日経平均の予想

Tuesday, April 25, 2023

[2023/04/25]今後の日経平均の見通し

[市況]

424日、NYDowは上昇し、NADSAQは下落しました。425日の日経平均先物は、前日比90円高で寄り付くと、午前中は210円高から70円高の間で上下し、午後は110円高から20円高と上昇幅を縮めて、結局、30円高で取引を終了しました。日経平均の終値は26円高の28620円で、出来高は9.62億株と比較的高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態ですが、買われ過ぎの水準です。

空売り比率は5日平均を2日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱い状態です。

 

424日の米国市場では、主力ハイテク株を含む主要企業の決算発表がピークを迎えるのを前に、様子見ムードが強まりました。13月期のGDP速報値や3月の個人消費支出(PCE)物価指数など、FRBの金融政策を左右する経済指標を見極めたいとの思惑もあり、株価指数は方向感なく推移しました。結局、NYDowは小幅に続伸し、NASDAQは反落しました。

425日の日本市場では、主力企業の好決算を受けて投資家心理が上向き、幅広い銘柄に買いが先行しました。政府の補助を受けると伝わった半導体関連銘柄も買われました。ただ、日経平均は年初来高値圏にあり、個人投資家を中心に利益確定の売りも出て相場の上値を抑えました。米金融不安再燃への警戒感も重石となりました。結局、日経平均は小幅に続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+10.1%とプラス幅をやや縮め、200日線との乖離率は+4.1%とプラス幅をやや拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上あります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は-0.9ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が260円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は+0.4ポイントで、日経平均が110円ほど割高であることを示しています

 

日経VI16.23と低下し、VIX16.89と上昇しました。両指数ともに、不安心理の高まりを示す20を下回っています。NYDowと比べて、日経平均は強い状態であり、前日比で強さは横ばいでした。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-6.9、米国-1.8と日本が5.1ポイント割安ですが、OECD2024年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+3.5)1.0ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.01ポイント(日経平均換算で34710円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率2.6%増で、改定値の2.7%増から下方修正されました。一方、1012月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

4月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月の鉱工業生産指数、4月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月のシカゴ購買部協会景気指数、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指は市場予想を上回りました。一方、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数数、3月の小売売上高、3月の消費者物価指数、3月のISM非製造業景況指数、2月の製造業受注、3月のISM製造業景況指数、2月の耐久財受注は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利上げ圧力が弱まるという面では強気材料です

 

米国の3月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比23.6万人増で、市場予想の23.0万人増をやや上回りました。また、失業率は3.5%で、先月の3.6%から改善されました。雇用は、景気面ではやや強気材料ですが、利上げ圧力が強まるという面ではやや弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の住宅着工件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、3月の中古住宅販売件数、2月の新築住宅販売件数数は予想を下回りました。1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+2.5%で、市場予想と一致しました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利上げ圧力が強まるという面では弱気材料です。

 

新型コロナウイルス騒動に端を発する景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB20235月まで利上げを継続すると予想されています。また、量的引き締めも加速しています。ECBは、3月の理事会で3回連続となる0.5%の利上げを決定しました。また、6月にかけて保有資産を150億ユーロ規模で削減する方針です。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続するなど、金融緩和策を維持しています。ただ、2212月の金融政策決定会合で、長期金利の許容変動幅をプラスマイナス0.5%に拡大することを決めました。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、今年に入り上昇を続けています。直近では419 5.2614% 420 5.2727% 421 5.2551%と、ここ5年の最高値圏で推移しています。なお、202199日の0.1141%が直近の最低金利で、2023420日に記録した5.2727%がここ5年間の最高金利です。米国債金利と比べ、金融不安を示唆するレベルまで上昇してきており、警戒が必要です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.67PBR1.22となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前と同水準です。また、今期予想利益の伸率は+3.2%で、こちらは3か月前より1.5ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.6%となり、日経平均の割安幅は190円から170円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-360円から-80円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.09ポイントから3.01ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的・中期的に上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、インフレ対策を目的としたFRBの政策変更により金融緩和は収束に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBは量的緩和政策を終了し、量的引き締めの検討を開始しています

 

425日の米国市場では、2月のS&Pコアロジック/ケース・シラー住宅価格指数や、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月の新築住宅販売件数のほか、アルファベット、マイクロソフト、ビザ、ゼネラル・エレクトリック、ゼネラルモーターズ、テキサス・インスツルメンツ、バイオジェン、マクドナルド、スリーエム、ベライゾン・コミュニケーション、ハリバートン、イルミナなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを30円ほど下回り、下値は想定ラインを330円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ(現在28940円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-200円(現在28290円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

信用の売り圧力は、かなり弱い状態です。また、日米市場の不安心理は後退しています。きょうの日経平均は小幅に続伸しました。引き続き、主要企業の今期業績見通しに左右される相場となりそうです。ただ、買われ過ぎを示すテクニカル指標が増えてきており、材料次第では急落もありそうです。


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Monday, April 24, 2023

[2023/04/24]今後の日経平均の見通し

[市況]

421日、NYDowNADSAQは小幅上昇しました。424日の日経平均先物は、前日比70円高で寄り付くと、午前中は0円高から120円高の間でもみあい、午後は80円高から10円安と一時下落に転じて、結局、30円高で取引を終了しました。日経平均の終値は29円高の28593円で、出来高は8.27億株と比較的低水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱まりました。

 

421日の米国市場では、13月期決算で売上高が市場予想を上回ったP&G3%高となり、相場を支えました。一方、4月の製造業PMIが市場予想を上回ったことから、金融引き締めが長期化し景気が悪化するとの懸念が強まり、売りが優勢となる場面もありました。大手ハイテク企業の決算発表が来週に控えていることもあり、積極的に持ち高を傾ける動きは限定的でした。結局、NYDow4日ぶりに小幅に反発し、NASDAQも小幅に反発しました。

424日の日本市場では、主要企業の決算発表や日銀の金融政策決定会合を前に様子見ムードが強まるなか、景気や金融政策の影響を受けにくいとされる医薬品株が買われました。大型連休を意識した空運、陸運株への買いも目立ちました。一方、海運株や半導体関連株は売られ、相場の重石となりました。結局、日経平均は小幅に反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+10.2%とプラス幅をやや縮め、200日線との乖離率は+4.0%と前週末比横ばいでした。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上あります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は-1.3ポイントとマイナス幅をやや拡げ、日経平均が370円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は+0.4ポイントとややプラス幅を縮め、日経平均が110円ほど割高であることを示しています

 

日経VI16.35と上昇し、VIX16.77と低下しました。両指数ともに、不安心理の高まりを示す20を下回っています。NYDowと比べて、日経平均は強い状態ですが、前週末より強さはやや縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-6.9、米国-1.7と日本が5.2ポイント割安ですが、OECD2024年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+3.5)1.0ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.08ポイント(日経平均換算で36190円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率2.6%増で、改定値の2.7%増から下方修正されました。一方、1012月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

4月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月の鉱工業生産指数、4月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月のシカゴ購買部協会景気指数、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指は市場予想を上回りました。一方、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数数、3月の小売売上高、3月の消費者物価指数、3月のISM非製造業景況指数、2月の製造業受注、3月のISM製造業景況指数、2月の耐久財受注は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利上げ圧力が弱まるという面では強気材料です

 

米国の3月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比23.6万人増で、市場予想の23.0万人増をやや上回りました。また、失業率は3.5%で、先月の3.6%から改善されました。雇用は、景気面ではやや強気材料ですが、利上げ圧力が強まるという面ではやや弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の住宅着工件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、3月の中古住宅販売件数、2月の新築住宅販売件数数は予想を下回りました。1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+2.5%で、市場予想と一致しました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利上げ圧力が強まるという面では弱気材料です。

 

新型コロナウイルス騒動に端を発する景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB20235月まで利上げを継続すると予想されています。また、量的引き締めも加速しています。ECBは、3月の理事会で3回連続となる0.5%の利上げを決定しました。また、6月にかけて保有資産を150億ユーロ規模で削減する方針です。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続するなど、金融緩和策を維持しています。ただ、2212月の金融政策決定会合で、長期金利の許容変動幅をプラスマイナス0.5%に拡大することを決めました。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、今年に入り上昇を続けています。直近では419 5.2614% 420 5.2727% 421 5.2551%と、ここ5年の最高値圏で推移しています。なお、202199日の0.1141%が直近の最低金利で、2023420日に記録した5.2727%がここ5年間の最高金利です。米国債金利と比べ、金融不安を示唆するレベルまで上昇してきており、警戒が必要です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.68PBR1.22となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+3.1%で、こちらは3か月前より2.3ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.6%となり、日経平均の割安幅は80円から190円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-360円から-80円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.06ポイントから3.09ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的・中期的に上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、インフレ対策を目的としたFRBの政策変更により金融緩和は収束に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBは量的緩和政策を終了し、量的引き締めの検討を開始しています

 

424日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。コカコーラなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを150円ほど下回り、下値は想定ラインを320円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-100円(現在28840円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-200円(現在28250円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

信用の売り圧力は、かなり弱まりました。また、日米市場の不安心理は後退しています。きょうの日経平均は小幅に反発しました。ここからは、主要企業の今期業績見通しに左右される相場となりそうです。



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Saturday, April 22, 2023

[2023/04/23]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、良好な経済指標の発表が続き、金融引き締めが長期化し景気が悪化するとの懸念が重荷となり、株価指数は週間で下落しました。

週間変動率 NYダウ:-0.23% NASAQ:-0.42% S&P500:-0.10%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、改定された2024年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が4.10ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER18.9に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER13.7との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

これは、現在の日経平均の価格に対して、2022年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに4.10ポイント拡大するか(日本が下方修正又は米国が上方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER31.2程度になるか、又は、日経平均が65120円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は36550円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、36550円分魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは拡大しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2023GDP予測値(現在+3.5%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、NYダウが25日線の上を維持できるか否かに注目したいと思います。

  四半期決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+8.9%となりました。3ヶ月前に比べて-0.1ポイント悪化しています。また、利益伸び率は+3.1%3ヶ月前に比べて-3.7%ポイント悪化しています。

  米国の長期金利は上昇し、日米間の金利差は3.07から3.11に拡大して、ドル円は133円から135円の範囲で円安方向に動きました。ドル・インデックスは週間で+0.14%下落しました。

  OECDの日米の2024年の名目GDP伸び率は、日本が+2.51%で、米国は+3.54%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.03ポイント劣ります。

  42週は買い越しでした。43週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、③が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に1.3ポイント(日経平均に勘算すると370円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に0.4ポイント(日経平均に勘算する110円程度)割高です。

 

米国市場に対する日本市場の弱さは、この週に縮小しました。 米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 16.8 まで低下しました。 日経 VI は 週間で 16.1まで低下しました。日米市場とも、楽観的であることを示唆しています。

 

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。日経平均の総合乖離率は+10.3%となり、200日移動平均線との乖離率は+4.0%でした。3つの要素がプラスですので、中期トレンドには、"青信号"が点灯しています。

                                                        

米国市場では、NYDowは、25日線・200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQは、25日線・200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表の雲の上に在ります。

短期的には黄信号で、中期的にも青信号が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界経済減速懸念は後退しているものの、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇とEU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東や東アジアの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

 

直近のLIBOR金利は上昇傾向で、引き続き金融不安再燃に注意が必要です。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期はもみあいです。日本市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20231月より円安方向へ転換しましたが3月中旬から円高方向で推移しています。今週は135円台から132円台が想定されます。

 

今週、米国では、マイクロソフト、アルファベット、フェイスブック、アマゾン、コカコーラ、ビザ、ボーイング、マスターカード、エクソン モービルなどの決算発表があります。また、経済指標では、第 1 四半期の GDP 成長率、個人の収入と支出、PCE 価格指数、耐久財の注文、新築住宅販売なども注目されます。他の地域では、フランス、ユーロ圏、ドイツの GDP 数値が発表されます。 その他、フランス、ドイツ、オーストラリアのインフレ率と、日本の金融政策も要注目です。

 

先週の日経平均は、想定レンジ内で推移しました。上値は想定ラインを380円ほど下回り、下値は想定ラインを100円ほど上回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+2σ(現在28880円近辺)で、下値が25日線(現在27910円近辺)の間での動きが想定されます。

 

米国市場では景気後退懸念はあるものの、VIXは低下しています。日経平均はボリンジャーバンド+1σ挟んだ動きとなりそうです


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Friday, April 21, 2023

[2023/04/21]今後の日経平均の見通し

[市況]

420日、NYDowNADSAQは下落しました。421日の日経平均先物は、前日比90円安で寄り付くと、午前中は110円安から130円高と一時上昇に転じ、午後は10円安から130円安の間でもみあって、結局、90円安で取引を終了しました。日経平均の終値は93円安の28564円で、出来高は10.53億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は5日平均を5日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強まりました。

 

420日の米国市場では、テスラやアメリカン・エキスプレス、ベライゾン・コミュニケーションズなど主要企業が相次いで減益決算を発表したことから、企業業績に対する懸念が強まり、リスク回避の動きが優勢となりました。インフレやFRBの利上げが長期化するとの観測が強まったことも投資家心理の重石となりました。NYDow3日続落し、NASDAQも反落しました。

421日の日本市場では、景気の先行き不透明感から前日の米株式市場が下落した流れが引き継がれ、売りが優勢となりました。外国為替市場で円相場が円高ドル安方向に推移したことも重石となりました。一方で、半導体市況の底入れ期待から半導体関連株が買われ、相場を支えました。日経平均は反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+10.3%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+4.0%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上あります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は-1.2ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が340円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は+0.5ポイントとややプラス幅を拡げ、日経平均が140円ほど割高であることを示しています

 

日経VI16.11と低下し、VIX17.17と上昇しました。両指数ともに、不安心理の高まりを示す20を下回っています。NYDowと比べて、日経平均は強い状態であり、前日より強さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-6.9、米国-1.8と日本が5.1ポイント割安ですが、OECD2024年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+3.5)1.0ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.04ポイント(日経平均換算で35330円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率2.6%増で、改定値の2.7%増から下方修正されました。一方、1012月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

4月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月の鉱工業生産指数、4月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月のシカゴ購買部協会景気指数、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指は市場予想を上回りました。一方、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数数、3月の小売売上高、3月の消費者物価指数、3月のISM非製造業景況指数、2月の製造業受注、3月のISM製造業景況指数、2月の耐久財受注は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利上げ圧力が弱まるという面では強気材料です

 

米国の3月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比23.6万人増で、市場予想の23.0万人増をやや上回りました。また、失業率は3.5%で、先月の3.6%から改善されました。雇用は、景気面ではやや強気材料ですが、利上げ圧力が強まるという面ではやや弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の住宅着工件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、3月の中古住宅販売件数、2月の新築住宅販売件数数は予想を下回りました。1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+2.5%で、市場予想と一致しました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利上げ圧力が強まるという面では弱気材料です。

 

新型コロナウイルス騒動に端を発する景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB20235月まで利上げを継続すると予想されています。また、量的引き締めも加速しています。ECBは、3月の理事会で3回連続となる0.5%の利上げを決定しました。また、6月にかけて保有資産を150億ユーロ規模で削減する方針です。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続するなど、金融緩和策を維持しています。ただ、2212月の金融政策決定会合で、長期金利の許容変動幅をプラスマイナス0.5%に拡大することを決めました。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、今年に入り上昇を続けています。直近では417 5.2650% 418 5.2504% 419 5.2614%と、ここ5年の最高値圏で推移しています。なお、202199日の0.1141%が直近の最低金利で、2023417日に記録した5.2650%がここ5年間の最高金利です。米国債金利と比べ、金融不安を示唆するレベルまで上昇してきており、警戒が必要です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.69PBR1.23となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.0%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+2.7%で、こちらは3か月前より3.7ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.3%となり、日経平均の割安幅は280円から80円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-360円から-80円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.12ポイントから3.06ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的・中期的に上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、インフレ対策を目的としたFRBの政策変更により金融緩和は収束に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBは量的緩和政策を終了し、量的引き締めの検討を開始しています

 

421日の米国市場では、4月の製造業PMIのほか、P&Gなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを100円ほど下回り、下値は想定ラインを230円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-100円(現在28780円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-200円(現在28200円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

信用の売り圧力は、やや強まりました。一方、日米市場の不安心理は後退しています。きょうの日経平均は反落しました。しばらくは、高値圏でのもみあいが続きそうです。



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