日経平均の予想: <20090906>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

Sunday, September 06, 2009

<20090906>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
市場では景気対策効果もあり景気回復期待が高まっていますが、中長期的には、世界的な雇用の悪化などによる個人ローンの不良債権化と商業用不動産価格の下げによる信用収縮傾向が、今後も景気の足を引っ張る原因となる可能性が大と思われます。
そのような環境の中、先週の米国市場は前半に金融機関の財務不安が蒸し返されて大きく下落しましたが、週末に8月雇用統計が予想に反して改善し上昇しました。今週は、中国の8月鉱工業生産や、9月の米消費者信頼感指数が注目されそうです。
2009年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差はOECDのGDP予想値が改訂され日本市場が3.8ポイント割高に変化しました。先週と比べ割高度は3.6ポイント拡大しました。日本市場は米国市場に比べ企業利益の減少率が著しく、日経平均のPERは39.5となっています。S&P500のPERの17.2と比べると、企業のファンダメンタルに大きな差が有ります。長期金利差でこれを埋める形ですが、それでも大幅な割高感があります。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2009年GDP予測値(現在-0.1%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週の米国市場は大きくさげましたが、週末に25日線を回復しました。
②3月決算発表が終わり、日経225採用銘柄の今期予想増益率は前期が赤字の為、計算不能となりましたが、世界景気の下ぶれにより今期ROE予想値は3.3%となっています。
③長期金利は低下ぎみで、日米の金利差は2.0~2.1%で推移し、為替は93--91円台のレンジ内の動きでした。今週は、93-90円台が想定されます。
④今年9月に、OECDによる日米の2009年の実質GDP伸び率予測値が修正され日本が-5.6%となり、米国は-2.8%と予想されていますので、この面では日本市場にとって2.8ポイント分の弱気材料です。
⑤8月4週の外人は買い越しでした。9月1週は売り越しだった可能性は高く、今週も売り越しが予想されます。
5つのポイントのうち先週は①③が弱気材料でした。今週も①③⑤がキーポイントと思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、6.2ポイント割安となり、先週比2.8ポイント拡大しました。
一目均衡表では、雲の上に在り、200日移動平均線乖離率は+14.1%となり先週と比較してプラス幅は4.3ポイント縮小し、総合乖離率は+14.4%となりプラス幅が縮小しました。3つがプラスですので中期上昇トレンドは、"青信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の下に在りますので、短期的にも"赤信号"です。
米国市場ではNY Dowは200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは一目均衡表の雲と200日線、25日線、9日線の上に在ります。短期的には"黄信号"で中期的には"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
先週は、民主党が圧勝して政局安定期待で一旦は買われましたが、一瞬でした。結局、米国市場の下落に連動して、日本市場も下げました。今週は、週初は小高く推移することが予想されますが、その後は、上海市場の下落や、米金融機関の財務不安が蒸し返されるリスクで一段下げも想定しておく必要がありそうです。


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