日経平均の予想: [2010/03/26]日経平均の今後の見通し

Friday, March 26, 2010

[2010/03/26]日経平均の今後の見通し

[市況]
25日、NYDowは小幅上昇し、NASDAQは小幅下落しました。26日の日経平均先物は、前日比60円高で寄り付きました。前場は50円高から80円高までの間で小動きでしたが、後場は上げ幅を拡大する動きとなり、最終的に160円高で引けました。日経平均は167円高で引け、出来高は21.5億株と低水準ながら増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、1760万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
25日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数が前週比14000件減の442000件と市場予想より少なかったことや、バーナンキFRB議長による議会証言を受け、雇用の改善や超低金利政策の継続観測から買いが先行し、NYDowは一時120ドル近く上昇する場面もありました。ただ、ドルが対ユーロで上昇に転じると、商品相場が弱含み、素材株などが軟調になったことが相場の重荷となり、NYDowは下落に転じる場面もありました。
26日の日本市場では、93円付近まで円安が進行したことを受け、輸出株を中心に買いが先行しましたた。欧州ソブリンリスクの後退も買い安心感を誘い、後場はアジア市場の堅調推移が強気材料となって上げ幅を拡大しました。1月15日につけた年初来高値10982円を上回り、取引時間中では08年10月3日以来の心理的節目11000円を回復しました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+18.4%とプラス幅は拡がりました。200日線との乖離率は+8.3%とプラス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。
NYDowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.8ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は1.7ポイント縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が2.1ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の10月~12月期のGDPは予想以上の伸びでしたが、米企業の10月-12月期決算発表は、好悪まちまちな状況でした。経済指標では、2月の景気指数や小売売上高、1月の鉱工業生産指数や個人消費支出は市場予想を上回りましたが、2月の卸売物価指数や消費者信頼感指数は低下し、3月の消費者態度指数も予想以下でした。2月の失業率は9.7%と変らなかったものの、雇用者数の減少幅は事前予想より改善傾向を示しました。一方、住宅関連では、2月の中古住宅販売が減少したものの予想以上となり、2月の住宅市場指数も改善し、1月の住宅着工件数も改善しました。12月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で下落しましたが、市場予想の範囲内でした。ただ、2月の新築一戸建て住宅販売件数は4ヶ月連続減少し、調査開始以来の最低水準を更新しています。12・1月の景気指標はまちまちでしたが2・3月は改善傾向ながら、雇用と消費者マインドは低下したままのようです。2月の消費者物価指数が高い伸びとなった中国の金融引き締めの影響も、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の相次ぐ公的資金返済発表で表面的に資本不足は解消し、金融は正常化したように見えますが、時価会計基準が緩和されたこともあり、金融機関の不良資産が本当に減少しているかどうかは定かではありません。また、米地銀の不良債権問題の影響も懸念されます。一方、米政府の金融機関に対する規制問題は悪材料ですが一旦は織り込んだようです。また、ギリシャの財政赤字国の債務不履行懸念問題は対策案が発表され、EUが支援する方向となっています。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。
世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に変りつつあります。為替は、金利差の変動に大きく左右されています。
世界景気は底を打ったように見えますが、消費の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2011年まで続くと言われる米国の商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は25日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.27ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが32.6、PBRが1.38となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の下落にも関わらず上昇しました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.2%%となり、日経平均は130円の割安で、割安幅は拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、-240円~+20円の間で推移しています。日経平均は、ソブリンリスク警戒感後退で円安分を幾分取り戻しました。今夜の米国市場では週4Q GDP確定値や、3月のミシガン大学消費者信頼感指数が注目されそうです。米国市場の堅調な動きと円安で、やっと日経平均も年初来高値更新となりました。配当取りやドレッシング買いなどの期末要因と見られる買いで、11000円の大台乗せを達成しました。今後は、日本独自のこれ等の要因がなくなる分、一服する可能性が高そうです。一方、先高感は依然として存在しますので、引き続き、押し目買いが有利と思われます。


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