日経平均の予想: [2022/10/16]今週の日経平均の見通し

Saturday, October 15, 2022

[2022/10/16]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタルの現状認識]

先週の米国市場では、長期金利の上下に過剰反応して株価が乱高下し、株価指数は週間ではまちまちな動きとなりました。

週間変動率 NYダウ:+1.15% NASAQ:-3.11% S&P500:-1.55%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、サプライチェーン混乱の長期化による世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、改定された2023年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が4.28ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER16.4に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER12.6との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

これは、現在の日経平均の価格に対して、2022年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに4.28ポイント拡大するか(日本が下方修正又は米国が上方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER27.3程度になるか、又は、日経平均が58670円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は31580円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、31580円分魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは拡大しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2023GDP予測値(現在+3.5%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。NASDAQの週足は陰線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。今週は、NYDow9日線の上に戻れるか否かに注目したいと思います。

  四半期決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は9.2%となりました。3ヶ月前に比べて0.2ポイント改善しています。また、利益伸び率は+4.8%3ヶ月前に比べて4.6%ポイント改善しています。

  米国の長期金利は上昇し、日米間の金利差は3.64から3.78と拡大して、ドル円は145円から148円の範囲で円安方向に動きました。ドル・インデックスは週間で+0.49%上昇しました。

  OECDの日米の2023年の名目GDP伸び率は、日本が+3.54%で、米国は+4.88%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.34ポイント劣ります。

  101週は買い越しでした。102週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①と③が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に16.9ポイント(日経平均に勘算すると4580円程度)割高です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に9.1ポイント(日経平均に勘算する2470円程度)割高です。

 

週間では米国市場に対する日本市場の強さは増大しました。米国市場のボラティリティーを示す、VIXやや上昇し、32.0投資家の強い不安心理示す30を上回っています。

 

日経平均は、9日線の上にありますが、25日線の下にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は、一目均衡表の雲の下に在ります。総合乖離率は-2.2%となり先週と比較しマイナス幅が縮小しました。 200日移動平均線との乖離率は-0.6%で、マイナス幅が縮小しました。3つの要素がマイナスですので、中期トレンドには、"赤信号"が点灯しています。

 

米国市場では、NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。

短期的には赤信号で、中期的にも赤信号が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界経済減速懸念は後退しているものの、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇とEU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東や東アジアの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

 

直近のLIBOR金利は上昇傾向で、引き続き注意が必要です。20203月にも、短期金利が低下しているにも関わらずLIBOR金利は上昇したことから、金融不安再燃の可能性が意識されていました。

 

一方、好材料としては日銀による金融緩和政策の維持が挙げられます

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期下落トレンドで、短期も下落トレンドです。日本市場も中期下降トレンドで、短期はもみあいです。

 

為替市場を分析すると、2020年は、ゆるやかに円高方向に動いていましたが、2021年から円安トレンドが続いています。今週は144円台から149円台が想定されます。

 

今週、米国では、決算報告、複数のFRB当局者による講演、住宅関連データなどが主な注目イベントとなります。また、英国では減税に向けた政府の方針転換を受け、投資家は金融市場を注視することになりそうです。中国では、第20回中国共産党全国代表大会が開催され、第3四半期のGDP成長率、鉱工業生産、小売売上高が発表される予定です。また、英国、日本、カナダ、ニュージーランドのインフレ率データの発表も予定されています。

 

先週の日経平均は、想定レンジを下振れしました。上値は想定ラインを720円ほど下回り、下値は想定ラインを170円ほど下回りました。今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+1σ(現在27900円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-1σ(現在26390円近辺)の間での動きが想定されます。

 

先週の米国の株価指数は乱高下して、まちまちな動きとなっています。ボラティリティーは高レベルで週間ではやや上昇しました。今週の日経平均は2番底からのリバウンドが継続できるか試される週となりそうです。


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