日経平均の予想: September 2024

Sunday, September 15, 2024

[2024/9/16]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、インフレの落ち着きを示す経済指標の発表を受けて、FOMCで利下げ幅が0.5%に拡大するとの期待から、週間で株価指数は大幅に上昇しました。

週間変動率 NYダウ:+2.60%, NASDAQ:+5.95%, S&P500:+4.02%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が4.12ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER22.7対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER14.9との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

これは、現在の日経平均の価格に対して、2022年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに4.12ポイント拡大するか(日本が下方修正又は米国が上方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER38.6程度になるか、又は、日経平均が94,780円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は58,190円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、58,190円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さはやや拡大しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+2.9%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、NYダウが25日線を維持できるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+8.7%となりました。3ヶ月前に比べて0.2ポイント悪化しました。また、利益伸び率は+2.2%となりました。3ヶ月前に比べて1.5%ポイント改善しています。

  米国の長期金利は低下し、日米間の金利差は2.87から2.82と縮小して、ドル円は143円台から140円台の範囲で円高方向に動きました。ドル・インデックスは週間で-0.07%下落しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+2.9%で、米国は+3.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.0ポイント劣ります。

  9月第1週は売り超しで、9月第2週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が強気材料で、③と⑤が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に10.1ポイント(日経平均に勘算すると3690円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に8.8ポイント(日経平均に勘算する3220円程度)割安です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQに対しては弱い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 16.6 と低下しました。 日経 VI は 週間で 28.8と低下しました。米国市場は楽観的で、日本市場はボラタイルです。

 

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は、一目均衡表の雲の中に在ります。日経平均の総合乖離率は-9.3%となり、また、200日移動平均線との乖離率は-2.6%でした。 2つの要素がマイナスですので、中期トレンドには、"黄信号"が点灯しています。

                                                        

米国市場では、NYDow9日線・25日線・200日線の上にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

短期的には"信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念が意識されています。また、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などがリスク要因として存在します。

 

直近のLIBOR金利は上昇傾向で、引き続き金融不安再燃に注意が必要です。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみあいで、短期は上昇トレンドです。

日本市場は中期もみあいで、短期は上昇トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20246月につけた162円台をピークに円高方向に転換しています。今週は137円から142円が想定されます。

 

今週の米国市場では、FOMCで決定される利下げ幅に注目が集まります。また、9月のニューヨーク連銀製造業景気指数や8月の小売売上高、8月の鉱工業生産、8月の住宅着工件数も注目されそうです。世界的には、英国のCPI、金利決定、小売り売上高、日本の金利決定、などが注目されそうです。

 

先週の日経平均は、想定レンジ内で推移しました。上値は想定を350円ほど下回り、下値は想定ラインを530円ほど上回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値が25日線 (現在37330円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-2σ(現在35210円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週は、米国市場に漂う景気後退懸念と利下げ幅が関心事となりそうです。日本市場では、これ等に影響されるドル円相場の動きに、一喜一憂する相場となりそうです。


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Friday, September 13, 2024

[2023/09/13]今後の日経平均の見通し

[市況]

912日、NYDowNASDAQは上昇しました913日の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付くと、午前中は50円高から380円安と下落に転じ、午後は420円安から120円安の間で上下して、結局、340円安で取引を終えました。日経平均の終値は251円安の36581円で、出来高は17.38億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり強まりました。

 

912日の米国市場では、8月の生産者物価指数(PPI)が市場予想と一致したことから、「FRB9月のFOMCで大幅利下げには踏み切らないまでも、断続的に利下げを続ける」との観測が強まり、主力株を中心に見直し買いが優勢となりました。大統領候補者によるTV討論会を通過したことも安心感につながりました。NYDowは続伸し、NASDAQ4日続伸しました。

913日の日本市場では、外国為替市場で1ドル140円台後半まで円高ドル安が進行したことから、輸出関連株に採算悪化を懸念した売りが出ました。日経平均は前日に1213円高と今年3番目の上げ幅を記録していたうえ、3連休が控えているとあって、利益確定の売りや持ち高調整の売りが出やすくもありました。日経平均は反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-9.3%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-2.6%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の中に入りました。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-9.5ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が3480円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-8.1ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2960円ほど割安であることを示しています

 

日経VI28.82と前日より上昇し、VIX17.07と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として大きく上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.9、米国-0.8と日本が5.1ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+3.9)1.0ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.09ポイント(日経平均換算で57060円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP改定値は前期比年率3.0%増で、速報値の2.8%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

8月のISM非製造業景況指数、7月の製造業受注、8月のシカゴ購買部協会景気指数、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、7月の耐久財受注、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の小売売上高は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、8月のISM製造業景況指数、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、7月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は93負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.2万人増で、市場予想の16.0万人増を下回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.3%から改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が拡大するという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

7月の新築住宅販売件数、7月の中古住宅販売件数、6月の中古住宅販売仮契約指数は予想を上回りました。一方、7月の住宅着工件数、8月の住宅市場指数は予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+6.5%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利下げ次期が遅れるという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

市場は、FRB2024年内に複数回の利下げをおこなう可能性を意識しており、9月利下げ開始への期待を高めています。ECBは、利下げを開始しましたが、追加の利下げには慎重な姿勢を示しています。一方、日銀は、2%のインフレ目標を達成できる見通しがついたとして、利上げに踏み切りました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、今年に入り上昇を続けています。直近では99 5.1871% 910 5.2104% 911 5.1929%%と、ここ5年の最高値圏で推移しています。なお、202199日の0.1141%が直近の最低金利で、20231010日に記録した5.6873%がここ5年間の最高金利です。米国債金利と比べ、金融不安を示唆するレベルまで上昇していますが、直近ピークアウトしています。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.91PBR1.30となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.7%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+2.6%で、こちらは3か月前より1.5ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.8%となり、日経平均は50円の割高から290円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-680円~+50円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.81ポイントから2.81ポイントと横ばいで、ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。欧米の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。不動産企業の破綻と地方政府の財政問題が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、景気が減速ぎみに推移しており、FRBが利下げに転換する時期を探る動きとなっています。対ドルで円安が進みにくい状況です。尚、ECBは利下げに踏み出しています

 

913日の米国市場では、9月のミシガン大学消費者信頼感指数などが注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを640円ほど下回り、下値は想定ラインを270円ほど上回りました。目先は、25日線-200円(現在37130円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-500円(現在35770円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

日経VIは、以前として高水準にあり、前日比で上昇しました。また、信用の売り圧力は、かなり強まりました。日経平均は反落しました。FOMCを通過するまでは、荒い値動きが続きそうです。



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Thursday, September 12, 2024

[2023/09/12]今後の日経平均の見通し

[市況]

911日、NYDowNASDAQは上昇しました912日の日経平均先物は、前日比840円高で寄り付くと、午前中は1110円高から690円高の間で上下し、午後は740円高から1140円高と上昇幅を拡げて、結局、1100円高で取引を終えました。日経平均の終値は1213円高の36833円で、出来高は18.65億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱まりました。

 

911日の米国市場では、8月の消費者物価指数(CPI)のコア指数が市場予想を上回ったことから、FRBが来週の会合で決定する利下げ幅が0.25%にとどまるとの見方が強まり、株売りを促しました。ただ、売り一巡後はハイテク株を中心に見直し買いが入り、指数を押し上げました。結局、NYDowは反発し、NASDAQは大幅に3日続伸しました。

912日の日本市場では、前日の米ハイテク株高が好感され、半導体関連株が軒並み買われました。また、円高ドル安の一服を受けて、自動車株に買いが向かいました。国内企業の業績は堅調との見方から、割安感が出た局面で日本株を買い直す動きも出たようです。日経平均は8日ぶりに大幅に反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-7.1%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-1.9%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上に出ました。3つの要素のうち1つがプラスとなり、中期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にあり、9日線と25日線を上回りました。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にあり、9日線と25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に出ました。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-7.9ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2910円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-6.9ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2540円ほど割安であることを示しています

 

日経VI26.99と前日より低下し、VIX17.69と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として大きく上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.8、米国-0.8と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+3.9)1.0ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.00ポイント(日経平均換算で56200円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP改定値は前期比年率3.0%増で、速報値の2.8%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

8月のISM非製造業景況指数、7月の製造業受注、8月のシカゴ購買部協会景気指数、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、7月の耐久財受注、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の小売売上高は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、8月のISM製造業景況指数、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、7月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は93負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.2万人増で、市場予想の16.0万人増を下回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.3%から改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が拡大するという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

7月の新築住宅販売件数、7月の中古住宅販売件数、6月の中古住宅販売仮契約指数は予想を上回りました。一方、7月の住宅着工件数、8月の住宅市場指数は予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+6.5%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利下げ次期が遅れるという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

市場は、FRB2024年内に複数回の利下げをおこなう可能性を意識しており、9月利下げ開始への期待を高めています。ECBは、利下げを開始しましたが、追加の利下げには慎重な姿勢を示しています。一方、日銀は、2%のインフレ目標を達成できる見通しがついたとして、利上げに踏み切りました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、今年に入り上昇を続けています。直近では96 5.2002% 99 5.1871% 9105.2104%と、ここ5年の最高値圏で推移しています。なお、202199日の0.1141%が直近の最低金利で、20231010日に記録した5.6873%がここ5年間の最高金利です。米国債金利と比べ、金融不安を示唆するレベルまで上昇していますが、直近ピークアウトしています。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.11PBR1.32となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+2.0%で、こちらは3か月前より0.9ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.2%となり、日経平均は510円の割安から50円の割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-680円~+50円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.78ポイントから2.81ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。欧米の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。不動産企業の破綻と地方政府の財政問題が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、景気が減速ぎみに推移しており、FRBが利下げに転換する時期を探る動きとなっています。対ドルで円安が進みにくい状況です。尚、ECBは利下げに踏み出しています

 

912日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、8月の生産者物価指数(PPI)のほか、アドビやクローガーなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを500円ほど上回り、下値は想定ラインを1230円ほど上回りました。目先は、25日線+200円(現在37460円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-100円(現在36000円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

日経VIは、以前として高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、かなり弱まりました。日経平均は8日ぶりに大幅に反発しました。チャートからは2番底を打ったように見えますが、FOMCを通過するまでは、荒い値動きが続きそうです。



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Wednesday, September 11, 2024

[2023/09/11]今後の日経平均の見通し

[市況]

910日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました911日の日経平均先物は、前日比100円安で寄り付くと、午前中は70円安から430円安の間で上下し、午後は190円安から900円安と下落幅を拡げて、結局、380円安で取引を終えました。日経平均の終値は539円安の35619円で、出来高は19.40億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態ですが、売られ過ぎの水準です。

空売り比率は、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり強まりました。

 

910日の米国市場では、大統領候補によるTV討論会や8月の消費者物価指数(CPI)の発表など重要イベントを控えて投資家の警戒心が強まり、持ち高調整の売りが優勢となりました。一方、前週に下げが目立ったハイテク株の一角には買いが入りました。また、景気の影響を受けにくいとされるディフェンシブ株も物色されました。結局、NYDowは反落し、NASDAQは続伸しました。

911日の日本市場では、米長期金利の低下を背景とした外国為替市場の円高ドル安進行が重石となり、輸出関連株を中心に売りが優勢となりました。日銀審議委員の1人が追加利上げに前向きな発言をしたことも円買いを促しました。8月の米CPIの発表を前に手じまい売りも出たようです。日経平均は7日続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-16.6%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-5.1%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中に入りました。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-8.9ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が3170円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-9.8ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が3490円ほど割安であることを示しています

 

日経VI27.90と前日より上昇し、VIX19.08と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として大きく上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-6.0、米国-0.8と日本が5.2ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+3.9)1.0ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.18ポイント(日経平均換算で56180円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP改定値は前期比年率3.0%増で、速報値の2.8%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

8月のISM非製造業景況指数、7月の製造業受注、8月のシカゴ購買部協会景気指数、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、7月の耐久財受注、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の小売売上高は市場予想を上回りました。一方、8月のISM製造業景況指数、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、7月の鉱工業生産指数、7月の消費者物価指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げが遅れるという面では弱気材料です

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.2万人増で、市場予想の16.0万人増を下回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.3%から改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が拡大するという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

7月の新築住宅販売件数、7月の中古住宅販売件数、6月の中古住宅販売仮契約指数は予想を上回りました。一方、7月の住宅着工件数、8月の住宅市場指数は予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+6.5%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利下げ次期が遅れるという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

市場は、FRB2024年内に複数回の利下げをおこなう可能性を意識しており、9月利下げ開始への期待を高めています。ECBは、利下げを開始しましたが、追加の利下げには慎重な姿勢を示しています。一方、日銀は、2%のインフレ目標を達成できる見通しがついたとして、利上げに踏み切りました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、今年に入り上昇を続けています。直近では95 5.2076% 96 5.2002% 99 5.1871%と、ここ5年の最高値圏で推移しています。なお、202199日の0.1141%が直近の最低金利で、20231010日に記録した5.6873%がここ5年間の最高金利です。米国債金利と比べ、金融不安を示唆するレベルまで上昇していますが、直近ピークアウトしています。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.64PBR1.28となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.7%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+2.3%で、こちらは3か月前より1.5ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.4%となり、日経平均の割安幅は680円から510円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-680円~-50円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.82ポイントから2.78ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。欧米の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。不動産企業の破綻と地方政府の財政問題が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、景気が減速ぎみに推移しており、FRBが利下げに転換する時期を探る動きとなっています。対ドルで円安が進みにくい状況です。尚、ECBは利下げに踏み出しています

 

911日の米国市場では、大統領候補者によるTV討論会や8月の消費者物価指数(CPI)が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを200円ほど下回り、下値は想定ラインを530円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+300円(現在36260円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ(現在34730円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

日経VIは、以前として高水準にあり、前日比で上昇しました。また、信用の売り圧力は、かなり強まりました。日経平均は7日続落しました。FOMCを通過するまでは、2番底を探る動きが続きそうです。



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Tuesday, September 10, 2024

[2023/09/10]今後の日経平均の見通し

[市況]

99日、NYDowNASDAQは大幅上昇しました910日の日経平均先物は、前日比150円高で寄り付くと、午前中は240円安から300円高の間で上下し、午後は200円高から130円安の間で上下して、結局、90円安で取引を終えました。日経平均の終値は56円安の36159円で、出来高は17.13億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

99日の米国市場では、前週末にかけて大幅に下げた後とあって、主力株を中心に見直し買いが入りました。FRB1718日開催のFOMCで利下げに踏み切るとの公算は大きく、金融緩和が景気を支えるとの見方が投資家心理を支えました。また、半導体株が買い直されたことも好感されました。NYDow3営業日ぶりに反発し、NASDAQも反発しました。

910日の日本市場では、前日の米株式市場でハイテク株が買われた流れを受け、値がさの半導体関連株の一角に押し目買いが入りました。ただ、米大統領候補によるTV討論会や8月の米CPIの発表、株価指数先物・オプション9月物のSQ算出など重要イベントを週内に控えて様子見ムードも強く、積極的に買い進む動きは限定的でした。結局、日経平均は6日続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-12.3%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-3.6%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線の下にありますが、200日線の上にあり、25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-6.7ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2420円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-8.6ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が3110円ほど割安であることを示しています

 

日経VI27.74と前日より低下し、VIX19.45と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として大きく上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.8、米国-0.7と日本が5.1ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+3.9)1.0ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.10ポイント(日経平均換算で56820円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP改定値は前期比年率3.0%増で、速報値の2.8%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

8月のISM非製造業景況指数、7月の製造業受注、8月のシカゴ購買部協会景気指数、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、7月の耐久財受注、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の小売売上高は市場予想を上回りました。一方、8月のISM製造業景況指数、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、7月の鉱工業生産指数、7月の消費者物価指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げが遅れるという面では弱気材料です

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.2万人増で、市場予想の16.0万人増を下回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.3%から改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が拡大するという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

7月の新築住宅販売件数、7月の中古住宅販売件数、6月の中古住宅販売仮契約指数は予想を上回りました。一方、7月の住宅着工件数、8月の住宅市場指数は予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+6.5%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利下げ次期が遅れるという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

市場は、FRB2024年内に複数回の利下げをおこなう可能性を意識しており、9月利下げ開始への期待を高めています。ECBは、利下げを開始しましたが、追加の利下げには慎重な姿勢を示しています。一方、日銀は、2%のインフレ目標を達成できる見通しがついたとして、利上げに踏み切りました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、今年に入り上昇を続けています。直近では94 5.2560% 95 5.2076% 96 5.2002%と、ここ5年の最高値圏で推移しています。なお、202199日の0.1141%が直近の最低金利で、20231010日に記録した5.6873%がここ5年間の最高金利です。米国債金利と比べ、金融不安を示唆するレベルまで上昇していますが、直近ピークアウトしています。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.90PBR1.31となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+2.5%で、こちらは3か月前より1.4ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.8%となり、日経平均の割安幅は50円から680円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-680円~-50円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.86ポイントから2.82ポイントに縮小しましたが、ドル円相場はやや円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。欧米の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。不動産企業の破綻と地方政府の財政問題が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、景気が減速ぎみに推移しており、FRBが利下げに転換する時期を探る動きとなっています。対ドルで円安が進みにくい状況です。尚、ECBは利下げに踏み出しています

 

910日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。大統領候補者によるTV討論会が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを610円ほど下回り、下値は想定ラインを160円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+300円(現在36160円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ(現在34570円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

日経VIは、以前として高水準にありますが、前日比で低下しました。また、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は6日続落しました。FOMCを通過するまでは、2番底を探る動きが続きそうです。



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