Monday, August 14, 2006
日経平均の今後の見通し
日経平均は米国市場の原油高を原因とするインフレ懸念による金利上昇予測と景気後退懸念による急落に伴い、外人が売越になったことで予想以上に下げ続け(4月-6月)、一旦リバウンドして200日線まで戻し(6月)、その後、25日線を割り込んでボリンジャー・バンド下限近くまで下落した(7月中旬)後、再びリバウンドしてボリンジャー・バンド上限近まで上昇している状態です。先週末のNYSEとNASDAQは下落したこと受けて、日経平均は小安く始まりましたが外人の買い越し基調や中東情勢の沈静化期待も有り大幅の上昇となり292円高く引けました。結果、高値更新銘柄は増加し、高値更新銘柄数の優位度は拡大しましたが、出来高は13.1億株と今年最低ですので、力強い上昇とはいえません。とはいえ、注目点の7月高値15710円をやっと抜き、200日移動平均線も、一目均衡表の雲も抜きましたので、日経平均は、いよいよ上昇トレンド復帰を確認したと考えて良いと思います。しかし、ここからの更なる上昇には心配も数多く有ります。まずは、出来高が少ない点、ボリンジャー・バンドの上限に近づいた点、TOPIXがまだ7月高値は抜いていない点、NASDAQがまだ200日移動平均線のかなり下で、6月安値を更新して下降トレンドが依然鮮明な点、サイコロジカルラインが75%に達し、目先の高値圏に近づいたことを示している点です。ここから、一旦下落することも視野にいれておくべきでしょう。そこが、買い場となるはずです。その後を考察すると、日本のGDPの今年の伸び率が6月12日に上方修正されたことで、GDP考慮後のイールド・スプレッドの日米差がプラスに転じて日本市場の割安感が出てきたと云う好材料もありますので、米国市場よりは下落率は小さいと思われますし、米国市場が企業業績や経済指標の好転と地政学的リスク緩和などで上昇に転ずれば、日本市場はより上昇しそうです。事実、NASDAQは6月安値を下回ってきましたが、日本市場はそこまでは下落していません。当面の関心事である7月末から始まった第一四半期の業績修正発表は今のところ上下まちまちです。今後しばらく企業業績予想の修正によって上下する相場と思われます。日本市場が中期的に上昇トレンドとなるには今期の増益率が10%以上になるような増益修正発表が必要ですが、8月中旬で4.6%増に留まってると言うことは、中間決算発表まで持ち越しと考えた方が良さそうです。(左のLINKにある"YS総合研究所HP”も参照してください。)
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