[市況]
10日のNYDowとNASDAQは上昇しました。13日の日経平均先物は、前日比120円高で寄り付きました。前場は170円高まで上昇した後80円高まで上げ幅を縮める動きでした。後場は120円高近辺の狭い範囲の動きから引けにかけて軟調な展開となり、最終的に80円高で終わりました。日経平均は82円高で引け、出来高は14.5億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、430万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
10日の米国市場では、7月の卸売在庫が市場予想以上に増えたため、7-9月期の経済成長率が予想より高くなるとの見方が出て買いが優勢になりました。8月の中国の輸入の伸びが高水準だったことで、中国の景気が堅調との見方が広がったことや、原油の上昇でエネルギー株が買われたことも支援材料となりました。
13日の日本市場では、米国市場高やの円安推移などから、朝方は買い先行となりました。日経平均は一時9400円手前まで上昇しました。ただ、買い一巡後は、円高反転で上値の重い展開になりました。後場に入り、アジア株の堅調な展開から戻りを試す動きとなりましたが、前場の高値は抜くことが出来ず、大引けにかけては円高推移から伸び悩み、本日の安値圏で取引を終えました。
[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は-7.1%とマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-7.5%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の下に在りますが、9日線、25日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.0ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は0.7ポイント縮まりました。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ0.5ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2010年の実質GDP成長率見通しを下方修正し、米国の4-6月期のGDPは縮小ぎみです。一方、4-6月期決算発表内容は概ね好調でしたが、7-9月期は鈍化するとの見方が出ています。経済指標では、消費者信頼感指数が3ヶ月ぶりに改善し、8月のISM製造業景況感指数、7月の鉱工業生産指数、7月の小売売上高、などは市場予想を上回りましたが、8月のISM非製造業景況感指数、7月の耐久財受注、7月の景気先行指数、8月のニューヨーク連銀景気指数、7月の既存店売上高、は予想以下となりました。8月の失業率は9.6%と増加したものの、雇用者数が事前予想以上となりました。一方、住宅関連では、7月の米仮契約住宅販売指数は予想以上でしたが、7月の新築住宅販売件数、7月の中古住宅販売件数が市場予想を大きく下回りました。6月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は+0.3%で予想を上回りましたが先月(+0.5%)より伸びは縮まりました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月に入り改善傾向が続いています。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州の銀行による金融不安は落ち着いたようです。しかし、根本的な解決には時間が掛かりそうです。G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきました。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は09月08日 0.2925% → 09月09日 0.2925% → 09月10日 0.2922%と低下しました。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は10日、前日比同値でした。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.91ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが16.0、PBRが1.10、ROEが6.9%となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、米国市場に連動して上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.0%となり、日経平均は90円の割高で、割高幅は拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、-80円 ~ +180の間で推移しています。日本市場は、ドルベースでは米国市場より強い動きです。今日の日本市場は円高ぎみの推移ながら、強い動きとなりました。今夜の米国市場は、8月の財政収支の発表が注目されそうです。米国市場の次の注目点は、引き続き、200日線を大きく上回れるか否かです。日経平均は9月7日の9311円を上回ってきました。9月に入り発表された、米国の経済指標は予想以上の物が多く、米国市場の短期上昇トレンドも、まだ崩れていません。相場の過熱感もまだ、それほどではありませんので、日経平均は、ボリンジャーバンド+2σの9470円近辺まで上昇する余地がありそうです。ただ、ここ数日NYDowに比べて上げ過ぎの面がありますのでで、米国市場が一服した場合には注意が必要です。
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