日経平均の予想

Saturday, March 27, 2021

[2021/03/28]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタルの現状認識]

先週の米国市場は、長期金利の上昇が警戒される反面、順調なワクチン普及による景況感の改善期待もあり、株価指数はまちまちな動きとなりました。一方、中長期的には、過剰流動の副作用によるインフレ懸念、ハイ・イールド債のディフォルトなどによる銀行の信用力不足と信用収縮懸念があります。また、中国の不動産バブル崩壊懸念と景気減速、貿易戦争などによる世界経済の減速懸念もあります。さらに、中東、東アジアの地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2021年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が0.07ポイント割高となっています。割高の要因はS&P500のPERが22.6に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PERの22.9との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

これは、現在の日経平均の価格に対して、2021年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに0.07ポイント縮小するか(日本が上方修正又は米国が下方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PERが22.5程度になるか、又は、日経平均が28700円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は480円ほど割高です。

 

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇、

②従来以上の今期の予想増益率のUP、

③日米の金利差の拡大と一段の円安、

④OECDによる日本の2021年GDP予測値(現在+2.72%)の上方修正、

⑤外人の買い越し、

 

最近の動きを見ると、

①  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。NYDowが25日線の上を維持できるか否かに注目したいと思います。

②  四半期決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は5.8%となりました。3ヶ月前に比べて1.1ポイント改善しています。また、利益伸び率は+5.6%で3ヶ月前に比べて25.9ポイント改善しています。

③  米国の長期金利は低下し、日米の金利差は 1.62%から1.61と縮小したものの、為替は108円台から109円台で円安方向に動きました。

④  OECDの日米の2021年の名目GDP伸び率予測が改定されて、日本が+2.72%で、米国は+4.35%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.63ポイント劣ります。

⑤  3月3週は買い越しで、3月4週売り越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に5.4ポイント(日経平均に勘算すると1580円程度)割高です。先週と比べ割高幅は拡大しました。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に1.4ポイント(日経平均に勘算する410円程度)割高となっています。

 

日経平均は、一目均衡表の雲の中に在ります。総合乖離率は+17.0%となり先週と比較してプラス幅が縮小しました。200日移動平均線乖離率は+15.2%でプラス幅は縮小しました。2つの要素がプラスですので、中期トレンドは、"黄信号"が点灯しています。

日経平均は、25日線と9日線の下にありますので、短期トレンドは、"赤信号"が点灯しています。

 

米国市場ではNY Dowは、200日線と25日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線の上にありますが、25日線・9日線の下にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。

短期的には” 黄信号"で、中期的にも”黄信号"が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると米国の利上げ、米中貿易摩擦、北朝鮮の問題、などの懸念は後退しているものの、長期金利の上昇傾向、原油相場の上昇、ハイ・イールド債市場の下落、信用収縮に伴う金融市場混乱、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、貿易戦争に伴う世界経済減速懸念、中東や東アジアの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

 

直近のLIBOR金利は落ち着いており、金融不安の兆候はありません。2020年3月には、短期金利が低下しているにも関わらずLIBOR金利は上昇したことから、金融不安再燃の可能性が意識されていました。

 

一方、好材料としては米国のゼロ金利政策とジャンク債購入を含むFRBによる企業への直接的金融支援や2兆ドルの経済対策。日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と無制限の国債や0から12兆円のETF購入などの金融緩和措置に加え、日本政府によるリーマンショック時を超える経済対策や、EUによる92兆円のコロナ復興基金設立とECBによるマイナス金利の深堀と量的緩和の拡大表明などが揚げられます。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみあいで、短期ももみあいです。日本市場は中期上昇トレンドで、短期は下降トレンドです。

 

為替市場を分析すると、ここ1年は、ゆるやかに円高方向に動いていましたが、ここ2か月は急速に円安方向に反転しています。今週は109台から110台が想定されます。こからは、テクニカル指標、米国市場動向、為替の動き、外国人投資家動向を注目する必要があります。

 

今週は、米国の雇用統計が発表され、緩やかな雇用回復の兆しが見られると思われます。また、世界各国の製造業PMI調査や、5月以降の連合の生産計画に指針を与えると予想されるOPEC+の会合にも注目が集まります。そのほか、米国の建設支出、英国とロシアの第4四半期GDP、ユーロ圏のインフレ率と景況感、日本の短観、鉱工業生産、小売売上高、オーストラリア、インド、トルコの外国貿易額などが主要なデータとして注目されます。

 

先週の日経平均は、想定レンジを下回りました。上値は想定ラインを620円ほど下回り、下値は想定ラインを600円ほど下回りました。今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド +1σ(現在29920円近辺)で、下値がボリンジャーバンド -1σ(現在28900円近辺)の間での動きが想定されます。


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Friday, March 26, 2021

[2021/03/26]今後の日経平均の見通し

[市況]

3月25日、NYDowとNASDAQは上昇しました。3月26日の日経平均先物は、前日比360円高で寄り付くと、午前中は450円高から150円高の間で上下し、午後は330円高から480円高の間でもみあって、結局480円高で取引を終えました。日経平均の終値は446円高の29176円で、出来高は12.83億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

 

3月25日の米国市場では、パウエルFRB議長の量的緩和の縮小を示唆する発言が警戒され、売りが先行しました。しかし、バイデン大統領が就任後初の記者会見で「就任100日後までに新型コロナウイルスワクチンの2億回の接種を目指す」と表明すると、景気敏感株を中心に買われる展開となりました。週間の新規失業保険申請件数が2020年3月中旬以降では最低の水準となったことも好感されました。NYDowとNASDAQは3日ぶりに反発しました。

3月26日の日本市場では、ワクチン接種加速への期待感から前日の米株式相場が上昇した流れが引き継がれ、輸出関連や景気敏感株を中心とした幅広い銘柄に買いが集まりました。アジアの株式相場や米株価指数先物が堅調に推移したことも投資家心理を支えました。一方で、週末を意識した持ち高調整の売りが相場の上値を抑えました。日経平均は大幅に続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は17.0%と前日よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+15.2%と前日よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の中にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドは黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQの200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より1.6ポイント拡大して+6.6となり、中長期的には日経平均がNASDAQより1930円ほど割高であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較は、日本市場が2.8ポイント(日経平均換算で820円)割高であることを示しています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.3、米国-2.8と日本が1.5ポイント割安ですが、OECDの2021年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)は1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.16ポイント(日経平均換算で1040円)割高となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の10~12月期のGDP確定値は前期比年率4.3%増と、改定値の4.1%増から上方修正されました。また、10~12月期の米企業の決算は、まちまちな内容です。

 

経済指標を見てみます。

3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月の製造業受注、2月のISM製造業景況指数、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、2月の耐久財受注、2月の鉱工業生産指数、2月の小売売上高、2月のISM非製造業景況指数、2月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は6勝5負で、景気面ではやや強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面ではやや弱気材料です。

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比37.9万人増で、市場予想の21万人増を上回りました。一方、失業率は6.2%で、先月の6.3%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

2月の新築住宅販売件数、2月の中古住宅販売件数、2月の住宅着工件数、3月の住宅市場指数、1月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。一方、12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+10.1%で、市場予想の+9.9%を上回りました。住宅関連の指標は1勝5負で、景気面では弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しやすいという面では強気材料です。

 

新型コロナウイルスの蔓延による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。このところ、長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこれに敏感になっていますので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「2022年3月末までに1兆8500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れると変更しています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、3月22日 0.1905 → 3月23 0.2006 → 3月24 0.1951と上昇傾向にあり、しばらくは金融不安の再燃に注意が必要です。なお、2018年12月20日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが22.9、PBRが1.34となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは5.9%となり、これは3か月前より1.1ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+5.6%で、こちらは3か月前より25.9ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.8%となり、日経平均の割安幅は1470円から1140円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1930円から-1140円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.55ポイントから1.56ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的にもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

3月26日の米国市場では、2月の個人消費所得・個人支出や、3月のミシガン大学消費者信頼感指数確報値などが注目されるでしょう。引き続き、新型コロナウイルスの感染状況や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを140円ほど上回り、下値は想定ラインを460円ほど上回りました。目先は、25日線+100円(現在29510円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ(現在28900円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Wednesday, March 24, 2021

[2021/03/25]今後の日経平均の見通し

[市況]

3月24日、NYDowは小幅下落し、NASDAQは大幅下落しました。3月25日の日経平均先物は、前日比160円高で寄り付くと、午前中は40円高から400円高と上昇幅を拡げ、午後は230円高から460円高と上昇幅を拡げて、結局430円高で取引を終えました。日経平均の終値は324円高の28729円で、出来高は12.43億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

 

3月24日の米国市場では、追加の経済対策やワクチン普及に対する根強い期待感から、前日に売られた景気敏感株に見直し買いが入りました。一方で、ハイテクなどグロース(成長)株には売り圧力が強まり、相場の重石となりました。結局、NYDowは小幅に続落し、NASDAQは大幅に続落しました。

3月25日の日本市場では、前日までの4営業日で日経平均が1800円超下げたことから、短期的な戻りを期待した買いが先行しました。その後も、前日の米株式相場で景気敏感株が買われた流れが引き継がれ、景気変動に業績が影響を受けやすい銘柄に買いが集まりました。午後に入ると、株安を警戒していた投資家の買い戻しが優勢となり、相場を押し上げました。日経平均は5営業日ぶりに反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は12.3%と前日よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+13.6%と前日よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の中にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドは黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の下に抜けました。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQの200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より3.5ポイント拡大して+5.0となり、中長期的には日経平均がNASDAQより1440円ほど割高であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較は、日本市場が1.7ポイント(日経平均換算で490円)割高であることを示しています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.4、米国-2.8と日本が1.6ポイント割安ですが、OECDの2021年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)は1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.10ポイント(日経平均換算で620円)割高となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の10~12月期のGDP改定値は前期比年率4.1%増で、速報値の4.0%増から上方修正されました。また、10~12月期の米企業の決算は、まちまちな内容です。

 

経済指標を見てみます。

3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月の製造業受注、2月のISM製造業景況指数、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、2月の耐久財受注、2月の鉱工業生産指数、2月の小売売上高、2月のISM非製造業景況指数、2月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は6勝5負で、景気面ではやや強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面ではやや弱気材料です。

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比37.9万人増で、市場予想の21万人増を上回りました。一方、失業率は6.2%で、先月の6.3%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

2月の新築住宅販売件数、2月の中古住宅販売件数、2月の住宅着工件数、3月の住宅市場指数、1月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。一方、12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+10.1%で、市場予想の+9.9%を上回りました。住宅関連の指標は1勝5負で、景気面では弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しやすいという面では強気材料です。

 

新型コロナウイルスの蔓延による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。にもかかわらず、長期金利の下降傾向が今後も続きそうなことは気がかりです。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「2022年3月末までに1兆8500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れると変更しています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、3月19日 0.1968 → 3月22日 0.1905 → 3月23日 0.2006と上昇傾向にあり、しばらくは金融不安の再燃に注意が必要です。なお、2018年12月20日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが22.5、PBRが1.31となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは5.8%となり、これは3か月前より1.0ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+5.6%で、こちらは3か月前より25.5ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-4.9%となり、日経平均の割安幅は1930円から1470円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1930円から-1470円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.54ポイントから1.55ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的にもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

3月25日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、EU首脳会議、10~12月期のGDP確報値などが注目されるでしょう。引き続き、新型コロナウイルスの感染状況や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインとほぼ一致し、下値は想定ラインを220円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+200円(現在29120円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+100円(現在28490円近辺)が下値の目安になりそうです。



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[2021/03/24]今後の日経平均の見通し

[市況]

3月23日、NYDowとNASDAQは下落しました。3月24日の日経平均先物は、前日比200円安で寄り付くと、午前中は130円安から540円安と下落幅を拡げ、午後には670円安まで下落幅を拡げて、結局620円安で取引を終えました。日経平均の終値は590円安の28405円で、出来高は15.91億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

 

3月23日の米国市場では、景気敏感株を中心に売りが優勢となりました。感染力の強い新型コロナウイルスの変異株が欧州で広がっていることや、英アストラゼネカのワクチンについて、「米国でおこなわれた治験のデータが不完全な可能性がある」との指摘があったことなどが投資家心理の重石となりました。NYDowとNASDAQは反落しました。

3月24日の日本市場では、欧州で新型コロナウイルスの変異株の感染が拡大していることから、ワクチン普及による経済正常化への期待が後退し、景気敏感株を中心に売りが優勢となりました。アジア株や米株価指数先物が軟調に推移したことも、投資家心理の重石となりました。日経平均は大幅に4日続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は8.8%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+12.5%と前日よりプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の中に入りました。3つの要素のうちプラスは2つとなり、中期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線を下回りました。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQの200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より1.1ポイント縮小して+1.5となり、中長期的には日経平均がNASDAQより430円ほど割高であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較は、日本市場が0.5ポイント(日経平均換算で140円)割高であることを示しています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.4、米国-2.9と日本が1.5ポイント割安ですが、OECDの2021年予想実質GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)は1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.07ポイント(日経平均換算で460円)割高となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の10~12月期のGDP改定値は前期比年率4.1%増で、速報値の4.0%増から上方修正されました。また、10~12月期の米企業の決算は、まちまちな内容です。

 

経済指標を見てみます。

3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月の製造業受注、2月のISM製造業景況指数、1月の耐久財受注、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、2月の鉱工業生産指数、2月の小売売上高、2月のISM非製造業景況指数、2月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は7勝4負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比37.9万人増で、市場予想の21万人増を上回りました。一方、失業率は6.2%で、先月の6.3%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

2月の新築住宅販売件数、2月の中古住宅販売件数、2月の住宅着工件数、3月の住宅市場指数、1月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+10.1%で、市場予想の+9.9%を上回りました。住宅関連の指標は1勝5負で、景気面では弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しやすいという面では強気材料です。

 

新型コロナウイルスの蔓延による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。にもかかわらず、長期金利の下降傾向が今後も続きそうなことは気がかりです。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「2022年3月末までに1兆8500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ6兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、3月18日 0.1866 → 3月19日 0.1968 → 3月22日 0.1905と落ち着きつつありますが、しばらくは金融不安の再燃に注意が必要です。なお、2018年12月20日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが22.3、PBRが1.30となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは5.8%となり、これは3か月前より1.1ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+5.3%で、こちらは3か月前より25.4ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-6.5%となり、日経平均の割安幅は1800円から1930円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1930円から-1280円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.60ポイントから1.54ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的にもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ長期金利は上昇傾向が続いており、対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

3月24日の米国市場では、2月の耐久財受注のほか、ゼネラル・ミルズなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向や新政権の経済対策も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを310円ほど下回り、下値は想定ラインを270円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ-100円(現在28880円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ-200円(現在28250円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Tuesday, March 23, 2021

[2021/03/23]今後の日経平均の見通し

[市況]

3月22日、NYDowとNASDAQは上昇しました。3月23日の日経平均先物は、前日比190円高で寄り付くと、午前中は390円高から60円高と上昇幅を縮め、午後は90円高から160円安と下落に転じて、結局120円安で取引を終えました。日経平均の終値は178円安の28995円で、出来高は13.71億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

 

3月22日の米国市場では、長期金利上昇の一服を受け、ハイテク株など相対的な割高感が低下した高PER銘柄に押し目買いが入りました。また、半導体需要の拡大観測から、半導体関連株が買われました。一方、JPモルガン・チェースなど金融株は前日に引き続き売られ、相場の重石となりました。NYDowは3営業日ぶりに反発し、NASDAQは続伸しました。

3月23の日本市場では、前日の米株式相場がハイテク株主導で上昇した流れが引き継がれ、グロース(成長)株を中心に買いが先行しました。ただ、米長期金利の先行きに対する警戒感は根強く、上値を追う動きは続きませんでした。年度末を控え、これまで上昇してきた景気敏感株や割安株への利益確定の売りも出て、相場の重石となりました。日経平均は3日続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は15.1%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+15.0%と前日よりプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にあり、9日線と25日線を上回りました。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQの200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より2.0ポイント縮小して+2.6となり、中長期的には日経平均がNASDAQより750円ほど割高であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較は、日本市場が1.8ポイント(日経平均換算で520円)割高であることを示しています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.3、米国-2.8と日本が1.5ポイント割安ですが、OECDの2021年予想実質GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)は1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.12ポイント(日経平均換算で770円)割高となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の10~12月期のGDP改定値は前期比年率4.1%増で、速報値の4.0%増から上方修正されました。また、10~12月期の米企業の決算は、まちまちな内容です。

 

経済指標を見てみます。

3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月の製造業受注、2月のISM製造業景況指数、1月の耐久財受注、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、2月の鉱工業生産指数、2月の小売売上高、2月のISM非製造業景況指数、2月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は7勝4負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比37.9万人増で、市場予想の21万人増を上回りました。一方、失業率は6.2%で、先月の6.3%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

1月の新築住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、2月の中古住宅販売件数、2月の住宅着工件数、3月の住宅市場指数、1月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+10.1%で、市場予想の+9.9%を上回りました。住宅関連の指標は2勝4負で、景気面では弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しやすいという面では強気材料です。

 

新型コロナウイルスの蔓延による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。にもかかわらず、長期金利の下降傾向が今後も続きそうなことは気がかりです。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「2022年3月末までに1兆8500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ6兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、3月15日 0.1820 → 3月16日 0.1900 → 3月17日 0.1896と落ち着きつつありますが、しばらくは金融不安の再燃に注意が必要です。なお、2018年12月20日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが22.9、PBRが1.33となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは5.8%となり、これは3か月前より1.0ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+5.1%で、こちらは3か月前より25.1ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-6.0%となり、日経平均の割安幅は1780円から1800円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1800円から-1280円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.60ポイントから1.60ポイントと横ばいでした。ドル円相場は円高方向に推移しています。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ、長期金利は上昇傾向が続いており、対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

3月22日の米国市場では、10~12月期の経常収支や、2月の新築住宅販売件数のほか、アドビなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向や新政権の経済対策も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを100円ほど上回り、下値は想定ラインを110円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+200円(現在29280円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+200円(現在28770円近辺)が下値の目安になりそうです。



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