日経平均の予想

Wednesday, February 23, 2022

[2022/02/24]今後の日経平均の見通し

[市況]

223日のNYDowNASDAQは大幅下落しました。224日の日経平均先物は、前日比130円安で寄り付くと、午前中は90円安から330円安と下落幅を拡げ、午後は280円安から680円安と下落幅を拡げて、結局500円安で取引を終えました。日経平均の終値は478円安の25970円で、出来高は15.94億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態ですが、売られ過ぎの水準です。

また、空売り比率は5日平均を4日連続で上回りました。個別銘柄への売り圧力はさらに強まりました。

 

223日の米国では、ロシアがウクライナ東部の親ロシア派支配地域への派兵を決定し、ウクライナ政府が非常事態宣言を発令する方針と伝わるなど、ウクライナ情勢が緊迫の度合いをますます高めていることから、景気敏感からハイテク株まで幅広い銘柄にリスク回避の売りが膨らみました。NYDowNASDAQ5日続落しました。

224日の日本市場では、ウクライナ情勢の緊迫化が投資家心理の重石となり、リスク回避の売りがかさみました。午後、プーチン大統領がウクライナ東部で特別軍事作戦を行うことを決めた、と発表し、軍施設へのミサイル攻撃が開始された、と伝わると、投資家のリスク回避姿勢がますます強まり、一段安となりました。日経平均は大幅に5日続落し、昨年来安値を更新しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-21.3%と前日よりマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-8.9%と前日よりマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+2.9ポイントと前日よりプラス幅を拡げ、日経平均が750円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの比較では、日経平均が3.4ポイント(日経平均換算で880円)割安となっています

 

日経VI29.09VIX31.02と、日米市場のボラティリティーは大幅に上昇しました。NYDowに対する日経平均の弱さは、前日より改善されました。ただ、VIX30を上回り、投資家の不安心理は最高レベルまで高まっています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.8、米国-3.2と日本が4.6ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.47ポイント(日経平均換算で5870円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP速報値は前期比年率6.9%増で、市場予想を上回りました。また、1012月期の米企業の決算は、今のところ好調な企業が目立ちます。

 

経済指標を見てみます。

2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、1月の鉱工業生産指数、1月の小売売上高、1月の消費者物価指数、1月のISM非製造業景況指数、1月のISM製造業景況指数、1月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。一方、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値、12月の製造業受注、12月の耐久財受注は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面で弱気材料です

 

米国の1月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比46.7万人増で、市場予想の12.5万人増を大きく上回りました。一方、失業率は4.0%で、先月の3.9%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面で弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

1月の中古住宅販売仮契約指数、12月の新築住宅販売件数は予想を上回りました。一方、1月の住宅着工件数、2月の住宅市場指数、12月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。また、12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+18.6%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに3回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末まで18500億ユーロ」に拡大しました。ただ、224月以降の資産購入額は現在の半分以下に減少する見込みです。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、218 0.4795 221 0.4638 222 0.4878と一服していますが、上昇傾向にあり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.6PBR1.16となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+29.5%で、こちらは3か月前より5.1ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して大幅に下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.5%となり、日経平均の割高幅は400円から140円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-130円から+400円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.68ポイントから1.70ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に下降トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に下降トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化していますが、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続していますが、202112月の理事会で、新型コロナウイルス対応で実施している追加の債券購入を20223月で終了することを決定しました。

 

224日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、1012月期のGDP改定値、1月の新築住宅販売件数のほか、モデルナなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、ウクライナ情勢や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを340円ほど下回り、下値は想定ラインを280円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-2σ+200円(現在26460円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-3σ(現在25820円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均を4営業日連続で上回り、売り圧力はさらに高まりました。日本市場のボラティリティーは上昇し、投資家の不安心理は極めて高い状態です。日経平均は、ボリンジャーバンド-2σをあっさり下回り、-3σまでの下げを想定せざるをえなくなりました。



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Monday, February 21, 2022

[2022/02/22]今後の日経平均の見通し

[市況]

221日のNYDowNASDAQは休場でした。222日の日経平均先物は、前日比570円安で寄り付くと、午前中は410円安から680円安と下落幅を拡げ、午後は710円安から460円安と下落幅を縮めて、結局510円安で取引を終えました。日経平均の終値は461円安の26449円で、出来高は11.39億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

また、空売り比率は5日平均を3日連続で上回りました。個別銘柄への売り圧力はさらに強まりました。

 

221日の米国はワシントン誕生記念日の祝日で、株式市場は休場でした。

222日の日本市場では、「プーチン大統領が、独立国家として承認したウクライナ東部の2地域にロシア軍を派遣するよう指示した」との報道を受け、投資家のリスク回避姿勢が強まり、主力の値がさ株を中心とした幅広い銘柄で売りが優勢となりました。米国市場の動きを見極めたいとの思惑から、午後は投資家の様子見姿勢が強まりました。日経平均は4日続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-16.7%と前日よりマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-7.2%と前日よりマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+1.2ポイントと前日よりプラス幅を縮め、日経平均が320円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの比較では、日経平均が4.4ポイント(日経平均換算で1160円)割安となっています

 

日経VI27.65VIX27.75と、日米市場のボラティリティーはほぼ同水準となりました。NYDowに対する日経平均の弱さは、前日より拡大されました。投資家の不安心理はますます強まっています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.5、米国-3.2と日本が4.3ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.18ポイント(日経平均換算で4800円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP速報値は前期比年率6.9%増で、市場予想を上回りました。また、1012月期の米企業の決算は、今のところ好調な企業が目立ちます。

 

経済指標を見てみます。

1月の鉱工業生産指数、1月の小売売上高、1月の消費者物価指数、1月のISM非製造業景況指数、1月のISM製造業景況指数、1月のシカゴ購買部協会景気指数、1月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値、12月の製造業受注、12月の耐久財受注は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面で弱気材料です

 

米国の1月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比46.7万人増で、市場予想の12.5万人増を大きく上回りました。一方、失業率は4.0%で、先月の3.9%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面で弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

1月の中古住宅販売仮契約指数、12月の新築住宅販売件数は予想を上回りました。一方、1月の住宅着工件数、2月の住宅市場指数、12月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。また、11月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+18.3%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに3回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末まで18500億ユーロ」に拡大しました。ただ、224月以降の資産購入額は現在の半分以下に減少する見込みです。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、216 0.4881 217 0.4810 218 0.4795と一服していますが、上昇傾向にあり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.0PBR1.18となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は+26.8%で、こちらは3か月前より7.3ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

前日のNYDowは休場でしたが、日経平均は大幅に下落しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.4%となり、日経平均は300円の割高から130円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-200円から+300円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.73ポイントから1.68ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に下降トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に下降トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化していますが、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続していますが、202112月の理事会で、新型コロナウイルス対応で実施している追加の債券購入を20223月で終了することを決定しました。

 

222日の米国市場では、12月のS&Pコアロジック/ケース・シラー住宅価格指数や、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数のほか、ホームデポなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、ウクライナ情勢や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを690円ほど下回り、下値は想定ラインを360円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ(現在26810円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ-200円(現在26180円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均を3営業日連続で上回り、売り圧力はさらに高まりました。日本市場のボラティリティーは上昇し、投資家の不安心理は依然として高い状態です。日経平均は、ボリンジャーバンド-2σにタッチしましたが、外部要因が不安定なので、弱含みの地合いがまだ続きそうです。



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Sunday, February 20, 2022

[2022/02/21]今後の日経平均の見通し

[市況]

218日のNYDowNASDAQは下落しました。221日の日経平均先物は、前日比380円安で寄り付くと、午前中は560円安から100円安と下落幅を縮め、午後は130円安から230円安の間でもみあって、結局150円安で取引を終えました。日経平均の終値は211円安の26910円で、出来高は9.39億株と比較的高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

また、空売り比率は5日平均を2日連続で上回りました。個別銘柄への売り圧力はさらに強まりました。

 

218日の米国市場では、北京冬季五輪の閉会式を20日に控え、ロシア軍によるウクライナ侵攻への警戒感が改めて高まり、リスク回避の動きが優勢となりました。3連休を前に買いを手控える投資家も多かったようです。NYDowNASDAQ3日続落しました。

221日の日本市場では、ウクライナ情勢の緊迫化を受けてリスク回避の売りが先行しましたが、「バイデン大統領がプーチン大統領との首脳会談を原則として受け入れた」と伝わると、株価指数先物に買い戻しが入って下げ渋りました。午後は手がかり難から膠着した相場となりました。日経平均は3日続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-12.2%と前週末よりマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-5.7%と前週末よりマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+2.7ポイントと前週末よりプラス幅を拡げ、日経平均が730円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの比較では、日経平均が2.9ポイント(日経平均換算で780円)割安となっています

 

日経VI25.95VIX27.75と、米国市場のボラティリティーのほうが高い状態です。NYDowに対する日経平均の弱さは、前週末より改善されました。ただ、投資家の不安心理は依然として高い状態です。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.4、米国-3.2と日本が4.2ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.10ポイント(日経平均換算で4590円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP速報値は前期比年率6.9%増で、市場予想を上回りました。また、1012月期の米企業の決算は、今のところ好調な企業が目立ちます。

 

経済指標を見てみます。

1月の鉱工業生産指数、1月の小売売上高、1月の消費者物価指数、1月のISM非製造業景況指数、1月のISM製造業景況指数、1月のシカゴ購買部協会景気指数、1月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値、12月の製造業受注、12月の耐久財受注は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面で弱気材料です

 

米国の1月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比46.7万人増で、市場予想の12.5万人増を大きく上回りました。一方、失業率は4.0%で、先月の3.9%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面で弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

1月の中古住宅販売仮契約指数、12月の新築住宅販売件数は予想を上回りました。一方、1月の住宅着工件数、2月の住宅市場指数、12月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。また、11月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+18.3%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに3回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末まで18500億ユーロ」に拡大しました。ただ、224月以降の資産購入額は現在の半分以下に減少する見込みです。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、216 0.4881 217 0.4810 218 0.4795と一服していますが、上昇傾向にあり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.3PBR1.20となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は+26.6%で、こちらは3か月前より8.1ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.1%となり、日経平均の割高幅は220円から300円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-290円から+300円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.77ポイントから1.73ポイントに縮小しました。ドル円相場は、やや円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に下降トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に下降トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化していますが、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続していますが、202112月の理事会で、新型コロナウイルス対応で実施している追加の債券購入を20223月で終了することを決定しました。

 

221日の米国はワシントン誕生記念日の祝日で、株式市場は休場です。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを410円ほど下回り、下値は想定ラインを210円ほど下回りました。目先は、25日線(現在27310円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-200円(現在26660円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均を2営業日連続で上回り、売り圧力はさらに高まりました。日本市場のボラティリティーは上昇し、投資家の不安心理は依然として高い状態です。日経平均は、ウクライナ情勢次第という面が大きいですが、弱含みの地合いが続きそうです。



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Saturday, February 19, 2022

[2022/02/20]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタルの現状認識]

先週の米国市場では、インフレの進行とロシア軍によるウクライナ侵攻への警戒感から、連続して株価指数は下落しました。

週間変動率 NYダウ:-1.90%, NASAQ:-1.76%, S&P500:-1.58%.

 

一方、中長期的には、エネルギー・コスト、生産・供給コスト上昇によるインフレ加速懸念と、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、サプライチェーン混乱などによる世界経済の減速懸念もあります。このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東、ウクライナの地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2023年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が1.05ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER19.7に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER13.3との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

これは、現在の日経平均の価格に対して、2022年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに1.05ポイント拡大するか(日本が下方修正又は米国が上方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER15.5程度になるか、又は、日経平均が31540円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は4420円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は4420円分、魅力に欠けるとも言えます。

日本市場の弱さは拡大しました。

 

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大と一段の円安

OECDによる日本の2023GDP予測値(現在+1.8%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。NASDAQの週足は陰線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。今週は、NYDow25日線の上戻れるか否かに注目したいと思います。

  四半期決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は9.1%となりました。3ヶ月前に比べて同水準です。また、利益伸び率は+26.6%3ヶ月前に比べて7,3ポイント悪化しています。

  米国の長期金利が低下し、日米間の金利差は1.72から1.72と変わらず、ドル円は115円から114円範囲で円高方向に動きました。ドル・インデックスは週間で+0.07%%上昇しました。

  OECDの日米の2023年の名目GDP伸び率予測が公開されて、日本が+1.8%で、米国は+4.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が3.1ポイント劣ります。

  2月第2週は売り越しで、2月第3週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①と②が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に3.4ポイント(日経平均に勘算すると920円程度)割高です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に2.2ポイント(日経平均に勘算する600円程度)割安です。

週間では米国市場に対する日本市場の弱さが改善しました。米国市場のボラティリティーは高く、VIX27と先週と同水準です。投資家の不安心理は高い状態が続いています。

 

日経平均は、25日線と9日線の下にあります。短期トレンドには”赤信号”が点灯しています。

一目均衡表の雲の下に在ります。総合乖離率は-10.3%となり先週と比較してマイナス幅は拡大しました。200日移動平均線との乖離率は-5.0%で、マイナス幅は拡大しました。3つの要素がマイナスですので、中期トレンドには、"赤信号"が点灯しています。

 

米国市場ではNYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。

短期的には赤信号で、中期的にも赤信号が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界経済減速懸念、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、米中貿易摩擦、北朝鮮の問題、などの懸念は後退しているものの、米国の利上げ、長期金利の上昇、原油相場の上昇、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東やウクライナ、東アジアの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

 

直近のLIBOR金利は上昇傾向で、引き続き注意が必要です。20203月にも、短期金利が低下しているにも関わらずLIBOR金利は上昇したことから、金融不安再燃の可能性が意識されていました。

 

一方、好材料としては米国政府による大規模の経済対策があげられます。また、日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と無制限の国債と12兆円までのETF購入などの金融緩和措置に加え、日本政府による経済対策があります。さらに、EUによる92兆円のコロナ復興基金設立とECBによるマイナス金利の深堀と量的緩和の継続などが揚げられます。ただ、ECBFRB債券購入の減額を決め、利上げ時期を探っています。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。日本市場は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。

 

為替市場を分析すると、2020年は、ゆるやかに円高方向に動いていましたが、2021年に入り、円安方向に反転しています。今週は115円台から114円台が想定されます。

 

今週は、米国の1月の個人消費支出・個人所得やPCEデフレータが注目されそうです。また、ユーロ圏・米国PMIが発表され、ニュージーランドの中央銀行が金融政策の決定を行う予定です。その他の経済指標では、米国の住宅価格指数、消費者信頼感指数、耐久財受注も発表されます。一方、市場のボラティリティーの高さは継続すると予想されます。

 

先週の日経平均は、ほぼ想定レンジ内で推移しました。上値は想定ラインを30円ほど上回り、下値は想定ラインを370円ほど上回りました。今週の日経平均の想定範囲は、上値が25日線(現在27460円近辺)で、下値がボリンジャーバンド -2σ(現在26430円近辺)の間での動きが想定されます。

 

今週も、ボラティリティー・インデックスは高いままと思われますので、ボリンジャーバンド -2σ近辺までの下落がありそうです。


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