日経平均の予想: [2010/09/28]日経平均の今後の見通し

Tuesday, September 28, 2010

[2010/09/28]日経平均の今後の見通し

[市況]
27日のNYDowとNASDAQは下落しました。28日の日経平均先物は、前日比20円安で寄り付きました。後場の中頃までは小動きながら、一時20円高まで上昇する場面もありましたが、引けにかけて下落し、最終的に50円安で終わりました。日経平均は107円安で引け、出来高は13.7億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、140万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態ですがピークアウト感あります。
27日の米国市場では、ムーディーズがアイルランド大手銀アングロ・アイリッシュ銀行の長期債務格付けを3段階引き下げたと発表したことで、欧州銀の財務の健全性懸念から、欧州銀の株式や米金融株に売りが出て、相場の重荷になりました。一方、M&A関連のニュースが相次ぎ、企業が事業拡大に積極的になっているとの見方が相場を支えました。NYDowは午後に10ドルほど上昇する場面がありましたが、引け前に再度下げに転じました。
28日の日本市場では、欧米市場の金融株の軟調推移を受けて、日経平均も63円前後とみられる配当権利落ち分を埋め切れず売り先行の展開となりました。その後は、明日に日銀短観の発表を控え膠着感を強める動きとなりましたが、後場中頃に先物の大口売りをきっかけに一段安となりました。ただ、売買代金は9月9日以来の1兆円割れと閑散相場でした。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の上に在りますが、9日を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変りました。総合乖離率は-2.5%とマイナス転換しました。200日線との乖離率は-5.8%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の中に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点燈しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、9日線、25日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が9.6ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は0.5ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ0.7ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2010年の実質GDP成長率見通しを下方修正し、米国の4-6月期のGDPは縮小ぎみです。一方、4-6月期決算発表内容は概ね好調でしたが、7-9月期は鈍化するとの見方が出ています。経済指標では、消費者信頼感指数が3ヶ月ぶりに改善し、8月の小売売上高、8月のISM製造業景況感指数、などは市場予想を上回りましたが、8月の耐久財受注、9月の連銀景気指数、8月の鉱工業生産指数、8月のISM非製造業景況感指数は予想以下となりました。8月の失業率は9.6%と増加したものの、雇用者数が事前予想以上となりました。一方、住宅関連では、8月の米中古住宅販売件数、7月の米仮契約住宅販売指数は予想以上でしたが、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。6月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は+0.3%で予想を上回りましたが先月(+0.5%)より伸びは縮まりました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月は改善傾向が続いています。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州の銀行による金融不安は落ち着いたようです。しかし、根本的な解決には時間が掛かりそうです。G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきました。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は09月23日 0.2894% → 09月24日 0.2894% → 09月27日 0.2894%と下げ止まり傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は27日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.87ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが16.0、PBRが1.11、ROEが6.9%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の下落に連動した動きでした。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.6%となり、日経平均は60円の割安で、割安幅が拡がりました。プレミアム値は、ここ1週間、-110円 ~ +90の間で推移しています。日本市場は、円高安推移で、ドルベースでは米国市場より弱い動きが続いています。今夜の米国市場は、7月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数や9月のコンファレンスボード消費者信頼感指数の発表が注目されそうです。9月に入り発表された、米国の経済指標は予想以上のものが多く、米国市場は、短期・中期とも上昇トレンドにあります。ただ、テクニカル指標から、目先は買われ過ぎ圏ですので、利食い売りが出やすい状況で、高値圏での揉み合いが続きそうです。日本市場は為替次第の展開が続いていますが、一目均衡表の雲の上には出ることがなかなかできません。雲を抜けなければ、上昇トレンド入りとは云えません。


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