日経平均の予想: April 2025

Wednesday, April 30, 2025

[2025/04/30]今後の日経平均の見通し

[市況]

429日、NYDowNASDAQは上昇しました。430日の日経平均先物は、前日比40円安で寄り付くと、午前中は30円安から260円安と下落幅を拡げ、午後は230円安から10円高と一時上昇に転じて、結局、40円安で取引を終えました。日経平均の終値は205円高の36045円で、出来高は22.82億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

429日の米国市場では、ベッセント財務長官が記者会見でインドや日本との貿易交渉が進展していると説明したことや、自動車の輸入部品にかかる関税を一部免除する措置が発表されたことなどを受け、米政権の強硬姿勢が和らいでいるとの見方が強まり、株買いを誘いました。ハネウェル・インターナショナルなど好決算を発表した銘柄が買われたことも指数の押し上げ要因となりました。NYDow6日続伸し、NASDAQは反発しました。

430日の日本市場では、前日の米株式相場の上昇が投資家心理を上向かせ、買いが優勢となりました。わけても、決算内容が評価されたTDKや、半導体子会社の分離独立と株式上昇を検討していると伝わったソニーグループが目立って買われ、指数を押し上げました。日経平均は5日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は-4.8%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-5.3%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドには赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線と25日線の上にあり、200日線を上回りました。

 

NYDowは、200日線の下にありますが、9日線の上にあり、25日線を上回りました。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、200日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドには赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-0.4ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が140円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-1.2ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が430円ほど割安であることを示しています

 

日経VI27.15と前日より低下し、VIX24.38と前日より低下しました。両指数ともにピークアウトしたものの、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っており、市場は不安定な状態にあります。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.5、米国-0.7と日本が4.8ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.69ポイント(日経平均換算で42700円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率2.4%増で、改定値の2.3%から上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

4月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月の耐久財受注、3月の小売売上高、4月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月の製造業受注、3月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。一方、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、3月の鉱工業生産指数、3月の消費者物価指数、3月のISM非製造業景況指数、3月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です

 

米国の3月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比22.8万人増で、市場予想の13.5万人増を上回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売件数、3月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。2月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、6会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀は、3月の金融政策決定会合では0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.69PBR1.35となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+6.1%で、こちらは3か月前より2.2ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+4.6%となり、日経平均の割高幅は1720円から1550円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+1550円~+2000円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.95ポイントから2.87ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的には下降トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的には下降トレンドです。

 

430日の米国市場では、4月のADP雇用統計や、13月期のGDP速報値、3月の個人消費支出(PCEデフレーター)、3月の中古住宅販売仮契約指数のほか、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、イーベイ、ウエスタン・デジタル、キャタピラー、ヒューマナなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、トランプ政権の動きや長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを310円ほど下回り、下値は想定ラインを500円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+300円(現在36660円近辺)が上値の目安に、25日線+800円(現在35590円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を大きく上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は5日続伸しました。引き続き、25日線からどれほど上方乖離できるかが、目先の注目点です。311日の安値(35987円)近辺で頭を押さえられており、ここが正念場といえそうです。



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Monday, April 28, 2025

[2025/04/28]今後の日経平均の見通し

[市況]

425日、NYDowは小幅上昇し、NASDAQは大幅上昇しました。428日の日経平均先物は、前日比170円高で寄り付くと、午前中は320円高から90円高と上昇幅を縮め、午後は130円高から20円高の間でもみあって、結局、130円高で取引を終えました。日経平均の終値は134円高の35839円で、出来高は20.15億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態ですが、買われ過ぎの水準です。

空売り比率は、5日平均を5日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

425日の米国市場では、トランプ大統領の「日本との関税交渉は合意にとても近づいている」「中国についても、習近平国家主席と何度も話している」といった、貿易交渉の進展をうかがわせる発言が好材料視され、株買いをさそいました。ただ、前日までの3日間でNYDow1900ドルあまり上昇しており、利益確定の売りも出やすい環境でした。結局、NYDowは小幅に4日続伸し、NASDAQは大幅に4日続伸しました。

428日の日本市場では、前週末の米ハイテク株高の流れが引き継がれ、買いが優勢となりました。また、大規模な自社株買いを発表した信越化学工業や、トヨタ創業家が買収を提案したと伝わった豊田自動織機が大幅上昇し、投資家心理を上向かせました。ただ、日経平均が節目の36000円を上回ると、戻り待ちの売りなどが出て上値が重くなりました。日経平均は4日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は-6.9%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-5.9%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドには赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、200日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-0.6ポイントとマイナスに転換し、日経平均が220円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-0.8ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が290円ほど割安であることを示しています

 

日経VI28.51と前日より低下し、VIX24.84と前日より低下しました。両指数ともにピークアウトしたものの、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っており、市場は不安定な状態にあります。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.5、米国-0.6と日本が4.9ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.82ポイント(日経平均換算で45070円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率2.4%増で、改定値の2.3%から上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

4月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月の耐久財受注、3月の小売売上高、4月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月の製造業受注、3月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。一方、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、3月の鉱工業生産指数、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月の消費者物価指数、3月のISM非製造業景況指数、3月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です

 

米国の3月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比22.8万人増で、市場予想の13.5万人増を上回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売件数、3月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.7%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、6会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀は、3月の金融政策決定会合では0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.59PBR1.34となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+7.3%で、こちらは3か月前より2.5ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+5.0%となり、日経平均の割高幅は1660円から1720円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+1560円~+2760円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.98ポイントから2.95ポイントに縮小しましたが、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的には下降トレンドです。

 

428日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。ドミノ・ピザやローパー・インダストリーズなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、トランプ政権の動きや長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを250円ほど下回り、下値は想定ラインを710円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ(現在36520円近辺)が上値の目安に、25日線+500円(現在35360円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を大きく上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は4日続伸しました。引き続き、25日線からどれほど上方乖離できるかが、目先の注目点です。



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Saturday, April 26, 2025

[2025/4/27]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、トランプ政権が貿易政策で対中姿勢を緩和したとの観測が投資家心理の改善につながり、株価指数は週間では上昇しました。

週間変動率 NYダウ:+2.48%, NASDAQ:+6.73%, S&P500:+4.59.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が3.82ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER20.5対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER14.5との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2025年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに3.82ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER32.5程度になる。又は、日経平均が80,070円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は44,370円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、44,370円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さはやや縮小しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+3.3%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。今週は、NYダウが25日線の上に戻れるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+9.1%となりました。3ヶ月前に比べて0.1%ポイント改善しています。利益伸び率は+7.3%となりました。3ヶ月前に比べて+5.2%ポイント改善しています。

  米国の長期金利は低下し、日米間の金利差は3.05から2.91と縮小したものの、ドル円は139円台から144円台の範囲で円安方向に動きました。ドル・インデックスは週間で+0.18%下落しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+3.3%で、米国は+4.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.1ポイント劣ります。

  4月第3週は買い越しで、4月第4週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①と③が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に1.0ポイント(日経平均に勘算する360円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に1.2ポイント(日経平均に勘算する430円程度)割安です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQに対して、弱い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 24.8 と低下しました。 日経 VI は 週間で 28.7と低下しました。米国市場と日本市場とも疑心暗鬼状態です。

 

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の下にあります。総合乖離率は-8.4%、200日移動平均線との乖離率は-6.3%。これら3つの要因がマイナスですので、中期トレンドには"赤信号が点灯しています。

                                                        

NYDowは、9日線の上にありますが、25日線と200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、9日線と25日線の上にありますが、200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。

米国市場は、短期的には"信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念は増幅しています。また、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などもリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期下降トレンドで、短期はもみあいです。

日本市場は中期下降トレンドで、短期は上昇トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20251月につけた156円をトップに円高方向に転換しています。今週は142円台から145円台が想定されます。

 

今週の米国市場では、投資家は現在進行中の米中貿易摩擦の動向を注視するでしょう。また、アップル、マイクロソフト、アマゾン、メタなどの主要企業が四半期決算を発表します。重要な経済指標では、2025年第1四半期のGDP成長率の速報値や雇用統計、PCEインフレデータ、ISM製造業PMIが注目されます。世界的には、ユーロ圏のGDPとインフレ速報値、の金融政策、中国のPMIが発表されます。

 

先週の日経平均は想定範囲内で推移しました。上値は830円下回り、下値は850円上回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+2σ(現在38410円近辺)で、下値が25日線(現在34930円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週の日経平均は25日線をどの位、上方乖離できるかと、2番底の深さを探ることが関心事となります。


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Friday, April 25, 2025

[2025/04/25]今後の日経平均の見通し

[市況]

424日、NYDowNASDAQは大幅上昇しました。425日の日経平均先物は、前日比560円高で寄り付くと、午前中は640円高から400円高の間でもみあい、午後は530円高から840円高と上昇幅を拡げて、結局、750円高で取引を終えました。日経平均の終値は666円高の35705円で、出来高は18.73億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を4日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

424日の米国市場では、米政権が対中貿易をめぐって強硬姿勢を緩和させつつあるとの見方が投資家心理を上向かせ、買いが優勢となりました。わけても、セールスフォースやマイクロソフトなどハイテク株の一角や、エヌビディアやブロードコムなど半導体株の上昇が目立ちました。一方、四半期決算を受けてIBMP&Gは売られました。NYDowNASDAQ3日続伸しました。

425日の日本市場では、対中貿易摩擦緩和への期待感から前日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇した流れが引き継がれ、買いが優勢となりました。外国為替市場で円相場が円安ドル高方向に推移したことや、「中国政府が米国からの一部輸入品について、報復関税の対象から除外することを検討している」との報道も追い風となりました。日経平均は3日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は-8.4%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-6.3%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドには赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、200日線の下にありますが、9日線の上にあり、25日線を上回りました。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+0.2ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が70円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-1.1ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が390円ほど割安であることを示しています

 

日経VI28.65と前日より低下し、VIX26.20と前日より低下しました。両指数ともにピークアウトしたものの、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として大きく上回っており、市場は不安定な状態にあります。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.6、米国-0.8と日本が4.8ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.72ポイント(日経平均換算で41830円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率2.4%増で、改定値の2.3%から上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

4月の耐久財受注、3月の小売売上高、4月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月の製造業受注、3月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。一方、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、3月の鉱工業生産指数、4月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月の消費者物価指数、3月のISM非製造業景況指数、3月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱材料ですが、利下げペースが上がるという面では強材料です

 

米国の3月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比22.8万人増で、市場予想の13.5万人増を上回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売件数、3月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.7%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、6会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀は、3月の金融政策決定会合では0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.50PBR1.33となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+7.5%で、こちらは3か月前より2.1ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+4.8%となり、日経平均の割高幅は1560円から1660円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+1560円~+2760円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.06ポイントから2.98ポイントに縮小しましたが、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的には下降トレンドです。

 

425日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。シュルンベルジェ、フィリップス66、アッヴィ、コルゲート・パルモリブなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、トランプ政権の動きや長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを270円ほど上回り、下値は想定ラインを810円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-200円(現在36470円近辺)が上値の目安に、25日線+200円(現在35130円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を大きく上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は3日続伸しました。引き続き、25日線からどれほど上方乖離できるかが、目先の注目点です。



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Thursday, April 24, 2025

[2025/04/24]今後の日経平均の見通し

[市況]

423日、NYDowNASDAQは大幅上昇しました。424日の日経平均先物は、前日比460円高で寄り付くと、午前中は500円高から220円高と上昇幅を縮め、午後は300円高から70円高と上昇幅を縮めて、結局、110円高で取引を終えました。日経平均の終値は170円高の35039円で、出来高は18.88億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

423日の米国市場では、トランプ大統領がパウエルFRB議長の解任を否定したと伝わり、米金融市場が不安定になるとの警戒感が薄れ、主力株に買いが広がりました。ただ、ベッセント財務長官が「米中の貿易の完全なリバランスには23年かかる」との見方を示した旨が伝わると、関税政策の不透明感が改めて意識され、投資家心理の重石となりました。NYDowNASDAQは続伸しました。

424日の日本市場では、トランプ大統領が対中姿勢を軟化させたともとれる発言をしたことから、米中対立激化への懸念が後退し、株買いにつながりました。外国為替市場で円相場が円安ドル高方向に推移したことも追い風となりました。ただ、日米財務相会合を目前に控えて様子見ムードも強く、積極的に上値を追う展開とはなりませんでした。日経平均は続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線の上にあり、25日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変りました。

総合乖離率は-14.2%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-8.1%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドには赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の下にありますが、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、25日線と200日線の下にありますが、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+0.9ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が320円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、-1.8ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が630円ほど割安であることを示しています

 

日経VI30.57と前日より上昇し、VIX28.45と前日より低下しました。両指数ともに、投資家が不安心理を強めているとされる20を大きく上回っており、市場は不安定な状態にあります。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.7、米国-0.7と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.93ポイント(日経平均換算で44450円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率2.4%増で、改定値の2.3%から上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

3月の小売売上高、4月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月の製造業受注、3月のシカゴ購買部協会景気指数、3月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、3月の鉱工業生産指数、4月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月の消費者物価指数、3月のISM非製造業景況指数、3月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱材料ですが、利下げペースが上がるという面では強材料です

 

米国の3月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比22.8万人増で、市場予想の13.5万人増を上回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数、2月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、3月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.7%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気強材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、6会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀は、3月の金融政策決定会合では0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.24PBR1.31となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+7.3%で、こちらは3か月前より2.4ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+4.6%となり、日経平均の割高幅は2000円から1560円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+1560円~+2760円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.04ポイントから3.06ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的には下降トレンドです。

 

424日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、3月の耐久財受注、3月の中古住宅販売件数のほか、P&G、インテル、ペプシコ、サウスウェスト航空、メルクなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、トランプ政権の動きや長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを120円ほど下回り、下値は想定ラインを670円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-1100円(現在35720円近辺)が上値の目安に、25日線-400円(現在34610円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を大きく上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は続伸し、終値で25日線に到達しました。25日線からどれほど上方乖離できるかが、目先の注目点です。



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