日経平均の予想: [2025/09/12]今後の日経平均の見通し

Friday, September 12, 2025

[2025/09/12]今後の日経平均の見通し

[市況]

911日、NYDowNASDAQは上昇しました912日の日経平均先物は、前日比400円高で寄り付くと、午前中は550円高から150円高の間で上下し、午後は290円高から460円高の間でもみあって、結局、310円高で取引を終えました。日経平均の終値は395円高の44768円で、出来高は21.40億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

911日の米国市場では、8月の消費者物価指数(CPI)が市場予想と一致する値だったことから、年末にかけて利下げが進むとの観測が補強され、主力株に買いが入りました。また、マイクロン・テクノロジーをはじめAI関連銘柄が買われ、相場を押し上げました。NYDowは大幅に反発し、最高値を更新しました。NASDAQ4日続伸し、やはり最高値を更新しました。

912日の日本市場では、前日の米株高を受けて投資家のリスク選好姿勢が強まり、主力の値がさ株を中心に買いが優勢となりました。AI需要への期待も、引き続き相場を支えました。一方、食料品や陸運など内需株には売りが目立ちました。日経平均は3日続伸し、連日で最高値を更新しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+29.7%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+15.3%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+1.8ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が810円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの差は、+8.4ポイントとプラス幅を縮め、日経平均3760円ほど割高であることを示しています

 

日経VI24.44と前日より低下し、VIX14.71と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.9、米国-0.1と日本が3.8ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より2.71ポイント(日経平均換算で43420円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP改定値は前期比年率3.3%増で、速報値の3.0%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

8月のISM非製造業景況指数、7月の製造業受注、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、7月の耐久財受注、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。また、7月の小売売上高は市場予想と一致しました。一方、8月のISM製造業景況指数、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、7月の鉱工業生産指数、7月の消費者物価指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが下がるという面では弱気材料です

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比2.2万人増で、市場予想の7.5万人増を下回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.2%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

7月の新築住宅販売件数、7月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、7月の中古住宅販売仮契約指数、8月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、9月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、7月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.19PBR1.61となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。一方、今期予想利益の伸率は-6.8%で、こちらは3か月前より3.7ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.6%となり、日経平均の割高幅は1170円から680円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+530円~+1170円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.49ポイントから2.45ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

912日の米国市場では、9月のミシガン大学消費者信頼感指数などが注目されるでしょう。引き続き、関税政策や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを110円ほど下回り、下値は想定ラインを550円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+3σ(現在45100円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+2σ-300円(現在44100円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は強まりました。日経平均は連日で最高値を更新しました。来週のFOMCまでは上昇傾向が続きそうな勢いです。



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