日経平均の予想: [2023/09/06]今後の日経平均の見通し

Friday, September 06, 2024

[2023/09/06]今後の日経平均の見通し

[市況]

95日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました96日の日経平均先物は、前日比390円高で寄り付くと、午前中は430円高から140円安と下落に転じ、午後は60円高から370円安と下落幅を拡げて、結局、250円安で取引を終えました。日経平均の終値は265円安の36391円で、出来高は16.84億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均と一致しました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや弱まりました。

 

95日の米国市場では、8月のADP全米雇用リポートで雇用者数が市場予想を下回ったことから、6日発表の雇用統計も労働市場の減速を示すとの警戒感が強まり、主力株に売りが強まりました。もっとも、金融緩和が景気を下支えするとの期待は根強く、売り一巡後は見直し買いも入りました。また、長期金利の低下を受けてハイテク株が買われました。結局、NYDowは反落し、NASDAQは反発しました。

96日の日本市場では、外国為替市場の円高ドル安進行が重石となり、輸出関連株を中心に売りが広がりました。また、米半導体大手ブロードコムが決算発表後の時間外取引で下落したことが嫌気され、値がさの半導体関連株にも売りが向かいました。8月の米雇用統計の発表を前に、手じまい売りも出たようです。日経平均は4日続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-10.0%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-2.9%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-7.6ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2770円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-7.9ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2870円ほど割安であることを示しています

 

日経VI28.97と前日より上昇し、VIX19.90と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を大きく上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.8、米国-0.6と日本が5.2ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+3.9)1.0ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.16ポイント(日経平均換算で61370円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP改定値は前期比年率3.0%増で、速報値の2.8%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

8月のISM非製造業景況指数、7月の製造業受注、8月のシカゴ購買部協会景気指数、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、7月の耐久財受注、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の小売売上高は市場予想を上回りました。一方、8月のISM製造業景況指数、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、7月の鉱工業生産指数、7月の消費者物価指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げが遅れるという面では弱気材料です

 

米国の7月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.4万人増で、市場予想の17.5万人増を下回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げ次期が早まるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

7月の新築住宅販売件数、7月の中古住宅販売件数、6月の中古住宅販売仮契約指数は予想を上回りました。一方、7月の住宅着工件数、8月の住宅市場指数は予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+6.5%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利下げ次期が遅れるという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

市場は、FRB2024年内に複数回の利下げをおこなう可能性を意識しており、9月利下げ開始への期待を高めています。ECBは、利下げを開始しましたが、追加の利下げには慎重な姿勢を示しています。一方、日銀は、2%のインフレ目標を達成できる見通しがついたとして、利上げに踏み切りました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、今年に入り上昇を続けています。直近では92 5.2782% 93 5.2731% 94 5.2560%と、ここ5年の最高値圏で推移しています。なお、202199日の0.1141%が直近の最低金利で、20231010日に記録した5.6873%がここ5年間の最高金利です。米国債金利と比べ、金融不安を示唆するレベルまで上昇していますが、直近ピークアウトしています。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.08PBR1.32となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+2.0%で、こちらは3か月前より1.3ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.1%となり、日経平均の割安幅は140円から50円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-170円~+1350円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.89ポイントから2.87ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。欧米の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。不動産企業の破綻と地方政府の財政問題が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、景気が減速ぎみに推移しており、FRBが利下げに転換する時期を探る動きとなっています。対ドルで円安が進みにくい状況です。尚、ECBは利下げに踏み出しています

 

96日の米国市場では、8月の雇用統計が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを450円ほど下回り、下値は想定ラインを290円ほど上回りました。目先は、25日線+200円(現在37150円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ+500円(現在35740円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

日経VIは、以前として高水準にあり、前日比で上昇しました。一方、信用の売り圧力は、やや弱まりました。日経平均は4日続落しました。2番底を探る展開がまだ続きそうです。



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