日経平均の予想

Monday, January 11, 2021

[2021/01/12]今後の日経平均の見通し

[市況]

111日、NYDowNASDAQは下落しました。112日の日経平均先物は、前日比40円安で寄り付くと、午前中は200円安から130円高の間でもみあい、午後は80円安から110高の間でもみあって、結局50円高で取引を終えました。日経平均の終値は25円高の28164円で、出来高は13.35億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては「買い」が有利の状態です。


111日の米国市場では、主要な株価指数が前週末までに連日で過去最高値を更新していたこともあり、短期的な過熱感が意識され、主力ハイテク株を中心に利益確定の売りが優勢となりました。また、トランプ大統領の罷免や弾劾をめぐって政治が混乱するとの見方も投資家心理の重石となりました。NYDow5営業日ぶりに、NASDAQ3営業日ぶりに反落しました。

112日の日本市場では、前日の米株安を受けて売りが先行しましたが、売り一巡後は米株価指数先物の上昇が好感され、買いの勢いが増しました。その後は、高値警戒感からの利益確定売りと先高観からの押し目買いが交錯しました。日経平均は小幅に続伸し、およそ305か月ぶりの高値を更新しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+39.2%と前週末よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+23.1%と前週末よりプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前週末より0.7ポイント拡大して+2.2となり、中長期的には日経平均がNASDAQより620円ほど割高であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較は、日本市場が8.9ポイント(日経平均換算で2510円)割高であることを示しています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.8、米国-2.8と日本が1.0ポイント割安ですが、OECD2021年予想実質GDP伸び率の日米差(日本が+2.3、米国が+3.2)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.16ポイント(日経平均換算で1230円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「英国のEU離脱」「米中貿易摩擦」「トランプ政権の通商政策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否や、消費税増税が景気に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP確定値は前期比年率33.4%増で、改定値の33.1%増から上方修正されました。また、79月期の米企業の決算は、大方の予想に反して堅調な内容です。

 

経済指標を見てみます。

12月のISM非製造業景況指数、11月の製造業受注、12月のISM製造業景況指数、12月のシカゴ購買部協会景気指数、11月の耐久財受注、11月の鉱工業生産指数、12月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、12月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、11月の小売売上高、12月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は74負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14万人減で、市場予想の10万人減を下回りました。一方、失業率は6.7%で、先月の6.7%から変わりませんでした。雇用は、景気面では弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しやすいという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

11月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、11月の中古住宅販売仮契約指数、11月の新築住宅販売件数、11月の中古住宅販売件数、11月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。10月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+7.9%で、市場予想の+6.9%を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しやすいという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの蔓延による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。にもかかわらず、長期金利の下降傾向が今後も続きそうなことは気がかりです。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続していますが、加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大し、ETFを従来の6兆円の2倍の12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近では、16 0.2340 17 0.2247 18 0.2243と落ち着きつつあり、金融不安の気配は後退しました。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER26.0PBR1.24となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE4.8%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-20.1%で、こちらは3か月前より1.2ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.5%となり、日経平均の割高幅は450円から390円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+150円から+450円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.07ポイントから1.12ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に上昇トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうです。長期金利も低い状態が続いており、対ドル安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

112日の米国市場では、12月の消費者物価指数などが注目されるでしょう。引き続き、新型コロナウイルス感染拡大への対応も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、ほぼ想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを40円ほど上回り、下値は想定ラインを10円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ+300円(現在28190円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+2σ-200円(現在27690円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Saturday, January 09, 2021

[2021/01/10]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタルの現状認識]

先週の米国市場は、民主党が大統領と上下両院で過半数を制する見通しとなったことで、追加経済対策やインフラ投資の拡大期待から、株価指数は上昇しました。一方、中長期的には、新型肺炎拡大長期化による景気後退、ハイ・イールド債のディフォルトなどによる銀行の信用力不足と信用収縮懸念があります。また世界的な自国中心の政治状況から中国などの景気減速、貿易戦争などによる世界経済の減速懸念もあります。さらに、中東、朝鮮半島やウクライナの地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2021年のOECDの実質GDP予想値を考慮すると、日本市場が0.11ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER25.5に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER26.2との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

これは、現在の日経平均の価格に対して、2021年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに0.11ポイント拡大するか(日本が下方修正又は米国が上方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER27.0程度になるか、又は、日経平均が28960円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は820円ほど割安です。

 

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇、

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大と一段の円安、

OECDによる日本の2021GDP予測値(現在-0.5%)の上方修正、

⑤外人の買い越し、

 

最近の動きを見ると、

   先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NYDow25日線の上を維持できるか否かに注目したいと思います。

   四半期決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は4.8%となりました。3ヶ月前に比べて0.1ポイント悪化しています。また、利益伸び率は-20.1%3ヶ月前に比べて1.1ポイント改善しています。

   米国の長期金利は上昇し、日米の金利差は 0.90%から1.09%と拡大して、為替は102円台から104円台で円安方向に動きました

   OECDの日米の2021年の実質GDP伸び率予測が改定されて、日本が+2.3%で、米国は+3.2%と予想されていますので、この面では日本市場の方が0.9ポイント劣ります。

   125週は売り越しで、11週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①③が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に0.5ポイント(日経平均に勘算すると140円程度)割高です。先週と比べ割高幅は拡大しました。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に8.5ポイント(日経平均に勘算すると2390円程度)割高となっています。

 

日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。総合乖離率は+39.7%となり先週と比較してプラス幅が拡大しました。200日移動平均線乖離率は+23.3でプラス幅は拡大しました。3つの要素がプラスですので、中期トレンドは、"青信号"が点灯しています。

日経平均は、25日線と9日線の上にありますので、短期トレンドは、"青信号"が点灯しています。

 

米国市場ではNY Dowは、200日線・25日線・9日線の上にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線・25日線・9日線の上にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。

短期的には青信号"で、中期的には青信号"が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると米国の利上げ、米中貿易摩擦、北朝鮮の問題、などの懸念は後退しているものの、新型コロナウィルスによる肺炎の感染拡大、米国政治の不透明感世界的な長期金利低下傾向、原油相場の低迷、米企業業績の悪化、ハイ・イールド債市場の下落、信用収縮に伴う金融市場混乱、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、貿易戦争に伴う世界経済減速懸念、中東やウクライナの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

 

また、直近のLIBOR金利は上昇の気配があり、注意が必要です。20203月には、短期金利が低下しているにも関わらずLIBOR金利は上昇したことから、金融不安再燃の可能性が意識されていました。

 

一方、好材料としては米国のゼロ金利政策とジャンク債購入を含むFRBによる企業への直接的金融支援や3兆ドルの経済対策、トランプ大統領の政策期待。日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と無制限の国債・12兆円のETF購入などの金融緩和措置に加え、日本政府によるリーマンショック時を超える経済対策やEUによる92兆円のコロナ復興基金設立とECBによるマイナス金利の深堀と量的緩和の拡大表明などが揚げられます。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。日本市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです

 

為替市場を分析すると、ここ半年は、ゆるやかに円高方向に動いています。今週は104円台から103円台が想定されます。こからは、テクニカル指標、米国市場動向、為替の動き、外国人投資家動向を注目する必要があります。

 

今週、世界中のコロナウイルスの状況は引き続きヘッドラインを支配することになるでしょう。その他の重要な発表としては、米国のインフレデータ、小売売上高、鉱工業生産、英国の月次GDP、中国のインフレデータと対外貿易、ドイツの2020年通年GDP、インドの鉱工業生産とインフレデータ、日本の経常収支と機械受注などがあります。

 

先週の日経平均は、ほぼ想定レンジ内で推移しました。上値は想定ラインを50円ほど上回り、下値は想定ラインを90円ほど下回りました。今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド +3σ(現在28090円近辺)で、下値がボリンジャーバンド +1σ(現在27300円近辺)の間での動きが想定されます。


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Thursday, January 07, 2021

[2021/01/08]今後の日経平均の見通し

[市況]

17日、NYDowNASDAQは大幅上昇しました。18日の日経平均先物は、前日比200円高で寄り付くと、午前中は200円高から530円高と上昇幅を拡げ、午後には730円高まで上昇幅を拡げて、結局700円高で取引を終えました。日経平均の終値は648円高の28139円で、出来高は13.89億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては「買い」が有利の状態です。


17日の米国市場では、民主党が大統領と上下両院の過半数を握る「ブルーウエーブ」が実現し、大型の追加経済対策が実施されるとの期待から、買いが優勢となりました。長期金利の上昇が嫌気され前日に売られたハイテク株にも、この日は買いが集まり、相場を牽引しました。株主要3指数はそろって過去最高値を更新しました。

18日の日本市場では、米次期政権の経済政策への期待から米株式相場が連日で上昇したことが投資家心理を上向かせ、運用リスクを取る動きが優勢となりました。米ハイテク株高を受けて半導体関連などが買われ、相場を牽引しました。日経平均は大幅に続伸し、およそ305か月ぶりの高値をつけました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+39.7%と前日よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+23.3%と前日よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.9ポイント拡大して+1.5となり、中長期的には日経平均がNASDAQより420円ほど割高であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較は、日本市場が8.5ポイント(日経平均換算で2390円)割高であることを示しています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.8、米国-2.6と日本が1.2ポイント割安ですが、OECD2021年予想実質GDP伸び率の日米差(日本が+2.3、米国が+3.2)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.28ポイント(日経平均換算で2220円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「英国のEU離脱」「米中貿易摩擦」「トランプ政権の通商政策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否や、消費税増税が景気に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP確定値は前期比年率33.4%増で、改定値の33.1%増から上方修正されました。また、79月期の米企業の決算は、大方の予想に反して堅調な内容です。

 

経済指標を見てみます。

12月のISM非製造業景況指数、11月の製造業受注、12月のISM製造業景況指数、12月のシカゴ購買部協会景気指数、11月の耐久財受注、11月の鉱工業生産指数、12月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、12月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、11月の小売売上高、12月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は74負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

米国の11月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比245000人増で、市場予想の45万人増を下回りました。一方、失業率は6.7%で、先月の6.9%から改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しやすいという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

11月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、11月の中古住宅販売仮契約指数、11月の新築住宅販売件数、11月の中古住宅販売件数、11月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。10月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+7.9%で、市場予想の+6.9%を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しやすいという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの蔓延による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。にもかかわらず、長期金利の下降傾向が今後も続きそうなことは気がかりです。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続していますが、加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大し、ETFを従来の6兆円の2倍の12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近では、14 0.2372 15 0.2368 16 0.2340と落ち着きつつあり、金融不安の気配は後退しました。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER26.2PBR1.25となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE4.8%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-20.3%で、こちらは3か月前より1.1ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.7%となり、日経平均の割高幅は150円から450円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+150円から+450円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.02ポイントから1.07ポイントに拡大し、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に上昇トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうです。長期金利も低い状態が続いており、対ドル安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

18日の米国では、12月の雇用統計が注目されるでしょう。引き続き、新型コロナウイルス感染拡大への対応も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを250円ほど上回り、下値は想定ラインを370円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+3σ-100円(現在27990円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+2σ(現在27690円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Wednesday, January 06, 2021

[2021/01/07]今後の日経平均の見通し

[市況]

16日、NYDowは大幅上昇し、NASDAQは下落しました。17日の日経平均先物は、前日比300円高で寄り付くと、午前中は300円高から580円高と上昇幅を拡げ、午後は530円高から370円高の間でもみあって、結局430円高で取引を終えました。日経平均の終値は434円高の27490円で、出来高は15.13億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては「買い」が有利の状態です。


16日の米国市場では、ジョージア州の上院議員選の決選投票を通過したことから、政治的な不透明感が後退し、景気敏感株を中心に買いが優勢となりました。一方で、ハイテク株からは資金が流出しました。NYDowは大幅に続伸し、NASDAQは反落しました。

17日の日本市場では、前日の米株高が好感され、出遅れていた割安株を中心に買いが優勢となりました。ただ、午後、東京都で新たに確認されたPCR検査の新規陽性者数が2000人を超えたと伝わると、利益確定の売りが相場の上値を抑える展開となりました。日経平均は5日ぶりに反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+32.6%と前日よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+20.7%と前日よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+0.6とプラスに転換し、中長期的には日経平均がNASDAQより160円ほど割高であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較は、日本市場が6.5ポイント(日経平均換算で1790円)割高であることを示しています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.9、米国-2.7と日本が1.2ポイント割安ですが、OECD2021年予想実質GDP伸び率の日米差(日本が+2.3、米国が+3.2)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.33ポイント(日経平均換算で2500円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「英国のEU離脱」「米中貿易摩擦」「トランプ政権の通商政策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否や、消費税増税が景気に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP確定値は前期比年率33.4%増で、改定値の33.1%増から上方修正されました。また、79月期の米企業の決算は、大方の予想に反して堅調な内容です。

 

経済指標を見てみます。

11月の製造業受注、12月のISM製造業景況指数、12月のシカゴ購買部協会景気指数、11月の耐久財受注、11月の鉱工業生産指数、12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のISM非製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、12月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、11月の小売売上高、12月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は74負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

米国の11月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比245000人増で、市場予想の45万人増を下回りました。一方、失業率は6.7%で、先月の6.9%から改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しやすいという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

11月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、11月の中古住宅販売仮契約指数、11月の新築住宅販売件数、11月の中古住宅販売件数、11月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。10月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+7.9%で、市場予想の+6.9%を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しやすいという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの蔓延による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。にもかかわらず、長期金利の下降傾向が今後も続きそうなことは気がかりです。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続していますが、加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大し、ETFを従来の6兆円の2倍の12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近では、1231 0.2383 14 0.2372 15 0.2368と落ち着きつつあり、金融不安の気配は後退しました。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER25.5PBR1.22となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE4.8%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-20.0%で、こちらは3か月前より1.3ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.6%となり、日経平均の割高幅は210円から150円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+150円から+560円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、0.99ポイントから1.02ポイントに拡大し、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的・中期的に上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうです。長期金利も低い状態が続いており、対ドル安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

17日の米国では、週間の新規失業保険申請件数、11月の貿易収支、12月のISM非製造業景況指数のほか、マイクロン・テクノロジーなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、新型コロナウイルス感染拡大への対応も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを270円ほど上回り、下値は想定ラインを490円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ+200円(現在27660円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ(現在27150円近辺)が下値の目安になりそうです。



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