日経平均の予想: [2012/01/15]今週の日経平均の見通しと想定レンジ

Saturday, January 14, 2012

[2012/01/15]今週の日経平均の見通しと想定レンジ



[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、ユーロ圏加盟国の国債の格付けを引き下げ報道などネガティブ材料がでたものの上昇しました。一方、中長期的には、先進国の緊縮財政による消費や雇用の改善の遅れ、欧州の財政問題からの金融不安再燃による信用収縮懸念や中東の地政学的リスクが、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性が残されています。
2012年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は、日本市場が0.05ポイント割安とほぼ均衡しています。その要因はS&P500PER13.0で、東証1部平均のPER15.1の差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、震災の復興などの影響で日本の2012年のGDP予想値が2.1%程度になる(又は、日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ0.05%減少する)ことが織り込まれているとも解釈できます。


[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大、
④日本の2011GDP予測値(現在-0.9%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陽線となりました。今週も、EU諸国の国債の金利上昇が続くかどうかや格下げの影響が米株式相場に影響しそうですが、Nasdaq が今後も200日線を上回って推移できるか否かがカギとなりそうです。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は7-9月期の決算発表に伴い-0.7%と伸びが止まり、今期ROE予想値も7.4%から6.3%へ悪化しています。
   日米とも長期金利は下落傾向となり、日米の金利差は0.98%から0.92%と拡大したものの、為替は77円台から76円台でもみ合う動きでした。今週も76円台から77円台の動きとなりそうです。
   OECDによる日米の2012年の実質GDP伸び率は改定され日本が+2.1%で、米国は+1.9%と予想されていますので、この面では日本市場の0.2ポイント好材料です。
   11週は買い越しで、12週は売り越しだった可能性が高く、今週も売り越しが予想されます。
5つのポイントのうち①が強気材料で②が弱気材料でした。今週も、①②③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、9.1ポイント割安となりました。先週比0.2ポイント割安幅は拡大しました。
日経平均は、一目均衡表の雲の下に在ります。200日移動平均線乖離率は-7.0%となり先週と比較してマイナス幅が縮小しました。総合乖離率は-7.5%となりマイナス幅が縮小しました。3つがマイナスですので中期トレンドは、赤信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の上に在ります。短期的トレンドには"青信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dow200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には青信号"で中期的にも"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると、アフリカ・中東政情不安、資源高、新興国の利上などのリスクはやや後退しているものの欧州の政府債務問題、世界景気後退懸念、不動産市場の低迷、雇用指標の停滞が悪材料となっています。ただ、好材料としては、FRBによる金融緩和が2013年まで継続する見通しの中、7-9月期の企業決算は概ね好調である点と10-12月の経済指標が落ち着きてきた点が挙げられます。一方、日本市場の7-9月期の企業決算では今期業績の伸び率が鈍化してきており、日本市場が弱い一因となっています。テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドとなっています。日本市場は中期下降トレンドで、短期は上昇トレンドとなっています
目先の状況を分析すると、EU政府債務問題による金融危機については、LIBORのドル3ヶ月物金利は上昇が止まり、金融危機懸念は落ち着く気配も見え始めました。金利低下が続くか要注目です。一方、先週の為替はもみ合いでした。日米金利差は拡大傾向で円高圧力は弱まりつつあります。
先週の米国市場は、EU政府債務問題で好悪材料が入り乱れましたが上昇しました。今週からは米主要企業の決算発表も注目点です。
先週の日経平均は、想定よりやや上ぶれし25日線を上回りました。ただ、ユーロ安の影響で米国市場の動きに比べ弱い状態は続いています。今週の日経平均も、欧州債務問題と景気指標や米企業の決算の行方に左右される米国市場や為替などを睨んだ動きとなりそうです。特に、ギリシャの債務交換交渉が非常に大きな焦点になりそうで、今週は上値が25日線(現在8480近辺)で、下値はボリンジャーバンド-2σ(現在8270近辺)が想定されます



ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
右のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら世界の市場のリアルチャート

注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください。