[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、EU首脳会議でギリシャ支援が表明されたことで、反発しましたが、中国の利上げもあり、勢いは良くありません。一方、中長期的には、米国を中心とする先進国の消費や雇用はゆるやかに改善しているものの、EU加盟国の財政問題や個人ローンの不良債権化と商業用不動産価格の下げによる信用収縮傾向が、今後も景気の足を引っ張る原因となる可能性が残っています。
そのような環境の中、今週は、2月の製造業景気指数や、1月の住宅着工件数、1月の景気先行指数などが注目されそうです。
2010年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は日本市場が3.0ポイント割高となっています。日本市場は米国市場に比べ企業利益の低迷が割高の原因です。日経平均のPERは30.8で、S&P500のPERの13.6と比べると、企業のファンダメンタルに大きな差が有ります。長期金利差でこれを埋める形ですが、それでも割高感があります。
[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2010年GDP予測値(現在+0.7%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週の米国市場はリバウンドしましたが、今週も、力強さは望めないもののリバウンド方向の継続は期待できそうです。
②日経225採用銘柄の今期予想増益率は前期が赤字の為、計算不能となりましたが、景気の低迷により今期ROE予想値は4.2%と徐々に上向いてきました。
③米国の長期金利は上昇し、日米の金利差は2.4%で、為替は89から90円台の動きでした。今週も、金利差拡大ぎみで、89から91円台が想定されます。
④今年9月に、OECDによる日米の2010年の実質GDP伸び率は日本が+1.8%となり、米国は+2.5%と予想されていますので、この面では日本市場にとって0.7ポイント分の割高となる弱気材料です。
⑤2月1週の外人は売り越しでした。2月2週は買い越しだった可能性が高く、今週も買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち先週は①③⑤が強気材料でした。今週も①②③⑤がキーポイントと思われます。
[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、5.7ポイント割安となり、先週比1.6ポイント割安幅が拡大しました。
一目均衡表では、雲の上に在り、200日移動平均線乖離率は1.3%となり先週と比較してプラス幅が若干拡大しました。総合乖離率は-3.0%となりマイナス幅が縮小しました。1つがプラスですので中期上昇トレンドは、"黄信号"が点灯しています。日経平均は9日線の上に在り、25日線の下に在りますので、短期的には"黄信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dowは200日線、9日線の上に在りますが、25日線の下にあります。一目均衡表の雲の中に在ります。Nasdaqは200日線、9日線の上に在りますが、25日線の下にあります。一目均衡表の雲の中に在ります。短期的には"黄信号"で中期的にも"黄信号"が点灯しています。
[今週の見通し]
先週の日経平均は、一時的に200日線を下回ったものの多少リバウンドしました。先週の米国市場も10160ドルまでリバウンドしたものの、週末の中国の準備率の引き上げ報道で出鼻を挫かれた感じです。欧州のソブリン・リスクや米国の金融規制問題のさらなる影響の有無は不透明ですので、来週以降の方向を占う上でも、NYDowが一目均衡表の雲の下に抜けるか否か、また、日経平均が再び200線を下回るか否かに注目する必要がありそうです。
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