日経平均の予想

Sunday, June 06, 2021

[2021/06/07]今後の日経平均の見通し

[市況]

64日、NYDowNASDAQは上昇しました。67日の日経平均先物は、前日比300円高で寄り付くと、午前中は350円高から20円高と上昇幅を縮め、午後は150円高から50円高の間でもみあって、結局90円高で取引を終えました。日経平均の終値は77円高の29019円で、出来高は9.46億株と比較的低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

 

64日の米国市場では、買いが優勢となりました。5月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想を下回ったことから、量的緩和の縮小が早まるとの観測がいったん後退しました。また、長期金利の低下を受け、ハイテクなど高PER銘柄が買われました。NYDowNASDAQは反発しました。

67日の日本市場では、前週末の米株式相場の上昇を受けて買いが先行しました。ただ、米国のインフレ懸念は根強く、朝高後は利益確定の売りが相場の重石となりました。午後は動意薄の展開となり、ハイテク株の一角への買いが相場を支えました。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+8.8%と前週末よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+8.1%と前週末よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

一方、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に出ました。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドも黄信号から青信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-0.5ポイントとマイナスに転換し、中長期的には日経平均が150円ほど割安であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較では、日経平均が4.5ポイント(日経平均換算で1310円)割安となっています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-6.9、米国-2.9と日本が4.0ポイント割安ですが、OECD2021年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より2.43ポイント(日経平均換算で15450円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率6.4%増で、速報値と一致しました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

5月のISM非製造業景況指数、5月のISM製造業景況指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、5月のミシガン大学消費者信頼感指数確定値は市場予想と一致しました。一方、4の製造業受注4月の耐久財受注、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月の小売売上高、4月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は56負で、景気面ではやや弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面ではやや強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比55.9万人増で、市場予想の65万人増を下回りました。一方、失業率は5.8%で、先月の6.1%から改善されました。雇用は、景気面ではやや弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面ではやや強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

5月の住宅市場指数は市場予想と一致しました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の新築住宅販売件数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+13.3%で、市場予想の+12.3%を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。このところ、長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこれに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れると変更しています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、62 0.1340 63 0.1307 64 0.1282と落ち着いており、金融不安の気配はありません。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.3PBR1.25なっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より3.0ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+27.1%で、こちらは3か月前より21.9ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.1%とマイナス幅を縮め、日経平均の割安幅は210円から30円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-230円から+10円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.54ポイントから1.50ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

67日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、仮想通貨の値動きや長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインとほぼ一致し、下値は想定ラインを340円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+200円(現在29340円近辺)が上値の目安に、25日線+100円(現在28740円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Saturday, June 05, 2021

[2021/06/06]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタルの現状認識]

先週の米国市場は、長期金利の上下動の影響を受けましたが、新型コロナウイルスワクチンの接種が進み、経済活動が正常化するとの期待から株価指数は上昇しました。

一方、中長期的には、過剰流動の副作用によるインフレ懸念、ファンドなどのディフォルトによる銀行の信用力不足と信用収縮懸念があります。また、中国の不動産バブル崩壊懸念と景気減速、貿易戦争などによる世界経済の減速懸念もあります。さらに、東アジア、中東、ウクライナの地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。


日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2021年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が2.47ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER22.5に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER14.2との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

これは、現在の日経平均の価格に対して、2021年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに2.47ポイント拡大するか(日本が下方修正又は米国が上方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER21.8程度になるか、又は、日経平均が44480円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は15540円ほど割安です。

 

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇、

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大と一段の円安、

OECDによる日本の2021GDP予測値(現在+2.72%)の上方修正、

⑤外人の買い越し、

 

最近の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NYDow25日線の上を維持できるか否かに注目したいと思います。

  四半期決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は8.8%となりました。3ヶ月前に比べて3.0ポイント改善しています。また、利益伸び率は+27.1%3ヶ月前に比べて22.2ポイント改善しています。

  米国の長期金利は低下し、日米の金利差は 1.52から1.48と縮小して、為替は110円台から109円台で円高方向に動きました。

  OECDの日米の2021年の名目GDP伸び率予測が改定されて、日本が+2.72%で、米国は+4.35%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.63ポイント劣ります。

  5月第4週は買い越しで、6月第1週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に0.7ポイント(日経平均に勘算すると200円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に4.7ポイント(日経平均に勘算する1360円程度)割安です。

 

日経平均は、一目均衡表の雲の下に在ります。総合乖離率は+8.0%となり先週と比較してプラス幅が縮小しました。200日移動平均線乖離率は+7.9%でプラス幅は縮小しました。2つの要素がプラスですので、中期トレンドは、"黄信号"が点灯しています。

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドは、"青信号"が点灯しています。

 

米国市場ではNYDowは、200日線・25日線・9日線の上にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線・25日線・9日線の上にあります。一目均衡表の雲の上在ります。

短期的には青信号"で、中期的には青信号"が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると米国の利上げ、米中貿易摩擦、北朝鮮の問題、などの懸念は後退しているものの、長期金利の上昇傾向、原油相場の上昇、ハイ・イールド債市場の下落、信用収縮に伴う金融市場混乱、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、貿易戦争に伴う世界経済減速懸念、中東や東アジアの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

 

直近のLIBOR金利は落ち着いており、金融不安の兆候はありません。20203月には、短期金利が低下しているにも関わらずLIBOR金利は上昇したことから、金融不安再燃の可能性が意識されていました。

 

一方、好材料としては米国のゼロ金利政策とジャンク債購入を含むFRBによる企業への直接的金融支援や2兆ドルの経済対策。日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と無制限の国債や0から12兆円のETF購入などの金融緩和措置に加え、日本政府によるリーマンショック時を超える経済対策やEUによる92兆円のコロナ復興基金設立とECBによるマイナス金利の深堀と量的緩和の拡大表明などが揚げられます。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。日本市場は中期もみあいで、短期は上昇トレンドです。

 

為替市場を分析すると、2020年は、ゆるやかに円高方向に動いていましたが、2021年に入り、急速に円安方向に反転していましたが、ここ8週はもみあっています。今週は109円台から110円台が想定されます。

 

611-13日に開催されるG7首脳会議に向けて、G7財務大臣は土曜日に世界の税制を改革するという歴史的な合意に達しました。今週は、ユーロ圏、カナダ、ロシアの金融政策決定会合が注目されるほか、日本、ユーロ圏、英国のGDPの更新値も発表されます。その他の重要な発表としては、米国と中国のインフレ率と貿易データ、米国とオーストラリアの消費者心理、ドイツとインドの工業生産高、日本の経常収支などがあります。

 

先週の日経平均は、想定レンジをやや下回りました。上値は想定ラインを510円ほど下回り、下値は想定ラインを80円ほど下回りました。今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド +2σ(現在29640円近辺)で、下値が25日線(現在28640円近辺)の間での動きが想定されます。


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Friday, June 04, 2021

[2021/06/04]今後の日経平均の見通し

[市況]

63日、NYDowNASDAQは下落しました。64日の日経平均先物は、前日比140円安で寄り付くと、午前中は140円安から310円安の間でもみあい、午後は180円安から70円安の間でもみあって、結局140円安で取引を終えました。日経平均の終値は116円安の28941円で、出来高は10.57億株と比較的高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

 

63日の米国市場では、長期金利の上昇を受けて金融株が買われた一方、高PERのハイテク株が売られ、相場の重石となりました。4月のADP全米雇用リポートや週間の新規失業保険申請件数、5月のISM非製造業景況指数など、良好な経済指標の発表が相次いだことから、量的緩和の縮小が早期におこなわれるとの観測が高まりました。NYDow6営業日ぶりに反落し、NASDAQも反落しました。

64日の日本市場では、前日の米株式相場がハイテク株を中心に下落した流れが引き継がれ、高PERの成長株を中心に売りが優勢となりました。一方で、自動車や海運など景気敏感株の一角が上昇し、相場を下支えしました。日経平均は3日ぶりに反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+8.0%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+7.9%と前日よりプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

一方、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の中に入りました。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドも青信号から黄信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.6ポイント拡大して+0.8となり、中長期的には日経平均が230円ほど割高であることを示しています。一方、日経平均とNYDowとの比較では、日経平均が4.2ポイント(日経平均換算で1220円)割安となっています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.0、米国-2.8と日本が4.2ポイント割安ですが、OECD2021年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より2.53ポイント(日経平均換算で16190円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率6.4%増で、速報値と一致しました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

5月のISM非製造業景況指数、5月のISM製造業景況指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、5月のミシガン大学消費者信頼感指数確定値は市場予想と一致しました。一方、4月の耐久財受注、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月の小売売上高、4月の鉱工業生産指数、3の製造業受注は市場予想を下回りました。経済指標は56負で、景気面ではやや弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面ではやや強気材料です。

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比26.6万人増で、市場予想の97.8万人増を大きく下回りました。また、失業率は6.1%で、先月の6.0%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

5月の住宅市場指数は市場予想と一致しました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の新築住宅販売件数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+13.3%で、市場予想の+12.3%を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。このところ、長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこれに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れると変更しています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、528 0.1313 61 0.1285 62 0.1340と落ち着いており、金融不安の気配はありません。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.2PBR1.24なっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より3.0ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+27.2%で、こちらは3か月前より22.2ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.7%とマイナスに転換し、日経平均は10円の割高から210円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-230円から+10円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.51ポイントから1.54ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的にもみあいです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

64日の米国市場では、5月の雇用統計や、4月の製造業受注が注目されるでしょう。引き続き、仮想通貨の値動きや長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを350円ほど下回り、下値は想定ラインを30円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在29240円近辺)が上値の目安に、25日線(現在28630円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Wednesday, June 02, 2021

[2021/06/03]今後の日経平均の見通し

[市況]

62日、NYDowNASDAQは小幅上昇しました。63日の日経平均先物は、前日比60円安で寄り付くと、午前中は70円安から220円高の間で上下し、午後は70円高から170円高と上昇幅を拡げて、結局140円高で取引を終えました。日経平均の終値は111円高の29058円で、出来高は10.92億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

 

62日の米国市場では、景気の先行きへの楽観的な見方から、消費関連や石油株が買われました。また、長期金利の低下を受け、高PERのハイテク株や、利回り狙いの投資家が多いディフェンシブ株の一角が買われました。ただ、高値警戒感から売りも出やすく、相場の上値は限定的でした。NYDow5日続伸し、NASDAQは小反発しました。

63日の日本市場では、業績好調な景気敏感株や半導体関連株が買われ、相場を押し上げました。ただ、日経平均が心理的な節目の29000円に近付くと利益確定の売りが出やすかったほか、きょう深夜に発表される5月のADP全米雇用リポートを見極めたいとの思惑もあり、積極的に上値を追う動きは限定的でした。日経平均は続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+9.4%と前日よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+8.5%と前日よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+0.2ポイントとプラスに転換しました。中長期的には両指数がほぼ均衡していることを示しています。一方、日経平均とNYDowとの比較では、日経平均が3.8ポイント(日経平均換算で1100円)割安となっています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.0、米国-2.8と日本が4.2ポイント割安ですが、OECD2021年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より2.50ポイント(日経平均換算で15950円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率6.4%増で、速報値と一致しました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

5月のISM製造業景況指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、5月のミシガン大学消費者信頼感指数確定値は市場予想と一致しました。一方、4月の耐久財受注、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月の小売売上高、4月の鉱工業生産指数、4月のISM非製造業景況指数、3の製造業受注は市場予想を下回りました。経済指標は47負で、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です。

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比26.6万人増で、市場予想の97.8万人増を大きく下回りました。また、失業率は6.1%で、先月の6.0%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

5月の住宅市場指数は市場予想と一致しました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の新築住宅販売件数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+13.3%で、市場予想の+12.3%を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。このところ、長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこれに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れると変更しています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、527 0.1346 528 0.1313 61 0.1285と落ち着いており、金融不安の気配はありません。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.2PBR1.24なっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より2.9ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+27.5%で、こちらは3か月前より22.3ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.1%とプラスに転換し、日経平均は120円の割安から10円の割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-230円から+10円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.54ポイントから1.51ポイントに縮小しましたが、ドル円相場はやや円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

63日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、5月のADP全米雇用リポート、5月のISM非製造業景況指数のほか、ブロードコムなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、仮想通貨の値動きや長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを200円ほど下回り、下値は想定ラインを240円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+200円(現在29350円近辺)が上値の目安に、25日線+100円(現在28740円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Tuesday, June 01, 2021

[2021/06/02]今後の日経平均の見通し

[市況]

61日、NYDowは上昇し、NASDAQは小幅下落しました。62日の日経平均先物は、前日比30円安で寄り付くと、午前中は200円安から210円高と上昇に転じ、午後は260円高から140円高の間でもみあって、結局170円高で取引を終えました。日経平均の終値は131円高の28946円で、出来高は12.49億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

 

61日の米国市場では、新型コロナウイルスのワクチンを2回接種した人が成人の5割を超え、新規感染者数の減少も鮮明であるとして、経済活動正常化への期待が高まり、景気敏感株を中心に買いが優勢となりました。5月のISM製造業景況指数が好不況の境目である50を大きく上回ったことも好感されました。一方で、長期金利の上昇を受けて高PERのハイテク銘柄の一角は売られました。NYDowは小幅に4日続伸し、NASDAQは小幅に反落しました。

62日の日本市場では、朝方こそ利益確定の売りが先行しましたが、ワクチン接種の進展を背景とした経済正常化への期待に支えられ、次第に買いが優勢となりました。ただ、日経平均が節目の29000円に近付く場面では戻り待ちの売りや利益確定の売りが相場の上値を抑えました。週末に発表される5月の米雇用統計を見極めたいとの思惑もあったようです。日経平均は3営業日ぶりに反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+8.3%と前日よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+8.2%と前日よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.6ポイント縮小して-0.1となり、中長期的には両指数がほぼ均衡していることを示しています。一方、日経平均とNYDowとの比較では、日経平均が4.2ポイント(日経平均換算で1220円)割安となっています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.1、米国-2.8と日本が4.3ポイント割安ですが、OECD2021年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より2.60ポイント(日経平均換算で16610円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率6.4%増で、速報値と一致しました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

5月のISM製造業景況指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、5月のミシガン大学消費者信頼感指数確定値は市場予想と一致しました。一方、4月の耐久財受注、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月の小売売上高、4月の鉱工業生産指数、4月のISM非製造業景況指数、3の製造業受注は市場予想を下回りました。経済指標は47負で、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です。

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比26.6万人増で、市場予想の97.8万人増を大きく下回りました。また、失業率は6.1%で、先月の6.0%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

5月の住宅市場指数は市場予想と一致しました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の新築住宅販売件数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+13.3%で、市場予想の+12.3%を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。このところ、長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこれに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れると変更しています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、526 0.1350 527 0.1346 528 0.1313と落ち着いており、金融不安の気配はありません。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.0PBR1.24なっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より2.9ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+27.3%で、こちらは3か月前より22.1ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.4%となり、日経平均の割安幅は230円から120円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-300円から-10円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.54ポイントから1.54ポイントと横ばいでした。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

62日の米国市場では、ベージュブックなどが注目されるでしょう。引き続き、仮想通貨の値動きや長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを50円ほど下回り、下値は想定ラインを20円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+200円(現在29350円近辺)が上値の目安に、25日線(現在28640円近辺)が下値の目安になりそうです。



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