が期待するソフトランディング・シナリオに変化を及ぼすかどうかを見定める週となりそうです。日経平均は米市場の株価指数と為替の動きから、上昇傾向が続くことが期待できそうです。


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Friday, August 30, 2024

[2023/08/30]今後の日経平均の見通し

[市況]

829日、NYDowは上昇し、NASDAQは下落しました。830日の日経平均先物は、前日比50円高で寄り付くと、午前中は30円安から290円高と上昇幅を拡げ、午後は70円高から400円高と上昇幅を拡げて、結局、360円高で取引を終えました。日経平均の終値は285円高の38647円で、出来高は20.05億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

829日の米国市場では、46月期のGDP改定値が速報値から上方修正されたことや、週間の新規失業保険申請件数が前週より減少したことが、米経済が底堅さを保っているとの見方を支持する形となり、景気敏感株などに買いが向かいました。決算発表後のエヌビディアは6%あまり下げたものの、AI需要への期待感は根強く、他のハイテク株には物色が向かいました。結局、NYDowは反発し、NASDAQは続落しました。

830日の日本市場では、値がさの半導体関連株が売られて相場全体を押し下げる場面もありましたが、後場の中ごろからは海外短期筋が株価指数先物に断続的に買いを入れ、指数を押し上げました。月末最終日とあって、機関投資家の持ち高調整の買いも入ったようです。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+7.5%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+3.4%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-4.2ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1620円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は-3.5ポイントで、日経平均が1350円ほど割安であることを示しています

 

日経VI21.01と前日より低下し、VIX15.65と前日より低下しました。日経VIは依然として、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.4、米国-0.5と日本が4.9ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+3.9)1.0ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.98ポイント(日経平均換算で66100円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP改定値は前期比年率3.0%増で、速報値の2.8%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、7月の耐久財受注、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の小売売上高、7月のISM非製造業景況指数、7月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。一方、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、7月の鉱工業生産指数、7月の消費者物価指数、6月の製造業受注、7月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げが遅れるという面では弱気材料です

 

米国の7月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.4万人増で、市場予想の17.5万人増を下回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げ次期が早まるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

7月の新築住宅販売件数、7月の中古住宅販売件数、6月の中古住宅販売仮契約指数は予想を上回りました。一方、7月の住宅着工件数、8月の住宅市場指数は予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+6.5%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利下げ次期が遅れるという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

市場は、FRB2024年内に複数回の利下げをおこなう可能性を意識しており、9月利下げ開始への期待を高めています。ECBは、利下げを開始しましたが、追加の利下げには慎重な姿勢を示しています。一方、日銀は、2%のインフレ目標を達成できる見通しがついたとして、利上げに踏み切りました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、今年に入り上昇を続けています。直近では823 5.3422% 827 5.3235% 828 5.3187%と、ここ5年の最高値圏で推移しています。なお、202199日の0.1141%が直近の最低金利で、20231010日に記録した5.6873%がここ5年間の最高金利です。米国債金利と比べ、金融不安を示唆するレベルまで上昇していますが、直近ピークアウトしています。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.84PBR1.39となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+2.4%で、こちらは3か月前より1.8ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+3.7%となり、日経平均の割高幅は1360円から1350円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+1220円~+1360円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.95ポイントから2.99ポイントに拡大しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。欧米の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。不動産企業の破綻と地方政府の財政問題が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、景気が減速ぎみに推移しており、FRBが利下げに転換する時期を探る動きとなっています。対ドルで円安が進みにくい状況です。尚、ECBは利下げに踏み出しています

 

830日の米国市場では、7月の個人所得、7月の個人消費支出、7月のPCE価格指数、8月のミシガン大学消費者信頼感指数などが注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを310円ほど下回り、下値は想定ラインを390円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在38980円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-500円(現在38380円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

日経VIは、以前として高水準にありますが、前日比で低下しました。また、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は、75日線にほぼ到達しました。ここで跳ね返されるか、あるいは大きく上回れるか、正念場を迎えています。



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Thursday, August 29, 2024

[2023/08/29]今後の日経平均の見通し

[市況]

828日、NYDowNASDAQは下落しました。829日の日経平均先物は、前日比400円安で寄り付くと、午前中は420円安から70円安と下落幅を縮め、午後は30円高から100円安の間でもみあって、結局、20円安で取引を終えました。日経平均の終値は9円安の38362円で、出来高は16.03億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

828日の米国市場では、エヌビディアの決算発表を間近に控えて投資家の慎重姿勢が強まり、ハイテク株を中心に持ち高調整の売りが膨らみました。また、足元の株高を受けて、主力株に利益確定の売りが出ました。一方でディフェンシブ株には資金が向かい、相場を下支えしました。NYDow4営業日ぶりに反落し、NASDAQも反落しました。

829日の日本市場では、決算発表後にエヌビディア株が時間外取引で急落したことが重石となり、値がさの半導体関連株に売りがかさみました。ただ、売り一巡後は主力株に押し目買いが入り、指数は下げ幅を縮めました。ディフェンシブ株や保険株が物色されたほか、朝方に売られたアドバンテストが買い直されるなどして、日経平均は上昇に転じる場面もありましたが、結局は3日ぶりに小幅に反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+5.5%と前日比横ばいで、200日線との乖離率は+2.8%とプラス幅をやや縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-5.1ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1960円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-3.5ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1340円ほど割安であることを示しています

 

日経VI22.65と前日より低下し、VIX17.11と前日より上昇しました。日経VIは依然として、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.5、米国-0.5と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+3.9)1.0ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.00ポイント(日経平均換算で64710円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP速報値は前期比年率2.8%増で、市場予想の2.1%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、7月の耐久財受注、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の小売売上高、7月のISM非製造業景況指数、7月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。一方、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、7月の鉱工業生産指数、7月の消費者物価指数、6月の製造業受注、7月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げが遅れるという面では弱気材料です

 

米国の7月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.4万人増で、市場予想の17.5万人増を下回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げ次期が早まるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

7月の新築住宅販売件数、7月の中古住宅販売件数、6月の中古住宅販売仮契約指数は予想を上回りました。一方、7月の住宅着工件数、8月の住宅市場指数は予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+6.5%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利下げ次期が遅れるという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

市場は、FRB2024年内に複数回の利下げをおこなう可能性を意識しており、9月利下げ開始への期待を高めています。ECBは、利下げを開始しましたが、追加の利下げには慎重な姿勢を示しています。一方、日銀は、2%のインフレ目標を達成できる見通しがついたとして、利上げに踏み切りました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、今年に入り上昇を続けています。直近では822 5.3329% 823 5.3422% 827 5.3235%と、ここ5年の最高値圏で推移しています。なお、202199日の0.1141%が直近の最低金利で、20231010日に記録した5.6873%がここ5年間の最高金利です。米国債金利と比べ、金融不安を示唆するレベルまで上昇していますが、直近ピークアウトしています。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.71PBR1.38となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+2.5%で、こちらは3か月前より1.4ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+3.8%となり、日経平均の割高幅は1350円から1360円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+1220円~+1670円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.94ポイントから2.95ポイントに拡大しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。欧米の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。不動産企業の破綻と地方政府の財政問題が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、景気が減速ぎみに推移しており、FRBが利下げに転換する時期を探る動きとなっています。対ドルで円安が進みにくい状況です。尚、ECBは利下げに踏み出しています

 

829日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、7月の中古住宅販売仮契約指数のほか、ダラー・ゼネラル、ベストバイ、キャンベルスープ、ルルレモン・アスレティカ、オートデスクなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを520円ほど下回り、下値は想定ラインを80円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在38930円近辺)が上値の目安に、25日線+800円(現在37890円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

日経VIは、以前として高水準にありますが、前日比で低下しました。一方、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は方向感に乏しい状態が続いています。引き続き、75日線(現在38646円)で跳ね返されるか、あるいは大きく上回れるかどうかが注目点です。



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Wednesday, August 28, 2024

[2023/08/28]今後の日経平均の見通し

[市況]

827日、NYDowNASDAQは小幅上昇しました。828日の日経平均先物は、前日比160円安で寄り付くと、午前中は170円安から20円高の間で上下し、午後は170円安から70円高と上昇幅を拡げて、結局、70円高で取引を終えました。日経平均の終値は83円高の38371円で、出来高は13.73億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

827日の米国市場では、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことが、米景気は底堅いとの見方を支え、株買いをさそいました。ただ、短期的な過熱感を意識した売りも出て、相場の上値は限定的でした。エヌビディアの決算発表を控えて様子見ムードも強く、積極的な買いが控えられた面もありました。NYDowは小幅に3日続伸し、NASDAQも反発しました。

828日の日本市場では、外国為替市場の円高基調が重石となり、さえない相場展開が続きました。エヌビディアの決算発表後の相場変動が警戒され、持ち高調整の売りも出やすかったようです。ただ、主力株の一角には買いが入り、日経平均をプラス圏に押し上げました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+5.5%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+2.9%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-6.4ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2460円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-3.9ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1500円ほど割安であることを示しています

 

日経VI23.13と前日より低下し、VIX15.43と前日より低下しました。日経VIは依然として、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.5、米国-0.5と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+3.9)1.0ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.01ポイント(日経平均換算で64640円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP速報値は前期比年率2.8%増で、市場予想の2.1%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、7月の耐久財受注、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の小売売上高、7月のISM非製造業景況指数、7月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。一方、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、7月の鉱工業生産指数、7月の消費者物価指数、6月の製造業受注、7月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げが遅れるという面では弱気材料です

 

米国の7月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.4万人増で、市場予想の17.5万人増を下回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げ次期が早まるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

7月の新築住宅販売件数、7月の中古住宅販売件数、6月の中古住宅販売仮契約指数は予想を上回りました。一方、7月の住宅着工件数、8月の住宅市場指数は予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+6.5%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利下げ次期が遅れるという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

市場は、FRB2024年内に複数回の利下げをおこなう可能性を意識しており、9月利下げ開始への期待を高めています。ECBは、利下げを開始しましたが、追加の利下げには慎重な姿勢を示しています。一方、日銀は、2%のインフレ目標を達成できる見通しがついたとして、利上げに踏み切りました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、今年に入り上昇を続けています。直近では821 5.3633% 822 5.3329% 823 5.3422%と、ここ5年の最高値圏で推移しています。なお、202199日の0.1141%が直近の最低金利で、20231010日に記録した5.6873%がここ5年間の最高金利です。米国債金利と比べ、金融不安を示唆するレベルまで上昇していますが、直近ピークアウトしています。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.65PBR1.37となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+2.4%で、こちらは3か月前より1.5ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+3.8%となり、日経平均の割高幅は1230円から1350円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+1220円~+1670円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.96ポイントから2.94ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均も、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。欧米の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。不動産企業の破綻と地方政府の財政問題が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、景気が減速ぎみに推移しており、FRBが利下げに転換する時期を探る動きとなっています。対ドルで円安が進みにくい状況です。尚、ECBは利下げに踏み出しています

 

828日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。エヌビディア、セールスフォース・ドットコム、HP、クラウド・ストライクなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを490円ほど下回り、下値は想定ラインを520円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在38990円近辺)が上値の目安に、25日線+800円(現在37930円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

日経VIは、以前として高水準にありますが、前日比で低下しました。また、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は小幅に続伸しました。引き続き、75日線(現在38646円)で跳ね返されるか、あるいは大きく上回れるかどうかが注目点です。



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Tuesday, August 27, 2024

[2023/08/27]今後の日経平均の見通し

[市況]

826日、NYDowは上昇し、NASDAQは下落しました。827日の日経平均先物は、前日比140円安で寄り付くと、午前中は150円安から80円高と上昇に転じ、午後は10円高から300円高と上昇幅を拡げて、結局、260円高で取引を終えました。日経平均の終値は178円高の38288円で、出来高は13.38億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱まりました。

 

826日の米国市場では、FRB9月にも利下げを開始するとの観測が投資家心理を支え、景気敏感株や消費関連株の一角に買いが向かいました。ただ、利益確定の売りや戻り待ちの売りも出て、相場の上値は限定的でした。また、週内に控えているエヌビディアの決算発表が意識され、半導体株やハイテク株には持ち高調整の売りが出ました。結局、NYDowは続伸し、717日以来となる最高値を更新しましたが、NASDAQは反落しました。

827日の日本市場では、前日の米ハイテク株安が重石となり、半導体関連株が売られました。一方、円相場が円安ドル高に振れたことから、輸出関連株には買い戻しが入りました。米エヌビディアの決算発表を前に様子見ムードも強く、商いは低調でした。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+4.8%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+2.7%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-6.5ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2490円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-4.2ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1610円ほど割安であることを示しています

 

日経VI23.42と前日より低下し、VIX16.15と前日より上昇しました。日経VIは依然として、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.6、米国-0.5と日本が5.1ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+3.9)1.0ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.06ポイント(日経平均換算で65840円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP速報値は前期比年率2.8%増で、市場予想の2.1%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

7月の耐久財受注、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の小売売上高、7月のISM非製造業景況指数、7月のシカゴ購買部協会景気指数、7月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、7月の鉱工業生産指数、7月の消費者物価指数、6月の製造業受注、7月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げが遅れるという面では弱気材料です

 

米国の7月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.4万人増で、市場予想の17.5万人増を下回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げ次期が早まるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

7月の新築住宅販売件数、7月の中古住宅販売件数、6月の中古住宅販売仮契約指数は予想を上回りました。一方、7月の住宅着工件数、8月の住宅市場指数は予想を下回りました。5月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+6.8%で、市場予想と一致しました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利下げ次期が遅れるという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

市場は、FRB2024年内に複数回の利下げをおこなう可能性を意識しており、9月利下げ開始への期待を高めています。ECBは、利下げを開始しましたが、追加の利下げには慎重な姿勢を示しています。一方、日銀は、2%のインフレ目標を達成できる見通しがついたとして、利上げに踏み切りました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、今年に入り上昇を続けています。直近では821 5.3633% 822 5.3329% 823 5.3422%と、ここ5年の最高値圏で推移しています。なお、202199日の0.1141%が直近の最低金利で、20231010日に記録した5.6873%がここ5年間の最高金利です。米国債金利と比べ、金融不安を示唆するレベルまで上昇していますが、直近ピークアウトしています。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.58PBR1.37となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+2.5%で、こちらは3か月前より2.1ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+3.4%となり、日経平均の割高幅は1270円から1230円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+1220円~+1670円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.90ポイントから2.96ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均も、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。欧米の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。不動産企業の破綻と地方政府の財政問題が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、景気が減速ぎみに推移しており、FRBが利下げに転換する時期を探る動きとなっています。対ドルで円安が進みにくい状況です。尚、ECBは利下げに踏み出しています

 

827日の米国市場では、6月のS&Pコアロジック/ケース・シラー住宅価格指数や、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数などが注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを420円ほど下回り、下値は想定ラインを340円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ(現在38990円近辺)が上値の目安に、25日線+500円(現在37770円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

日経VIは、以前として高水準にありますが、前日比で低下しました。また、信用の売り圧力は、かなり弱まりました。日経平均は反発しました。引き続き、75日線(現在38644円)で跳ね返されるか、あるいは大きく上回れるかどうが注目点です。



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