[市況]
24日の、NYDowとNASDAQは下落しました。25日の日経平均先物は、前日比70円安で寄り付きました。前場は徐々に下げ幅を縮める展開となり、後場寄り後に20円安まで買い戻されましたが、その後売り直され売られる動きとなり、一時180円安となる場面もありましたが、終的に140円安で終わりました。日経平均は149円安で引け、出来高は17.8億株と増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、1110万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
24日の米国市場では、7月の中古住宅販売件数が前月比27.2%減の383万戸と460万戸程度だった市場予想を大幅に下回ったことで下げが加速し、NYDowは一時10000ドルを割り込む場面がありました。終値は133ドル安の10040ドル。
25日の日本市場では、米国市場安や円高を嫌気して寄り付きから売りが先行しました。その後は、金融政策への思惑が売り圧力を一時弱めましたが、後場に入って首相や財務相などの3者会議の内容が伝わると、改めて政策対応の遅れが意識され、下げ幅を広げる展開となりました。
[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-26.5%とマイナス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-12.6%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲を下回りました。NASDAQは、200日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号から赤信号に変りました。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.0ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は0.1ポイント縮まりました。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ0.01ポイント割安で、ほぼ均衡しています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2010年の実質GDP成長率見通しを下方修正し、米国の4-6月期のGDPは縮小ぎみです。一方、4-6月期決算発表内容は概ね好調でしたが、7-9月期は鈍化するとの見方が出てきました。経済指標では、7月の鉱工業生産指数、7月の小売売上高、7月のISM製造・非製造業景況感指数などは市場予想を上回りましたが、7月の景気先行指数、8月のニューヨーク連銀景気指数、7月の既存店売上高、6月の耐久財受注、は予想以下となりました。7月の失業率は9.5%と変わらないものの、雇用者数が事前予想以下となりました。一方、住宅関連では、6月の新築住宅販売件数は予想以上でしたが、7月の中古住宅販売件数が市場予想を大きく下回り、6月の住宅着工件数が予想以下となりました。5月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は+0.5%で予想を上回りました。7月の景気指標と住宅関連指標はやや改善しましたが、8月はやや弱い内容です。中国の景気減速懸念も出てきました。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいますが、ストレステスト通過により、欧州の銀行による金融不安はひとまず落ち着いたようです。しかし、根本的な解決には時間が掛かりそうです。G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきました。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は08月20日 0.3292% → 08月23日 0.3175% → 08月24日 0.3075%と低下傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回りました。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は24日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.71ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.2、PBRが1.05、ROEが6.9%となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の下落に連動して下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.3%となり、日経平均は30円の割安で、割安幅は縮まりました。プレミアム値は、ここ1週間、-130円 ~ +130の間で推移しています。日本市場は、円高の割に、米国市場より弱い動きが、やや改善しました。今夜の米国市場は、7月の耐久財受注、7月の新築住宅販売件数が注目されそうです。米国市場は景気減速懸念が引き続き意識され下落しました。NYDowとNasdaqの両方が一目均衡表の雲の下に抜け、中・長期的にも下降トレンド入りを確認しました。日本市場は、今日も政府と日銀による円高阻止の具体策を催促する動きと思われます。日米ともテクニカル・トレンドからは弱含みの展開が予想されます。一方、日経平均のボリンジャーバンドは-2.0σに到達し、騰落レシオは82%、25日線乖離率は5.8%、サイコロは25%となっていますので、騰落レシオ以外は、何時上昇に転じても可笑しくないレベルとなりました。ただ、出来高は増えたものの、まだ底値に到達感はありません。米国市場はもう少し下げ幅が必要なようです。リバウンドを確実にする為には、出来高を伴った一段下げが欲しいところですが、日米とも、目先のリバウンドは近そうです。
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