日経平均は米国市場の原油高を原因とするインフレ懸念による金利上昇と景気後退懸念による2ヶ月の下落(4月-6月)の後、一旦リバウンドして6月に200日線まで戻し、その後、ボリンジャー・バンドの下限と上限の範囲内で上下を繰り返し、直近は11月上旬に付けた安値を割って下落している状態から脱した段階です。昨日のNYSEとNASDAQが小幅高だったことと10月の鉱工業生産指数(速報)が市場予想平均に反して2カ月ぶりに上昇したことを受けて、日経平均は100円ほど高く寄り付き、その後も国内景気の減速懸念が後退したとの見方から、内需株中心に幅広い銘柄が上げ、結局220円高で引けました。外人は470万株の買い越しで、出来高も17.5億株と多少増加。安値更新銘柄数は連日減少し、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差はプラスに転換しました。今日の上昇で第一目標の25日移動平均線まで後150円と言うところまで戻してきました。しかし、まだ楽観はできません。9月末につけた安値15557円を割ることは当面回避したようですが、11月上旬に付けた安値15914円を割りましたので、依然として上昇トレンドには黄色信号が点灯した状態には変わりありません。それに、中間決算発表がほぼ終わった段階でも、期待に反して今期の増益率は3.0%と下方修正気味であることも変わりませんので、今後は、下期業績悪化懸念との綱引きとなりそうです。今日は、円高が一服したことも上昇の一因となったようです。中期的な展望ですが、中間決算は良好で経常益は今のところ前年同期比で+16%の増益ながら通期は3.0%の増益です。どうも通期予想に慎重な会社が多すぎます。下期がそんなに悪くなるようにも思えないと言う見方もあり、その場合、今期増益率はいずれ+10%程度に修正される可能性も有ると思われます。しかし、この結論は2月から3月の第三四半期決算発表を待たねばなりません。チャート的には、日経平均は目先、上昇に転じ、一目均衡表の雲の中に入り、200日移動平均線まで戻しました。総合乖離率ももう少しでプラスと云うところですので、中期的な上昇トレンドはまた黄色信号に戻ったというところでしょう。今後、米国市場が強い動きが続き、外人買いが入り、決算発表により増益率が大幅改善されれば、日経平均は、また上昇トレンドに復帰して、17000円を抜く上昇も考えられます。しかし、下期の業績予想に変化がなく、外人買いが入らない場合は、16500円を上限としたボックス相場となるとの見方が妥当でしょう。
《材料や参考銘柄、日経平均チャートについては左のLINKにある"YS総合研究所HP"も参考にしてください。》