日経平均の予想: [2022/07/11]今後の日経平均の見通し

Monday, July 11, 2022

[2022/07/11]今後の日経平均の見通し

[市況]

78日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました。711日の日経平均先物は、前日比270円高で寄付くと、午前中は430円高まで上昇したのち70円高まで上昇幅を縮め、午後は240円高から40円高の間と上昇幅を縮めて、結局、40円高で取引を終了しました。日経平均の終値は295円高の26812円で、出来高は11.52億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

また、空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は弱まりました。

 

78日の米国市場では、朝方発表の6月の雇用統計で非農業部門の雇用者数の伸びが市場予想を上回ったことから、FRBが大幅な利上げに動きやすくなるとの観測が広がり、株売りにつながりました。ただ、景気自体は底堅いと見る向きもあり、朝方の売り一巡後は買いが優勢となる場面もありました。結局、NYDow3日ぶりに小幅に反落し、NASDAQは小幅に5日続伸しました。

711日の日本市場では、10日投開票の参院選で自民党が改選議席の過半数を単独で確保したことを受け、政権の安定化を歓迎する投資家の買いが優勢となりました。ただ、買い一巡後は利益確定の売りが出て相場の上値を抑えました。午後は材料不足で膠着した展開となりました。日経平均は3日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線の上にあり、25日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

総合乖離率は-3.3%と前週末よりマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-3.2%と前週末よりマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドには赤信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。

 

NYDowは、200日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、200日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドには赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+12.5ポイントと前週末よりプラス幅を縮め、日経平均が3350円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差も、+5.2ポイントと前週末よりプラス幅を拡げ、日経平均が1390円ほど割高であることを示しています

 

日経VI22.38VIX26.64と、日本市場のボラティリティーはやや低下し、米国市場のボラティリティーはやや上昇しました。VIXは、投資家の不安心理がかなり高まっているとされる25を上回っています。NYDowと比較して、日経平均は強い状態が続いており、前週末より強さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.5、米国-2.9と日本が4.6ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.5、米国が+4.9)1.4ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.22ポイント(日経平均換算で19170円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP確定値は前期比年率1.6%減で、改定値の1.5%減を下回りました。また、13月期の米企業の決算は、まちまちでした。

 

経済指標を見てみます。

6月のISM非製造業景況指数、5月の製造業受注、5月の耐久財受注、5月の消費者物価指数は市場予想を上回りました。一方、6月のISM製造業景況指数、6月のシカゴ購買部協会景気指数、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、6月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月の鉱工業生産指数、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月の小売売上高、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は48負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが速まらないという面では強気材料です

 

米国の6月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比37.2万人増で、市場予想の25万人増を上回りました。また、失業率は3.6%で、先月の3.6%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げペースが上がるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

5月の中古住宅販売仮契約指、5月の新築住宅販売件数数、5月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、5月の住宅着工件数、6月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+21.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利上げペースが上がるという面では弱気材料です

 

新型コロナウイルス騒動による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに5回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、7月に0.25%利上げし、量的緩和策を終了させることを決定しました。一方、日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続するなど、金融緩和策を維持しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、76 2.3905% 77 2.4275% 78 2.4230%と上昇中であり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%がここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.95PBR1.16となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.0%となり、これは3か月前より0.3ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+0.7%で、こちらは3か月前より29.2ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.1%となり、日経平均の割安幅は420円から570円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-660円から-330円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.75ポイントから2.83ポイントに拡大し、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的には下降トレンドです。日経平均も、短期的には上昇トレンドで、中期的には下降トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、インフレ対策の為、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはゼロ金利政策を続けていますが、量的緩和政策は終了に向かいつつあります

 

711日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを180円ほど上回り、下値は想定ラインを520円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-100円(現在27260円近辺)が上値の目安に、25日線-200円(現在26480円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均を下回り、信用の売り圧力は弱まりました。VIXは、投資家の不安心理がかなり高まっているとされる25を上回っています。日経平均は、急激な円安を受け終値で25日線を上回りましたが、本格的な上昇と判断するのはためらわれます。



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